明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


『中央公論Adagio』はフリーの刊行物ゆえ、プロの論評の対象になることはないので、たよりは読者の反応である。毎号出るたび、ブログなどを検索するが、批判的な意見を目にすることはなく、内容も評判がいいようである。なにしろ毎号、粘った取材の上に書かれているのを知っている。 内容は良いのだが、一方、私の担当する表紙に関しては、ほとんどまったくといっていいほど、意見を目にすることはない。すでに16号を数え、(6号の特別号、尾崎豊のみ実写)毎号15万部も出ていながら、印象が薄いのだろうか、などと思う今日ころであったが、編集部より、表紙に関するという、初といっていいメールが転送されてきた。もっとも御意見ではなく、使用された人形に関しての質問であったが、気に留めていただいた、という意味においては十分嬉しいものである。それはベルリンはフンボルト大学所属・鴎外記念館からの、今号の森鴎外に関するもので、質問事項は材料、大きさ、制作者名、制作年、収蔵されている博物館は、というものであった。 収蔵されているのは現在のところ我が家の棚の上である。鴎外と漱石が、乱歩を挟むようにして立っている。こうしてみると黄門様の乱歩に、助さん格さんの鴎外、漱石のようであるが、これはたまたまであって他意はない。 今後も続くかぎり、少しでも印象に残るような表紙にしていきたいものである。25日配布の17号は、いよいよ杖ついて、腰の曲がった謎の婆さんが表紙に登場する。

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