明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



父が真言宗から宗旨替えして浄土宗の墓に入っているので、永代供養をお願いに、母と共に、奈良の長谷寺に向かう。母は始め一人で行くといっていたが、長谷寺を調べると400段近い石段などがある。まさかそこを上り下りはしないだろうが、膝が悪く、杖をつくことが多い80の母を一人で行かせるわけにはいかない。おかげで私は親戚内では、すっかり孝行息子ということに。 近鉄線の長谷寺駅は、数駅手前に江戸川乱歩の生誕地名張がある。せっかくそこまで行くので、私だけ名張で下車し、夕食時に母と旅館で合流することにした。『名張人外境』の中相作さんとは『大乱歩展』のオープニング、翌日の大宴会とお会いしたばかりであったが、名張まで行って黙って通り過ぎるのも愛想がない。お知らせすると、赤目四十八滝をご案内いただけることに。名張駅は数年ぶりだが、多少変わったような変わらないような。目立つのは『魚民』があることだったが、まさか翌日、ここに入ることになるとは思ってもいない。中さんには駅前で、名物の『なばり饅頭』を土産にと買っていただいた。  滝は入り口‎の日本サンショウウオセンターを通って行くようになっているが、保護色だわ動かないわで、水槽には水と砂利以外、何も‌入っていないように見える。紅葉にはまだ早かったが、滝の姿はバラエティに富んでおり、観光客も多い。いくつかの滝を巡りフィルムに収める。土産店が並ぶあたりでお茶を、というと中さんの顔でお茶と団子がサービスで出てくるので、もう十分であったが、車の中さんはコーヒー、私は、軽くアルコールをいただき街中へ。『リバーナ』に駐車し、ちょうどお祭りの街の中心部へ。まだ日中だが、屋台はすでに店じまいの様子。人通りはまばら。普段、これだけ人が集まることはないそうで、缶ビールを飲みながら、これはこれで贅沢な旅のような気がしてくる。初瀬街道沿いの、旧い酒屋で試飲をさせてもらっていると母より電話。乱歩に関心がある人と会った話をするので、てっきり旅館の主人の話だと思っていたが、後で聞くと、すでに長谷寺に連れて行ってもらっており、そこで会った、若いお坊さんを指導する立場の方が、名張市はもう少し乱歩の扱に対し云々といっていたという。その後我々も車中にて、乱歩の扱い云々その他あれこれ話しながら、中さん宅へお邪魔し、ビールをご馳走になる。壁の作り付けの本棚を拝見。整然と整頓されているが、すでに他の本が入る余地はないようである。奥さんに駅まで送っていただき長谷寺駅へ向かう。駅前は真っ暗で何も見えない。タクシーを呼び、ワンメーターで旅館へ。母と鴨鍋を食べる。3人前を平らげたが、旅館の人は、ほとんど私が食べていると思い込んでいるに違いないが、そんなことはないのである。翌日6時起きということで10時に就寝。

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