強い希望に応えるエンジン。


オーバーヒートで入庫中のZ32よりエンジンを降ろしました。


相当なオーバーヒートでしたから、シリンダーヘッドのみならずシリンダーブロックまで変形しているかと思いきや、計測の結果なんとか面研で修正可能と判明しました。
しかしながら1/3番のピストン上部が真っ黒ですので、今回のオーバーヒートでのトラブルとは別の原因がありそうです。


30年間使い込まれたシリンダーヘッド。
洗浄するだけでも大変そうな状態ですが、どちらにしても最悪の状態は回避出来そうですので、明るい希望が見えてきました。

雨の合間にZ32を悩んでみた。

昨日、今日と、雨の合間を縫ってファクトリー間の車両入替や、点検などを行いました。
DAYTONAにしてみると、珍しく九州圏内のZ32の入庫が集中しています。


オイルリーク修理のZ32は、リアサスペンションメンバーブッシュの交換や、ハイキャスキャンセルも行いましたので、
最後の仕上げにアライメント調整を行っています。 計測機器はJOHN BEAN(ジョンビーン)製3Dアライメントテスターです。
計測が早く精度も良いので、アライメント調整にありがちな”堂々巡り”にならず、とても重宝しています。


週末に入庫したZ32コンバーチブルは、現状把握のためヘッドオフィスにてリフトアップ。
外観から想像はできましたが、全体的に好状態です。
とはいえ、いくつか気になる箇所もあるため、今週中には概算の報告予定です。


オーバーヒートで入庫していたZ32は、ファクトリー1へ輸送。
入庫時にはエンジンも始動できず、またコンプレッションも低く、ようやくエンジンが始動したと思えば片排及び白煙。
根本的に何処からか冷却水が漏れているのに加え、残念ながらエンジンは深刻なダメージを負っている可能性が高く、
非常に頭が痛い案件です。
オーナー氏とは10年以上のお付き合いをさせていただいていますが、だからこそ言い出しにくい事もあるのです。
今できるベターな方法を模索しプランニングを行います。





理解がないと、所有することは難しい。


気温が上昇し始める初夏の頃。
毎年決まってZ32の修理入庫やご相談が相次ぎます。
みなさんも御存知の通り、Z32へ搭載されるVG30DETTエンジンは国内初の280馬力をマークした高性能エンジンです。
故に様々な熱害トラブルはデビュー当初より懸念されており、それが30年もの月日を生き続けていることが、性能(エンジン性能だけではなく、組み立ての技術など)の高さを物語っています。
ですが性能の高さが幸か不幸か、現存する車体が多すぎるのが1つの問題で、新品/中古を問わず部品の供給数よりも車体のほうが多い印象です。
一昔前なら、Z32は部品取り車ならタダ同然 エンジンを含むパーツは豊富に市場にありましたが、今ではほしい部品は簡単には見つからず、とても頭を抱えています。
エンジン本体にしても、昔は日産から供給されていたベアエンジンは50万円程度で入手できていましたが、今ではベアエンジンは製造廃止となり、仕方なく中古エンジンを探そうにも市場にはほぼ流通していません。
だから、今ある部品は大切に最大限利用しつつ手組みでリビルトするしかない。
そのためには時間も予算もかかってしまいますが、完璧に調律の取れたZ32は他の車では感じることのできない良い味があるのもZ32の醍醐味なのです。

サスペンションメンバーブッシュ交換準備


リアメンバーを降ろしました。


最も酷かった運転席側後部のブッシュは上部まで破損していました。
基本的には4箇所全て痛みが酷く、1990年から使用していると考えれば使用期間は33年ですので、非常に”良く持った”かと思います。


リアメンバーが降りたことにより、シャーシの点検などもやり易く、ボディの腐食やクラックの発生が無いか点検を行います。


先に33年持ったブッシュだと書きましたが、この時代の日産車は本当に作りが良く、シャーシから伸びたメンベー固定用のボルトを見てください。
錆1つなく新品そのものです。 当然交換歴はなくオリジナルの状態ですが、メンバー〜シャーシの隙間から雨水等が侵入しないよう設計されている為、
全くのノーダメージです。 反面、Z33などは酸化の影響で白錆の発生が多いです。 今回気がついたこともありますので、目が届かない箇所にも気を配るようエンジニアに指示を行いました。

