明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



九代目團十郎は普段の姿で立っていることにようやく決まった。腕を前で組んでいる。ただ足は前後に、多少何がしかの気構えがあるのか、という感じだろうか。年齢は40代というところ。なにしろ殆どが鬘をかぶっているので、この年齢でどれだけ髪が後退していたか、そこは想像するしかない。 幕末から明治の人物であるが、何が幸いといって、化粧して扮装している姿がほとんどであるものの、この時代、これほど写真が残っている人物は“劇聖”九代目團十郎をおいて他にはそうはいないであろう。おかげで2カット、ほぼ真横の写真があった。そのため顎のラインもそうだが、特に大きいのは鼻の形が判るということであろう。これは単なる肖像写真ではなく、役に扮しているためである。 潤沢に肖像写真があるおかげで、逆に様々迷うことにはなったが、それは贅沢というものであろう。
HP 

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