Joe Biden(1942- )アメリカ大統領が第46代アメリカ合衆国大統領に選出され、副大統領にはKamala Harris (1964- )が就任することになった。カマラ・ハリスは初の女性副大統領となる。
彼女の勝利演説がすばらしかった。
But while I may be the first woman in this office, I won't be the last.
Because every little girl watching tonight sees that this is a country of possibilities.
And to the children of our country, regardless of your gender, our country has sent you a clear message:
Dream with ambition, lead with conviction, and see yourself in a way that others might not see you, simply because they've never seen it before.
And we will applaud you every step of the way.
ホワイトハウスに副大統領として入るにはわたしが最初の女性ですが、最後ではありません。
なぜなら、今夜わたしたちを見ている少女たちは、この国はあらゆる可能性を持つ国だと理解するからです。
わが国アメリカは、性別に関係なく、わたしたちの子供たちに明確なメッセージを送ります。
大志を抱いて夢見て、信念をもって導くのです。ほかの人たちは前例がないとしてあなたたちをとらえるだけかもしれませんが、それとは違う見方で自分自身をとらえてください。
わたしたちはあなたたちの一歩一歩を祝福します。
https://mainichi.jp/english/articles/20201108/p2g/00m/0in/042000c
ポール・マッカートニーが来月、新作ソロアルバム『マッカートニー3』をリリースする。イギリス南部サセックスで、ボーカル、ギター、ベース、ピアノはもちろんドラムも一人で演奏して多重録音したアルバムになるという。
今日のGetUpEnglishはこのニュースを読んでみよう。
Paul McCartney will release “McCartney III” in December, a new collection of stripped-back songs all written, performed and produced by the ex-Beatle, 50 years after his first solo album.
stripped-backは「むき出しの、飾り気のない」
Recorded this year in Sussex in southern England, McCartney III is mostly built from McCartney’s live takes on vocals and guitar or piano, overlaying his bass playing and drumming.
overlayは「音を重ねる」
It joins two other albums - McCartney and McCartney II - created single-handedly by the 78-year-old at critical times in his life, in 1970 and 1980, when he was seeking a creative rebirth.
single-handedlyは「独力で、自力で」
これもAsahi Weekly 11月8日号に掲載されている記事だが、音声も聴くことができる。
本日11月7日(土)の『毎日新聞』「今週の本棚」に、『最後のダ・ヴィンチの真実 510億円の「傑作」に群がった欲望』の書評が掲載されました。
飯島洋一評/ベン・ルイス著、上杉隼人訳『最後のダ・ヴィンチの真実 510億円の「傑作」に群がった欲望』(集英社インターナショナル発行、集英社発売)
https://mainichi.jp/articles/20201107/ddm/015/070/030000c
ありがとうございます!
大統領選で民主党候補指名をジョー・バイデンと最後まで争ったBernie Sandersは今起こっている選挙後の開票状況を完全に予期していた。
https://twitter.com/nowthisnews/status/1324542771647127552
今日のGetUpEnglishはこのニュースをサンダースのコメントとともに見てみよう。
You’re going to have a situation, I suspect, in states like Pennsylvania, Michigan, Wisconsin, other states, where they are going to be receiving huge amounts of mail-in ballots.
And unlike states like Florida or Vermont, they’re not able, for bad reasons, to begin processing those ballots until, I don’t know, Election Day, or maybe when the polls close.
But then the next day, and the day following, all of those mail-in ballots start getting counted, and it turns out that Biden has won those states.
At which point Trump says, “See, I told you the whole thing was fraudulent. I told you those mail-in ballots were crooked.”
まさしく今起こっていることだ。
fraudulentは「詐欺の、不正の」
2017/12/14のGetUpEnglishでやはりサンダースのコメントとともに紹介していた。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/a6286f36186090029af4c5c51475e868
ヨーロッパでコロナが再拡大している。ここ5週間で倍増し、累計1000万人を突破した。フランスやイングランドではふたたびロックダウンされた。
https://jp.reuters.com/article/us-health-coronavirus-europe-cases-idUKKBN27H1M1
今日のGetUpEnglishはこのニュースを見てみよう。
Europe’s new COVID-19 cases have doubled in five weeks, propelling the region on Sunday across the bleak milestone of 10 million total infections, according to a Reuters tally.
bleak milestoneは「暗い先行きを示す節目」
Amid the surging cases, France, Germany and the United Kingdom have announced nationwide lockdowns for at least the next month that are almost as strict as the restrictions in March and April. Portugal has imposed a partial lockdown and Spain and Italy are tightening restrictions.
