明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



相変わらずパソコンが起動せず、ほとんど諦めている。しかたなくとりあえず、非常事態が起 きて逃げ出しような放りっぱなし状態の、以前使っていたパソコンの前である。引き出しを開けたら、新潮社から出ていた『マイブック 2000年の記録』が出てきた。文庫本の体裁で中身は白紙の日記帳である。 この1年前にパソコンを入手し、インターネットを始めたようで、この年に独力でHPを作り、これからまさに立ち上げようとしていた頃である。ワープロも触ったことがなかったので、よく癇癪起しては横の柱をぶん殴り、マニュアル本を隣の部屋に全力で放った。 この一年前に、初めてインターネットの画面を見てHP制作を決めたのだが、人にHPを作った動機を聞かれると、営業ツールとして考えた、といってきた。“人形を作って写真撮ってます”。今でこそ、そういう人は沢山いるが、当時は自分で口にしていて、いかにもつまらない。それでカタログ代わりに作った。そう思っていたのだが、これを読んでみると、むしろ廃れていた写真の古典技法『オイルプリント』を再興させ、技法を公開し、知ってもらうために作っていたようである。 この一年前に実験的に一日だけ展示したが、この年にオイルプリントによる初個展を実現させている。 今日のデジタル時代、一部では古典技法花盛りである。様々な技法のワークショップが催されているが、当時は昔のテキストのみで話相手もいなかったから時代も変わった。しかし私の場合はオイル以外の技法に興味がない。人物像を作り、それを画像に変換する場合、何がホントで何がウソか、などということは問題にならない世界に到達するための技法。としてオイルプリントを見つけたからである。  読んでいると、ブログのように公開するものでなく、遠慮もないので生々しく当時のことが蘇ってくる。 ところで私は女性に対し、我が妹以外、呼び捨てにしたことがない。なのにここでは、友人知人、はては仕事で出会った女性まで、名前を呼び捨てており、まるですべて自分の彼女であるかのような振舞いである。いったい何を考えている。恥ずかしいぞ2000年の私。

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