明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



日時は未定ながら、ジャズシリーズの個展開催は決まった。後ろを振り返るのも、と渋々であった私に比べ、周囲の反応が歓迎調なのが多少癪に触ったが、誰ということのない架空の黒人像数点、その他写真作品は新作を撮影した作品、20年前のネガからのニュープリント。こんなところであろう。 昨年は、今までの作品を可能な限り展示した個展を開いた。中締めというつもりであった。作りたい、実在した人物も少なくなり、そろそろまた架空の人物に、たとえば『寒山拾得』を、などと、といっていたから、これもまたそういう流れだったのかもしれない。 私の場合、あくまで人形制作者であるから、写真作品の画面の中に人形が入っているべき、という頭があったが、お露、お米の牡丹灯籠は、当初の予定の風景の中にぽつりと、というより、もっとアップで表情をみせたくなった。入れる予定の円朝をどかしてもいいくらいである。また日本画特有の何もない背景に配するのも、陰影がないから可能である。私は常に、自分がやったことに新味を見いだし、そこを捕えて枝葉を延ばして来た。いいかえれば行き当たりばったり、行き先は未定である。しかし変われないなら生きてる甲斐がない。 お露役のAちゃんはフェイスブックで自分がまさか怖い々いわれているとは夢にも思わないだろう。展示作品はそれこそ最恐にしたいが、記念のために化けて出る前、いや新三郎に出合う前のお露を保存してプリントしてあげよう。こうなってくると、人物撮影もこの手法により積極的にやってみたくなった。

HP

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