明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



小林信彦講演会『乱歩二つの顔』今まで講演をやったという話を聞いた事がなく珍しい。冒頭、江戸川乱歩を知ってる人は?と挙手を求められる。挙げない人が相当数いたようだが、客席では生前の乱歩を知ってる人は、と勘違いしたのではないだろうか。こんな所に来て、乱歩を知らないなどあり得ないという気がするが。そのせいか、あまりマニアックな話は出ず、読んだことのある話が多かったが、乱歩の葬儀中に谷崎が亡くなったという知らせを受けた、現場の話が直接聞けて良かった。本日は動く小林信彦が観られた、ということで。 大乱歩展も、少なくともあと二回は来ることになる。そんなこともあり、まだじっくり観ていないのだが、名張市にある乱歩生誕碑のパネルに気付いた。ここには医院があり、その建物の利用も含めて検討されたはずだったが、すでに取り払われ、ポツンと碑だけが写っていた。周囲の状況を写そうにも、画にならないことになっているのではないか。かつてエジプトのピラミッドなどの世界の景観の大パネルを街中に配置し、この旧い街を訪れた人々に、世界を巡った気分を味合わせようと考えた名張市である。 その後、池袋に向かい、その名張市よりみえている中相作さんを囲んでの恒例の大宴会に参加し木場に帰る。昨日同様T屋に寄って飲みなおそうと思ったら休み。T屋は永代通りから一本奥まった、通りから見えるか見えないかの所にあるが、これはキッチンの絶妙なところに置かれたゴキブリホイホイのようなものではないか?どんなに飲んでもつい寄ってしまう。  大人しく帰って、新保博久さんにお借りした、カラーの乱歩の映像の入ったDVDを観る。カラーは還暦祝賀会の赤いジャンパーを着ているのと地鎮祭。やはりスチール写真でカラーはないのか。カラーフィルムも普及した最晩年は、体調も優れず、写される機会も無くなっていったということであろう。新保さんの話では、ご家族の収蔵写真を探せば、プライベートでのカラー写真はあるかもしれない、とのことであった。

過去の雑記
HOME

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )