T千穂に行くと、マスターと女将さんがKさんから早朝5時に電話があったと怒っていた。それはそうだろう。そんな時刻の電話に良いことはない。家族全員起されてしまったそうである。しかし謎なのは、O田のYちゃんが泥酔したKさんを4時頃部屋に押し込んで、内側から鍵をかけさせたにも係わらず、直後に階段から落ちたということで、当然、外に出ようとしたことになる。可能性があるのは、6時から開いているT屋に行こうとしたのではないか、ということである。なにしろT屋のかみさんの大ファンである。聖路加で23針縫い、ズボンや靴まで血だらけなのに、家に帰ろうとせず、まずタクシーでT屋に直行する始末で、頭の状態を見てオバQみたいだ、とかみさんと中学生の娘に爆笑されている。T千穂の女将さんによると、その姿を見せにいったんだろう、という。60過ぎのジイサンと思うと理解できないが、小学生だと思うとわからないではない。好きなオバちゃんにボクの姿見て心配して、というところであろう。まったく呆れるしかない。 今回判ったことは、部屋に送り届けたとしても、事を起すわけで、もう処置なしということである。アパートを人に教えないKさんだが、Yちゃんが部屋まで連れて行ったおかげで、お母さんの遺骨と写真を紛失しなかったことだけが幸いであった。無類の女好きのKさんだが、その実は母恋しくて寂しがっているといったところだから、失くしていたら悔やみきれないところであった。
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