With 10% of the world’s population, Europe accounts for about 22% of the global caseload of 46.3 million infections. With over 269,000 deaths, the region accounts for some 23% of the global COVID-19 death toll of nearly 1.2 million lives lost.
account forは「…の割合を占める」
caseloadは「感染者数」
ニュース英語は毎日大量に読むことが必要だ。
昨日、一昨日とF・スコット・フィッツジェラルド、上岡伸雄訳『ラスト・タイクーン』(作品社)を紹介したが、もう一か所どうしてもご紹介したいところがあり、本日のGetUpEnglishもこの作品から取り上げてみたい。
エピソード12の冒頭に、歳を取りつつある主人公の感慨が表現された、味わい深い描写がある。
As Stahr walked back from the commissary, a hand waved at him from an open roadster. From the heads showing over the back he recognized a young actor and his girl, and watched them disappear through the gate, already part of the summer twilight. Little by little he was losing the feel of such things, until it seemed that Minna had taken their poignancy with her; his apprehension of splendor was fading so that presently the luxury of eternal mourning would depart. A childish association of Minna with the material heavens made him, when he reached his office, order out his roadster for the first time this year. The big limousine seemed heavy with remembered conferences or exhausted sleep.
このhis apprehension of splendorについて、訳者上岡伸雄は「編訳者解説」で次のように述べている。
エピソード12の最初の段落、「華美なるものを味わう心」という一節があるが、これは元の原稿ではhis apprehension of splendorであり、訳すすれば「華美なものへの不安である。しかし、これでは意味が通らないと考えたウィルソンはapprehensionはappreciationの間違いであると推測し、そのように直した。それをケンブリッジ版は元に戻したわけだが、私もそれでは意味が通らないように思う。そこで、この部分はウィルソン版にしたがうことにした。
ウィルソンとはアメリカの著名は作家、批評家のEdmund Wilson(1895-1972)だ。フィッツジェラルドの畏友であったこの人物はフィッツジェラルドの手書き原稿とタイプ原稿、さらにはメモ書きなどを入手して、そこから取捨選択、編集する形で、『ラスト・タイクーン』を小説の形に整えて1941年にスクリブナーズ社から刊行したのだ。
訳者上岡伸雄はこのあたりの事情を十分に理解したうえで、フィッツジェラルドの遺稿を再現した版からの翻訳を仕上げている。
この訳者の語学力と文学に関する知識だからこそできることだ。
翻訳者として実に誠実な姿勢であるし、すべての翻訳者が見習うべきことである。
この部分、上岡はどう訳しているか? ぜひ作品社の上岡伸雄訳『ラスト・タイクーン』でご確認いただきたい。
なお、appreciationであるが、このように使われる。
○Practical Example
Finally, I feel that I cannot conclude my message without showing my intense appreciation for your work once again. Thank you very much for allowing me the opportunity to translate your tour de force. It was a great honor for me.
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/d85a02611a01e0c099a470b85b8d3db7
覚えておこう。
F・スコット・フィッツジェラルド
上岡伸雄編訳
本体2,800円
46判上製
ISBN978-4-86182-827-0
発行 2020.10
【内容】
ハリウッドで書かれたあまりにも早い遺作、著者の遺稿を再現した版からの初邦訳。映画界を舞台にした、初訳三作を含む短編四作品、西海岸から妻や娘、仲間たちに送った書簡二十四通を併録。最晩年のフィッツジェラルドを知る最良の一冊、日本オリジナル編集!
