私はどちらかというと寝覚めは良いほうである。しかし個展終了以来、風邪引きの影響だろうか、目が覚めるまで時間がかかる。夢もめったに見ないほうであったが、おかげで夢と現実がごっちゃになりながら目が覚める。着けっぱなしのラジオはちゃんと聴こえていて、数分かかっているのも判る。 本日はある中国人に『フーテンの寅』を演ずる渥美清制作の注文を受けている、という設定であった。(中央公論Adagioではしばしば候補に上がったが)私の肉と粘土は同じ物、ということらしく、寅制作に癌にかかっている私の肉を使ってしまった。いいのかな、と思いながら、その中国人に癌を発見してもらえれば自分は助かるんじゃないか、と思ったようだが、いや、その粘土を使ったということは、すでに手術によって私の体内から摘出されているってことではないのか?だけど何であの中国人はよりによって渥美清なんだ。?あの中国人って?私の作った渥美清??そんな調子で目が覚めていく。私の夢の特徴は、シチュエーションがめちゃくちゃでも、主人公の私は私のいいそうなこと、やりそうなことしかしない、というものだが、半覚醒状態で、後半は、ホントはどうなんだ、と懸命なので、そう楽しいものではない。目が覚めてみれば癌の入った粘土ってなんだよ。ということになる。そして夢の中では依然として三島の制作を続けている。こんな時、Kさんとどこへでかけて飲んでバカ話してくれば収まるはずなのだが。肝腎なときに鎖骨折っちゃって。