明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



久しぶりにオリンパスXA4を引っ張りだす。85年発売、広角28mm。これは江戸川乱歩シリーズを制作していたた当時、ヤシカエレクトロ35各機種とともに、おおいに活躍してくれたカメラである。ピントこそ目測だが、しっかり写り、シャッター音も小さく、30cmまでの近接撮影が可能である。『大乱歩展』展示中の『D坂の三人書房』も、それを構成する百数十カットのうち、おそらく3分の1はXAで撮ったものである。 ヤシカエレクトロ35は電池が現行の物が使えない機種が多く、アダプターを使う必要があったり、壊れたら修理をするより、数千円で中古を入手する類のものであり、使うには多少覚悟が必用であったが、発売当時、床に落としても壊れないと、その信頼性をアピールしただけあって、撮影中壊れることはなかった。各社大口径の明るいレンズを競い合っていた頃の製品であり、たいていの場面で手持ち撮影が可能である。むしろ心配なのはしまいこんでいた場合で、一台ずつテストしながら現役に復帰させることにする。  発表が可能か未定の連作、結局単なる徒労に終る可能性も大きいので、詳しいことは書かないでおくが、10点前後の連作を予定している。しばらく背景用に、XAを持ち歩くことになるであろう。しかし思えば、このハードな?連作に着手する決心が付いたのも、『中央公論Adagio』の表紙を手がけ、『乾物屋の親父と火星を歩く』でも作れそうな気になったからであり、開始時期は、内藤三津子さんにお会いしてからと決めていた。

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