明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



以前、頭の中のイメージに陰影が無い事に始めて気付いてビックリしたことを書いた。いや陰影だけではない。遠近感だって実際と違うし。ついでに時間についても同様であろう。それを私は、眉間にレンズを当てる念写が理想だといいながら、頭から取り出したイメージを、この世の常識に会わせて加工し、配置していたのではあるまいか。カメラをやり始めて早々、旧いソフトフォーカスレンズやら観たままに写らない古典レンズをh集め、写真の右も左も判らないのにオイルプリントである。私は写真を始めた当初から、頭の中のイメージを取り出す手段として写真を選んだのにもかかわらず、カメラ、レンズという道具の呪縛から逃れようと自分でも判らないままあがき続けていたのではないだろうか。ホックニーの検証した西洋の画家はレンズの力をそれを利点として利用していたが。どうやらここ数年、浮世絵や日本画ばかりが気になっていた理由がようやく判りかけて来た。

HP


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