つい最近まで、あっち行ったりこっち行ったり、紆余曲折やって来たつもりでいたが、案外敷かれたレールの上を歩いて来たような気がしてきた。棚からボタモチのように降って来た物を拾って来ただけのような感覚で、高い所の客観的存在が絵図を描いているようではあるが、あくまで自分自身の臍下三寸辺りの由来であることは間違いない。人は誰だって今日は○○が食べたくなつた、思うだろうが、概ね自然に湧き上がるものであろう。あれとまったく同じである。そこには、実はある栄養素が足りていないから、ということはあろうが、それはほとんど自覚出来ない。簡単にいえば、理由は判らなくても頭に浮かんだ物は確実に平らげて来た。そんなところであろう。あえていえば、外側に漂う香りに惑わされないよう、できるだけ嗅がないように来た。つい必要のない物に手を出してしまうからだ。一度入った物は出て行かない。頭で足りない栄養素について考えることはしなかった。ということであろう。どうせ残り少ない期間、さらに食べたい物だけを口にしていこう。 それにしても、何処かの王様に石の塔に幽閉され、算数も宿題もなく、クレヨン画用紙使い放題なんてことを夢見た幼い私だが、何だかたまたまコロナのせいで罪悪感もさほど感ぜず。