GetUpEnglish

日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

GetUpEnglishについて

毎日更新! GetUpEnglish Updates Every Day! Since April 1, 2006 (c) 2006-2024 Uesugi Hayato(上杉隼人)

AROUND

2020-02-21 08:19:08 | A

 英語でむずかしいのは、簡単な語が状況によってまったく違う意味で使われることだ。ネイティブスピーカーはなんとなくわかるのだが、ノンネイティブスピーカーが十分に対応できないことも少なくない。
 いちばんまずいのは、その意味を突き止めずに都合よく解釈してしまうことだ。いろいろ調べてみたが、どうしてもわからず、最終的にこう判断したということであればやむをえないが、それもせずに独自の解釈をするのはよくない。
 たとえば、現在翻訳調整中の本にこの表現がある。

○Practical Example
When I pressed Parish for further clues, all he would say was that the seller was not an aficionado. ‘A lot of people don’t know, don’t care, and don’t have any aspirations to own art,’ he said. ‘Their attitude is, “I don’t want this painting. I’d much rather have a car.” If you’ve been around it as long as I have, you know that there are some people who don’t give a damn about art. My God, most Americans don’t. It’s not part of their world.’ He looked at me and beckoned with his finger: ‘“OK. Give me the painting.”’

 このaroundはうしろにitがあることから、前置詞と思われるし、そしてitが何を指すかと言えばその前のthe attitudeだろう。

 なので、こんなふうに訳せばよいと思う。

 さらに情報を求めてパリッシュを突(つつ)いてみたが、売手は美術品にそれほど入れ込んでいなかったという返答が返ってくるだけだった。「多くの人たちはわたしたちがどれほど美術に情熱を注いでいるか知らないし、気にも留めないし、そうありたいとも思わないのです」とパリッシュは言った。「あの人たちは『この絵はいらない。それより車がほしい』という態度を示します。わたしと同じような思いをすれば、美術にはまるで興味がない人たちもいるとわかるでしょう。残念なことに、ほとんどのアメリカ人がそうです。あの人たちの世界に美術はありません」。パリッシュはわたしを見つめて指を動かした。「わかりました、その絵を売ってください」

 you’ve been around itは「彼らの態度の近くにいる」ということなので、訳出した意味でその感じは出ると思う。
 英語はわからないときは品詞を分析し、各単語のcore meaning(中心の意味)から判断して、書かれている英文をイメージしてみことが大切だ。それによってネイティブ感覚がつかめるし、その表現を覚えることもできる。

●Extra Point
 このaroundはこのように使われる。研究社の「新英和大辞典」の用例がいつも大変参考になる。

◎Extra Example
 He is around the house. 
「彼は家のどこか(中または近く)にいる」

  大切なのは、自分でも話したり書いたりして使ってみることだと思う。英日翻訳を専門としていても、日英、英語で直接書いたり話してみることが大切だ。
 

 管理人は日英翻訳、あるいは英語を直接書いたり話したりすることも多い。
 明日のGetUpEnglishからもう長年お世話になっている「英語便」のネイティブ添削のサービスのすばらしさを紹介してみたい。ご期待ください。

 https://www.eigobin.com

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STAR WARS クリーチャーズ&エイリアンズ大全 制作秘話と創造の全記録

2020-02-21 06:05:56 | Avengers

 Episode 9「スカイウォーカーの夜明け」、ついに公開!
 その前にぜひ!
 原書にある写真も文字情報もすべて盛り込み、必要に応じて日本人に必要な知識も盛り込んだ充実の1冊、すべてのStar Warsファンに手に取っていただけますと、うれしいです。
 May the Force be with you!
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http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000325533
STAR WARS クリーチャーズ&エイリアンズ大全 制作秘話と創造の全記録 大型本 – 2019/10/6 
マーク・ソールズベリー (著), 上杉 隼人 (翻訳)
内容紹介
ヨーダは、はじめは妖精のような姿だった?
ジャバ・ザ・ハットの巨体はどのように動かされ撮影されたのか?
「最後のジェダイ」のポーグは試作品もめちゃめちゃかわいかった?
「スター・ウォーズ」の世界になくてはならないクリーチャーとエイリアン。
彼らは一体どのように創られ、撮影されたのか?
本書では主だったクリーチャーとエイリアンが製作される過程を、
貴重なコンセプトアートや、試作品、撮影の様子をおさめた多数の写真と、
当時のスタッフの証言であますところなく見せている。
エピソード1~6のほかに、「フォースの覚醒」「最後のジェダイ」「ローグ・ワン」「ハン・ソロ」のクリーチャー&エイリアンも収録。
ファン必携であることはもちろん、無から有を生み出す過程がすべてのクリエーターの想像力を刺激する一冊! 
著者について
マーク・ソールズベリー(Mark Salisbury)
1966年生まれ。スクリーンライター、ジャーナリスト、作家。著書に、『アリス イン ワンダーランド ビジュアル メイキングブック』(講談社)、『ティム・バートンのコープスブライド メイキングブック』(河出書房新社)、『ティム・バートン[映画作家が自身を語る]』(フィルムアート社)、『エリジウム ビジュアルガイド』(小学館集英社プロダクション)、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(ハーパーコリンズ・ ジャパン)、『ギレルモ・デル・トロ クリムゾン・ピーク アート・オブ・ダークネス』(DU BOOKS)、『エイリアン|アーカイブ』(ボーンデジタル)ほか。
上杉隼人(うえすぎ・はやと)
翻訳者(英日、日英)、編集者、大学英語講師。訳書に、『スター・ウォーズ』エピソードI, II, III, IV, V, VI(講談社文庫)、『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』『スター・ウォーズ フォースの覚醒』『アベンジャーズ エンドゲーム』『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』『スパイダーマン:スパイダーバース』(ディズニーストーリーブック)、『MARVEL マーベル最強ヒロイン ファイルBOOK』(講談社)ほか多数。

http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000325533

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