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ミクニ FFヒーター 修理 コントロールボックス

2013年01月09日 | ハイエースキャンピングカー メンテナンス

何回かに分けて紹介している、ミクニ製の キャンピングカー 用 FF暖房ヒーターの修理。 

 

前回は フレームセンサーのチェックをしたところまで紹介しました。

FFヒーターは基本的な構造は簡単で、 ヒーター本体の制御は たった4つのポイントで動かされています。

1,モーターのオンオフ制御 緑色の配線がそうです。

2,燃料に着火するグロープラグの制御 青矢印

3,燃焼制御 赤矢印

4,オーバーヒート防止のためのセンサー 黄色矢印

 

グロープラグの抵抗は約1オームで、熱線特有の抵抗特性を持っているので、グロー加熱中は多分2オームくらいだと思います。 

12V駆動ですから 約60W位の消費電力で、モータなど会わせるとスタート時の総電力消費は多分80W位。

 

フレームセンサーは 20度C位の気温で 約3オームくらいで。 燃焼中は抵抗値が高くなり変化します。 構造は単純なサーミスタです。

モータはただの低速DCモーター?で(空燃費制御しないため)、  オーバーヒートセンサーは危険防止用なので、普段は働きません。

 

以上から、詳細な事まで分からないものの、次のように運転されていると推測出来ます。

まず自己診断機能にて各部を基本チェック、これは単純名電気的チェックで行われます。

問題が無いと、ファンを回して グローを加熱、真っ赤になったところに軽油を吹き付けて燃焼開始。

運転が始まると、燃焼熱でグローは真っ赤になったままですから、不要なグローへの電気は遮断されます。  遮断しても燃料は常に吹き付けられて、

グローは真っ赤なままなので、炎は止まりません。

そしてフレームセンサーが燃焼温度をコントロールし、適度な温度で運転されるように燃料流量を制御。

やがて室温が上がり、サーモコントローラが働くと ポンプが停止ついでファンが停止する。

室温下がると サーモコントローラーが働いて、初めから やり直しスタートと、この繰り返しだと思います。

故に、停止してまだ燃焼後の温度が高い状態でスタートしようとする事が有ると、フレームセンサーの温度が充分に

低下していないので、異常と診断されて 制御コントローラーが アラーム2のフレームセンサー異常を表して始動しない場合があると

メーカでは説明していました。

 

今回のトラブルは、冷間時スタートの フレームセンサー異常検出 ですから、たいていはサーミスタの抵抗値が無限大もしくはショート。

していると考えられ、 このフレームセンサーが駄目なのかと実際に測ったら、マルチテスターでしっかり3オーム有り、異常がなかった・・・・

一応配線のコネクタまで調べましたが、断線や接触不良は無し。

 

*白コネクタはグロー専用、黒コネクタは 制御関係。

ということは、後は 制御コントローラーの問題しか考えられないわけですが、

年式からすると、日本製品が国内製造から中国などの粗悪品生産国に委託し始めた頃の年代で、1996年となっている。

こうなると、俄然可能性としてあるのが制御基盤の半田不良。

これって実に多いんです、トラブルとして。

なんだか知らんが電気製品の調子が悪い、いきなり調子悪くなって、叩いたら治ったとかは正にこれ、

テレビ初め、中国あたりで生産した90年代の電気製品は、設計こそ日本でやっているから問題ないのに 

いい加減な製造していることから、最終的品質がおちまくりだった。

酷いのになるとコンデンサの電解液を間違えた製品が市場に出たり(日立製パソコン、車のエンジン制御コンピュータ等)、

こうした物を僕は沢山見てきました、修理もしたし。

 

で、もしかすると、この中国製恒例の半田不良ではないかと疑い持ち始めた僕、これで治る保証はないのですが、

何もせずにフレームセンサーとコントローラーを交換で5万というのは泣けてくるので、

制御コントローラーを分解し、基盤裏面の半田を再度丁寧にやり直しました。

 

作業としては小一時間くらい、 部品も小さいので、かなり神経を使いましたが無事に終了。

作業していて思うのが、半田付けが余りにもいい加減だということ。

振動が多い車にのせる制御コントローラ等は、かなりのレベルできちんと半田をやらないと駄目なのがセオリーで、何故ならコネクタ等が

振動して半田と部品がルーズになったり接触不良になるんですね。

 

さて、後は取り付けて動くかどうか?なのですが、これは後日検証します。

基盤のコントロールチップ等がやられていたら、まず交換は不可能なので、やっぱり5万円の出費となるけど、痛いな~ こればかりは 。

 

せっかくなので

すこしだけ基盤を見てみましょう。

 

これがコントローラーの心臓部。

ワンチップマイコンがベースだと思いますが、専用のカスタムLSIなのかな~? で、その証明に真横にクロック様クリスタルが付いています。

LSIは 型番入れてネット検索しても スペックシートとか出てこなかった・・・・・なので詳細は不明。

 

こちらはそのコントロールチップにつながる オペアンプや制御用ダーリントンIC等。 

チップからの信号を素に、制御を受け持ちます、例えるならダイアグ表示用LEDをドライブしたり

とです。

基盤は設定等が変えられるようになっていて、入力電圧や このコントローラーに接続される 燃焼ヒーターユニット型番に応じて

簡単に設定で変更できるようになっている。

 

 

 

この基盤の電源およびグロー制御、 は左上のコネクタに接続されているわけですが、

横にグロープラグ制御用のリレーが付いているのですぐにわかりますね。

モーター制御や燃料ポンプ制御等に使うトランジスタもあちこちに有る。

細かな信号や制御関係のラインは右上のコネクタに接続されており、 その下オペアンプやらダーリントンICに接続、さらにトランジスタに行っています。

 

左下は先ほど話した コントロールチップですね。

 

*Made In Japan となっているけど、中国製ですね間違いなく・・・・

 

さて、個人レベルで可能なのはこのあたりまで、基盤そのものの修理は焼けているなどの部品が見られない限り、図面無しでトラブルの原因を追及することは不可能です。

続きは実際にくるまに戻しますので、またレポートします。