明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


初個展から40年弱が経ち、あの時の感覚が思い出される。好きな黒人音楽をイメージし、架空のミュージシャンを作って、貯まって来た所での初個展であった。怖い物知らず。一違うことといえば、遊びに毛が生えたような初個展と一変、すぐに決まった二回目の個展で、プレツシヤーに襲われた。それから10年以上は続いた”何処かヘンだが、何処をどうして良いか判らない“という悪夢を良く見た。独学の悲しさ、長いトンネルを自力で抜け出さなければならなかった。この時期もすでに過ぎ、現在は私の頭に浮かんだ程度の物は、おおよそ目の前に形になって表れる。そう考えると、気分に多少共通点はあるものの、初個展以後のことがない分大分違う。四十年で一回転。元に戻ったような気がしてはいるが、こんなに時間がかかるものだと知らずにいたが、将来のビジョンなど何もなく、目の前のパンに食いついていただけだつたのが幸いであった。気が付いたら、にこんなことになっていた。そして再び初期の頃と同様、架空の人物に戻って来た。元々幼い頃から外側の世界を写生したりが苦手だった故の架空の人物だったから、目出度く元に戻ったということになる。人物のファンや遺族など、気にすることは何一つもない。



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