T千穂にてSさんとスタジオを借りる件について話す。音楽的に低レベルの二人である。お互 いの指先をチェックして、ギターを弾いてどのぐらい硬くなっているか等、まるでギターを弾き始めた中学生である。練習している時間なんかないですよ。Sさんはいう。労働時間を聞いて、高額なギターを買い、弾かずに満足している気持ちも判らないではない。本日の新聞にSさんの会社が社員が過剰な残業を苦に自殺して訴えられていたくらいである。退職届を三回出しても無視されたらしい。この件に関して、周囲はどこでもみんなこんなことしているのだ。という反応であ った。 趣味も違う下手糞同士、事前に話し合ってやる曲など決められない。まず好きな曲をお互い1曲決めて、相手にこんな風にバックで弾いて欲しいとレクチャーしよう、ということになっていた。何か決めないとやりようがないからだが、今回参加できないYさんは、ベンチャーズ好きで、インストバンドをやりたいといいながら、早々に自分はベースにまわる。と宣言している。となると主となるリードギターは100万円のギターを持っているSさんになるはずであったが、彼は先週4000円もする『TOTO』のTAB譜を買ってきた。TOTOなんてほとんど聴いたことがないし、何をやらせるつもりだ、と思っていたら、本日、あれはただ買ってきただけだ、という。私が思うに、先週より若干指先が硬くなっていたから、試してみて早々に挫折したとみた。 ほんとに下手糞で弾けませんから。というが、だからそれは判っている。ギターで一番こだわっているのは弾くことでなく、使われた材であり、希少な木材を使っている、というサンタナモデルだかなにかを買って弾かずに置いてあるといのであろう。毎日重い荷物を運んで指が動かないのも随分聞いた。 やる曲決めたらコード進行とか教えてよ、というと真面目ですね。うるさいことをいうな、という顔で、そんなの感覚でやれば良いじゃないですか、と訳のわからないことをいう。お互いそれでやれるほどの腕があれば話しは簡単なのである。一緒に何かやりましょう、といっているのにその調子じゃ君は一生独身だな。 私はバックでブルースの3コードを弾いてくれさえすれば良い。ビザールな日本製ギターの枯れまくった音を大音量で弾いてみるのが一番の目的である。スタジオは40人のコーラスが適当という広さらしい。幸いお互い自分のアンプも試したい、と二台持ち込む。なんならスタジオの端と端に分かれて勝手にやったって良いんだぜ?そうさ俺も独身さ。
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