英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

2020年度大学入試センター試験 英語

2020年01月20日 | 指導現場にて
昨日と一昨日、2020年度大学入試センター試験が行われました。英語の問題を解いた感想です。

【第1問(発音・アクセント)】

普段の学習で出会った語彙の発音を確認し、英文音読を習慣にしていれば何の問題もなく解ける語彙ばかり。カタカナになっている英語も多いので、常に辞書で確認することを習慣化したいですね。ちなみに、canal はカンボジアで殺害された中村先生の英文記事で触れたり、beneficial はテキストとして使っている『基礎英文問題精講』の例文に出てきていますので、指導した通りに音読を徹底していれば、難なくできます。こういうところでしっかり得点できるのが大切。失点した受験生はこのことを肝に銘じるべきです。

【第2問(文法・語彙・並べ替え・短めの対話文完成)】
語彙・接続詞・代名詞・語法・関係代名詞・仮定法・慣用句等々、すべて授業で指摘する問題ばかりの出題。でもそれで確実に得点できるか否かは別問題(問5風・笑)。

【第3問(不要文削除・長めの対話文完成)】
不要文削除は話のテーマと前後関係を把握して読めれば難しくない問題。問2の背骨の問題で手こずった受験生が多かったかも知れませんが、背骨の形と体型の混同を狙っただけ。

長めの対話文は、それぞれの人の主張と全体との関係性を意識することが大切です。

【第4問(グラフや図表を伴った長文読解)】
Aはグループや数値がいろいろ出てきて内容があやふやになってしまいそうですが、設問が平易。Bは数年前から出題されている完全にTOEICを模した問題です。TOEIC同様、注意書きや欄外の記述が必ず設問に関わってきますので、問題で求められている情報をきちんと取捨選択していきましょう。

【第5問(エッセイ風の長文読解)】
エッセイ風の読み物は、状況をつかむまでが大変ですが、先を読み進める勇気を持つことがポイントです。今回は、行方不明になった飼い犬の捜索と、その道中で出会った男性との奇妙な出来事のお話し。最後は犬と再会できるのですが、婉曲的に描写されているその場面を読み取れるかがカギです。

【第6問(論説文の長文読解)】
パラグラフリーディングが出来ているかを問う例年通りの内容とレベルの良問。今年は歴史的観点からみた自動販売機の発展論。各パラグラフの役目に注目していけば容易に解けます。

全体として良問揃いの標準的レベルですが、第4問のAを慎重に取り組みすぎて時間を取られ、第5問は内容把握が出来ないと全滅する可能性もあり、昨年より難しく感じた受験生も少なくないはずです。平均点は、昨年度の123.3点から下がって、118点前後と予想します。
現行の大学入試センター試験は満30年を迎えた今年で最後となります。来年から実施される大学入学共通テストでは、英語はリーディング100点・リスニング100点になり、リーディングは読解のみの出題となります。また、リスニングは読み上げが一部で一回のみとなり、これまで以上にリスニングが重視されます。

センター試験の英語では、難しい単語や構文は問われず、左から右へと英語の語順で速読できる力が求められています。「英語は単語」という安易な考えから、単語をひたすらノートに書くだけの勉強、主語を訳した後にその英文の一番最後の単語から訳し上げているような時代遅れの勉強法では、いつまでたっても速読はできるようにはなりません。また、速読力だけでなくリスニング力の礎をつくりあげるのが、日々の音読です。音読を英語学習の基本に据え、瞬時に英文構造を見抜けることができる力をつけましょう。


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