明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



いくつの時だったか、誕生日プレゼントに親から写真絵本をもらったことがある。たしかウォルト・ディズニーの『狼王ロボ』だったと思うが、何故か鉛筆で悪戯描きがある。久しぶりにアルバムを見ていて、親戚の店先で撮った写真の背景に古本屋が写っていた。実家の近所に古本屋はなかったので、ここで買ったのは間違いないだろう。たいした手間じゃないんだから、せめて消しゴムで消しゃいいじゃないかと思うのである。 昔の写真を見ていて目立つのは未舗装の地面である。思いのほか石ころがゴロゴロしている。ゼロメートル地帯だったので、台風というと必ずこうなる。子供ははしゃいでバシャバシャやっていたが、汲み取り便所のことまで頭はいかなかった。なんとも不衛生である。用便中、肛門からなにやら蟲がでてきてしまい、内臓がでてしまった、と慌てて押し込んだという友人がいる。そんな時代である。 小学校時代からの友人が昔、地元のミニコミにちょっとした連載をしていた。たまたま挿絵がわりに自分のアルバムから、シェーをしている飛び切り可笑しい写真を載せたのだが、それを見た婦人から「これは私のもらわれていった息子です」と連絡がきたそうで、友人から震える声で電話があった。相当ショックを受けている。笑いをこらえるのが大変であったが、そう思うと彼の銀行勤めの姉さんは彼に似ず馬鹿に美人だ。と一瞬思った。しかし姉さんが友人の家に鶴が一匹なので、もらわれて来たとしたら姉ちゃんの方だろう、と笑った。 アルバムの最後のページでは私もシェーをしている。

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