明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



朝『牡丹灯籠』用着物を提供いただくMさんと。T屋へ。今日は「貝の穴に河童の居る事」用に入手していた日本髪のカツラを持って来た。私が頭から切り取られた髪の毛にこれほど恐怖を感じるとは思わなかったが、あの時は合成用に一度撮影したきりで、以来取手付きのケースを開けることはなかった。前回かみさんはカツラを被るつもりでいたので、今回はせっかくなら被ってもらおう、と持って来た。髪の毛をまとめるネットがないので水泳用のキャップを用意してもらったら、ついでに水泳用ゴーグルまで着けて現れ笑わせられた。かみさんのこのノリに助けられたのがこのカットである。ここから流れが一変した。こういうカットなら問題ないのに、スマした顔をしてもらうと、とたんに瞬きが激しくなる。今回は幽霊なので、かりにつぶってしまっても問題はない。カツラは若干緩いようだが、どちらにしても撮影後、年齢、時代相応に加工するので問題はない。そこへ大学へ行くために降りて来たお露役のAチャン。まったく寝起きの顔である。もっとも、小学生の頃から朝のこの顔はおなじみだが。 Mさんとどんな着物が良いか、と話を進める。私はまったく判らないので、後はMさんの奥さんにすべてお願いすることになる。河童の撮影は4年前だったか、季節は調度今頃である。作品のイメージどおり梅雨空のじめじめした風景を房総に撮りに行ったが、その間、一滴も湿り気はなく、しかたなく、撮影は夕方に限った。

HP

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