駆動力を支えるのは4箇所


車検で入庫したGCZ32の車両下部後方。
一見すると何の異変もありませんが、実はサスペンションメンバーブッシュににダメージを負っています。


Z32に限らずZ33/34も同様に、サスペンションメンバー〜シャーシは4箇所のボルトでマウントされており、NVH向上のため巨大なグリス注入型ブッシュで保護されています。
が、当然ストレスも相応に生じる箇所であり、経年劣化でブッシュは裂けグリスが漏れ出しています。
また、日産自動車からはすでに供給が終了して(ツインターボ 4シーター)いますが、Z33/34のデフマウントブッシュで定評のあるWHITELINE AUより、専用ブッシュがリリースされていますのでブッシュ交換は可能です。
巨大なサスペンションメンバーを着脱し、その後油圧プレスで圧入を行う重作業となりますが、復元できる可能性や、最終定価約15万円の部品代を考えると、悲しみよりも喜びの方が勝るのはある意味当然の結果です。

Z32が好きで始めた仕事だから。


今年も残すところ7営業日。
しかも週末は雪予報ということもあり、2022年のDAYTONAは12月30日まで営業を行い、1台でも多くのお預かりしているZの納車を行います。
さて、なんだかんだと言っても依然Z32の入庫が多く、車検や修理、板金塗装など モディファイよりもプチレストア案件が大半です。


どの車両もベースは同じなので、故障箇所も似たようなケースが多く、特にオイルシール系をはじめとするラバー材質の硬化によるオイル漏れやサスペンションからの異音など。
これらは特に気温が下がる冬場に症状が悪化してしまいます。
逆に夏場はオーバーヒートに苦しむZ32が多く、結果として年中Z32を触り続けています。


東北より入庫いただいたZ32を回送したり。


新しく入庫したZ32も、またオイル漏れ。
今年もZ32に囲まれてDAYTONAは1年の営業を猛ダッシュで締めくくりに入っています。

鬼門を克服。


タイミングベルト交換や水漏れの際に、よく見かける光景。
アッパーホースからエンジンへ分岐するバイパスパイプの劣化は、それ自体が水漏れを引き起こすことでも知られています。
一番の原因は冷却水の管理不良が引き起こす事で、腐食を誘発し劣化を進めていきます。
こうなると交換しかないわけですが、純正パーツへ交換したところで素材は腐食に弱いスチールですので数年後には同じ症状に悩まされる可能性は高いです。


DAYTONA Racing │ アルミニウム バイパスパイプ - フェアレディZ Z32
50023-z32001 12,800円(税込14,080円)
そこで、純正同一形状ながら対腐食性に高いアルミニウム製とすることにより、そのような悩みを解消します。
もちろん、本製品へ交換したからと音が良くなるわけでも何でもないのですが、トラブルを未然に防ぐことのできるアイテム。 末永くZ32を愛してくれるオーナーさんへお届けしたいアイテムです。

オールブラックの魅力


■BLACK CARBON×LEATHER STEERING WHEEL 300ZX 93,600円(税込102,960円)
Z32フェアレディZも数多く取り扱っているショップさまからのご依頼品です。
チルト&テレスコ機能のないZ32はステアリングのフラットボトム化を行うことで乗車性も大変向上し、同時によりスポーティさを強調してくれるデザインです。
上下部にはオーソドックスなブラック・カーボンファイバをベースに、左右のレザーは同じくブラック・ハーフパフォーム(半通気孔)ブラック・ステッチで締め、
オールブラック仕上げとなりました。

脱炭素には程遠いけど人に近いクルマがあってもいいじゃないか!


DAYTONAを開業してまもなくからのお付き合いですので、これまで4台のGCZ32をご購入いただき約15年のお付き合いをさせていただいています。
現在の愛機は3型ツインターボ2/2 5速 今回は車検預かり及び少点検、交換作業のご依頼です。
・24ヶ月法定点検
・エアコン不調→エアコンガス漏れ?
・パワーステアリングオイル漏れ→低圧ホース
・ラジオアンテナ収納不能→交換
・リアゲートダンパー ガス漏れ→交換
・リアバンパー サイドマーカー交換
・ライトSW及びACスイッチ部ブラケット交換
・オートエアコンアクチュエーター交換


気がつくといくつかの部品は製造廃止になっており、絶対に純正部品じゃないと駄目な箇所も容赦なく製造廃止・・・。
これまでは「日本が駄目なら北米から」が通用していた手法も、米国においても製造廃止。 純正部品に頼れないから、様々なルートで作ったり、直したり。 時々諦めたり。。。
それでも100%内燃機エンジンを搭載する車で遊べる時代の終わりはそう遠くない時代にやってくるから、もしも多少の不具合があったとしても、それも含めて良い時代だったと振り返る日がやって来きます。
2035年まであと14年 Z32にはそれまで生き残っていて欲しい!


