圓朝両手も膝の上、乾燥も終える。首を多少動かせるように遊びがあるので、ただ差し込むと猫背と相まってうなだれ気味である。そうしたらライング云々でなくすでに怖い。この直後に「こんな顔かい?」あるいは「犯人はお前だ!」といいそうな“タメ”の状態に見える。鏑木清方の圓朝も『これから怪談するぞ』と私には見えるのだが。もちろん首をはずして真正面から見れば、特にどうということはない。立体の撮影の面白さはここにある。仕上げに入る。 圓朝高座引退後、圓朝作品の歌舞伎化が評判となるが、最大のきっかけは、九代目團十郎の舞台が不入りで大赤字をだし、そこで企画されたのが『牡丹灯籠』で、絵入り団扇などのグッズを配ったりして大評判となり、作者としての圓朝の地位は盤石となった。だがしかし。 江戸、明治の高座上に、燭台や火鉢、その上の鉄瓶、薬缶など知ったのは当時の風俗画によっている。一つ手元に、とブックオフにて『目でみる明治時代ー明治風俗画集成 全3巻』(国書刊行会)。1780円にてダンベルが入っているような箱届く。
タウン誌深川 常連咳にて日が暮れる
アートスケープ 展評『深川の人形作家 石塚公昭の世界』
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