オリジナル・トノカバー発売!


DAYTONA Racing┃オリジナル トノカバー - nissan フェアレディZ Z32
本来は大きなハッチガラスからの紫外線保護や、トランクルームに置いている荷物の目隠しのために作られたであろう、純正のトノカバー。
30年もの歳月が流れると、悲しいかな経年劣化でカーテンはボロボロになり、カバー本体に意匠された樹脂も剥がれ落ち、またカーテンを収納できるはずがリターンスプリングが弱くなり巻取り不可などなど。 多くのZ32ユーザーさんにとって深刻な問題でした。
今回発売するトノカバーは、カーテンを一新するのは当然ながら、カバー本体へパウダーコーティングを行いました。カーテン〜ハッチ部の接続フックも強化プラスティックを使用し、さらにリターンスプリングも強化。 すべてのネガティブであった箇所は一新され、全く新しいトノカバーとなって生まれ変わりました。
これから紫外線のきつい夏がやって来る前に、ぜひとも貴方のトランクルームへ装着してください。

水漏れ、オイル漏れ


今年もZ32の修理依頼がドンドンと飛び込んできています。
県外からの入庫は当然ながら、この最近では日産ディーラーからの依頼もあるほどの状況で、やはりキチンとした修理や調整を行うことのできる職人が減ってきている事を感じさせます。
それと同時に様々な主要部品の生産廃止も大きな足かせとなっています。

嬉しいことに"DAYTONAだから"の信頼を頼りに来てくれる方々ではあるのですが、残念ながら時には人為的、時には機械的な事情により、納車後に再び再修理を行う事もあり、それも近所の方ならまだしも、陸送先でのトラブル その対応に非常に残念な思いをした事例も事実あります。
勿論防ぐことのできるエラーは十二分に気をつけながらも、やはり遠方の方の場合、何かあってもすぐに対応できないことからも日頃お世話になっている工場さんのサポートを得ながら、Z32を良い状態へ導くお手伝いをDAYTONAがさせて頂くことも1つの提案かと思い始めましたので、これまで外部には出さなかったパーツなどを今年はご紹介しながら「フェアレディZオーナーさんの為になる仕事を今まで以上に行えたらどれほど素晴らしいことだろうか」と考えるようになりました。
今回はその一例をご紹介します。

Z32フェアレディZにとって厄介な修理はオイル漏れ、水漏れです。
では何故VG30DE(DETT)エンジンが、これらトラブルに弱いかというと、皆さんの想像通り「熱害」に他なりません。
水ホースに焦点を当てると、純正ホースは内部に糸を編み込んだスパイラルホースです。曲げ角度や長さに至るまで全て新車時の図面通りの製造ですので、メカニックはパズルをするかのように”同じもの”の交換を行うと良い利点はあります。
しかしながら欠点もあります。 純正ホースは"EPDMホース"と呼ばれる只のゴムホースで対応温度は標準で100℃以下 最高でも約120℃ともいわれており、正直な話 発熱量の高いVG30エンジンには役不足である感は否めません。

DAYTONA Racing │ 4層ウォーターシリコンホース - nissan フェアレディZ Z32
そこでDAYTONAではシリコンホースを多用しています。
シリコンホースといえばバキュームホースを連想される方もいますが、あれは編み込みなしの低負荷専用。 水ホースへは使用できません。
私達は4プライ(4層)のシリコンホースを使用しています。 利点は200℃の耐熱温度。そして現場で必要な長さへカットしながら組み立てていますので部品を一致させるための探す手間がかかりません。
欠点があるとするなら、純正部品ではないというところ。
ただ、DAYTONAでは前々から同じ考えではありますが、”最新の技術と材料を使い最新のZ32を作る”という基本ポリシーに今も変わりはありませんから、それで純正の値を上回り安心が手に入るならば、それは最善の方法であると信じています。

当然の入荷 そして嬉しい再販のご案内。 Z32ドア&クオーターモール。


■300° DEGREEZ(スリーハンドレッド ディグリーズ)│ ドア&クォーターガラスモール
サプライヤーから供給停止の案内をうけたのが1年以上前。
当分の間はDAYTONA在庫分で持ちこたえてはいましたが、それもとうとう無くなったのが半年前。
なんとかサプライヤーへ再販を打診し続け「2020年の秋頃には再リリースさせる」との案内を貰うも、先月連絡をすると「ちょっと製造が無理かもしれない」と、なんとも残念な回答。
一応はバックオーダーを継続させていたところ、なんと2シーター、4シーター共に各20台分が突然DAYTONAへ到着しました。 なぜ?

入荷までの詳しい事情はよくわかりませんが、あてにせず待っていただいているバックオーダー分の数件を差し引いても、まだ販売できる数量は各10セット程はあります(2シーターは7セット)
早速、今晩「継続した供給は可能だろうか?」と質問を送ってみたいと思いますが、無理というものが突然やってくる程ですから、回答をもあてにせずに聞いてみたいと思います。

また全くの余談ですが、案の定300ZXチタンキーは再販の予定はなくなりました。
ある程度の物量はキープしていたつもりでしたので、安心して100セットを英国のZショップへ販売してしまい残100セットは国内で販売し、正直な話 手元に10本程度しかありません。
突然再開するものもあれば、突然終わるものもあり、全てはタイミング一つです。

チタンキーの復活を待っていた。


DAYTONA Racing 復刻版300ZX チタンキー
インスタグラムとFacebookでは紹介しましたが、Z32レプリカチタンキーが復活です。
以前はカリブより空輸していましたが、彼らの生産が終了してしまったため長らくの間入手できずにいましたが、今回は北米カリフォルニアのサプライヤーから500本の供給を約束されましたので安心して再販が出来る状況となりました。
チタン材はエアロスペースグレード6AL4Vを使用しています。 材料に関してサプライヤーの説明では、GR2純チタンを使用しても良かったのですが、強度はアルミニウムの120%程度しかありませんので、思い切って普通鋼の5倍の比強度の有るチタン合金を使用したそうです。
実際に手にとって見ると、チタンならではの軽さと質感を十分に感じ取ることが出来、またチタンは特性上 空気に触れると瞬時に酸化皮膜を形成しウイルスを寄せ付けない特徴があることからも、コロナ禍の現代では安心できる金属であるとも言えます。


ファーストロットで200本を入手していますが、既に半数近くは行き先が決まっていて年内には完売しそうな見通しです。
セカンドロットの300本は2021年2月までに入手予定ですが、英国のフェアレディショップより大口オーダーの依頼を打診されているため、もしかするとファーストロットで国内分は完売してしまうかもしれません。
無くなれば作るといいだけですが、先にも書いたコロナウイルスの世界的流行に付き、予定は未定でしかないために入手できるタイミングで出来る限りの入手を確約させるだけで今は精一杯です。

夏が過ぎても冷却はマストです。


1年前にDAYTONAにてエンジンオーバーホール、全塗装を行ったZ32が仕様変更や微調整のため入庫しました。
外観はスポイラーの交換や増設などの小変更ですが、完全に生き返ったVG30DETTをもっと楽しむためのブーストアップのご依頼が今回のメーンテーマです。


制御はおなじみアダプトロニックECUで行いますが、同時に冷却系の見直しも行っています。
過給され高温となる吸気温度を冷却するためにはインタークーラーは必須です。
昔は前置きもブームであった時期もありますが、やはり純正マウントを基本としコアの大型化を行うチューニングがZ32には最適と思います。軽量アルミニウム製インタークーラーはZ1モータースポーツ製を選択しています。


パワーが上がると水温、油温も比例して上昇します。
エンジンオーバーホール時に大型ラジエターを既に投入していますので、今回はオイルクーラーの交換を行います。 
ツインターボ車は純正で圧力リリース式のオイルクーラーが付いていますが、EU仕様等と比較すると小型ですし対応できているとは思えません。
油圧ラインは純正を生かしたまま、セトラブ製19段オイルクーラーコアを配置し200%近い容量を確保しています。

本日ご紹介したアイテムは、全てDAYTONAオンラインサイトでも販売を行っています。

最終型キセノンライト装着。


全塗装依頼のZ32へ最終型キセノンヘットライトを装着しました。
「やはり」抜群のフィットとインナーメッキに意匠性が、Z32を一気に新しく魅せてくれる最高のアイテムです。
当然ながら日産純正部品のため、正規流通経路からしか購入できませんので、度々のバックオーダーに納期面では苦しめられていますが、それでも待ち時間と金額に見合うだけの十分なメリットは有るはずです。

DAYTONAオンラインストアーにて販売しています。 
nissan HID Xenon ヘットライト フェアレディZ Z32

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