(…)本書に収めた「監督のお気に入り」、「最後のキス」、「体温」の三作など、フィッツジェラルドはハリウッドを舞台にした短編の執筆を試みている。これらは生前出版されなかったが、並行して一九三九年秋から長編『ラスト・タイクーン』を書き始め、短編で扱った素材を長編のほうに投入している。この久々の長編に対して彼がいかに情熱を傾けていたかも、手紙を通して伝わってくるだろう。なにしろ【あの:傍点】フィッツジェラルドが酒を断って取り組んでいたのだ。
本書は、このように手紙から彼のハリウッドでの生活をたどりつつ、その生活から生まれ出た作品を味わえるように構成されている。(「編訳者解説」より)
【内容目次】
ラスト・タイクーン
ハリウッド短編集
クレージー・サンデー
監督のお気に入り
最後のキス
体温
ハリウッドからの手紙
スコッティ・フィッツジェラルド宛 一九三七年七月
テッド・パラモア宛 一九三七年十月二十四日
ジョゼフ・マンキーウィッツ宛 一九三八年一月二十日
ハロルド・オーバー宛 一九三八年二月九日
デヴィッド・O・セルズニック宛 一九三九年一月十日
ケネス・リッタウアー宛 一九三九年九月二十九日
シーラ・グレアム宛 一九三九年十二月二日
マックスウェル・パーキンズ宛 一九四〇年五月二十日
ゼルダ・フィッツジェラルド宛 一九四〇年七月二十九日
ジェラルド&セアラ・マーフィ宛 一九四〇年夏
(ほか全24通)
編訳者解説
F・スコット・フィッツジェラルド(Francis Scott Fitzgerald)
1896年生まれ。ヘミングウェイ、フォークナーらと並び、20世紀前半のアメリカ文学を代表する作家。1920年、24歳のときに『楽園のこちら側』でデビュー。若者の風俗を生々しく描いたこの小説がベストセラーとなって、若い世代の代弁者的存在となる。同年、ゼルダ・セイヤーと結婚。1922年、長編第二作『美しく呪われた人たち』を刊行。1925年には20世紀文学を代表する傑作『グレート・ギャツビー』を発表した。しかし、その後は派手な生活を維持するために短編小説を乱発し、才能を擦り減らしていく。1934年、10年近くをかけた長編『夜はやさし』を発表。こちらをフィッツジェラルドの最高傑作と評価する者も多いが、売り上げは伸びず、1930年代後半からはハリウッドでシナリオを書いて糊口をしのぐ。1940年、心臓発作で死去。享年44。翌年、遺作となった未完の長編小説『ラスト・タイクーン』(本書)が刊行された。
上岡伸雄(かみおか・のぶお)
1958年生まれ。アメリカ文学者、学習院大学教授。訳書に、アンドリュー・ショーン・グリア『レス』、ヴィエト・タン・ウェン『シンパサイザー』(以上早川書房)、F・スコット・フィッツジェラルド『美しく呪われた人たち』(作品社)、ジョージ・ソーンダーズ『リンカーンとさまよえる霊魂たち』(河出書房新社)、シャーウッド・アンダーソン『ワインズバーグ、オハイオ』(新潮文庫)などがある。著書、編書も多数。
『ラスト・タイクーン』ほか、大変な力作を何冊も訳している神翻訳者の上岡伸雄先生と1冊だけ共訳させていただいております。
ジョン・ル・カレ『われらが背きし者』(岩波書店)
https://www.iwanami.co.jp/book/b264459.html
この貴重な経験によって、今のわたしがあることは間違いありませんし、このあとまったく幸運なことに、アベンジャーズやスター・ウォーズものを含めて翻訳書を刊行する機会に多く恵まれていますが、この本は必ず訳者紹介で言及させていただいております。
わたしにとって、もっとも誇らしい業績のひとつですし、今後もずっとそうです。
F・スコット・フィッツジェラルド、上岡伸雄訳『ラスト・タイクーン』(作品社)、とてもすばらしい。興奮して読み進めている。
当時の絢爛豪華なハリウッドの様子が実にドラマチックに描かれている。
エピソード6の以下の描写を見てみよう。
Under the moon the back lot was thirty acres of fairyland — not because the locations really looked like African jungles and French chateaux and schooners at anchor and Broadway by night, but because they looked like the torn picture books of childhood, like fragments of stories dancing in an open fire. I never lived in a house with an attic, but a back lot must be something like that, and at night of course in an enchanted distorted way, it all comes true.
月光の下、野外撮影場(バックロット)は三十エーカーのおとぎの国だった――この場所が本当にアメリカのジャングルのように見えるとか、フランスのお城や錨を下ろしたスクーナー船、夜のブロードウェイのように見えるからというわけではない。むしろ子供時代の絵本が破れて散らばり、野外の炎のなかでたくさんの物語の断片が踊っているように見えるからだ。わたしは屋根裏部屋のある家に住んだことはないが、住んだことがあるとしたら、野外撮影場(バックロット)はそのようなものに違いない。もちろん、夜になれば魔法によって歪みが生じ、そのすべてが本物になる。
in an enchanted distorted wayとenchanted のdistorted形容詞がふたつ-edで韻を踏んで出てくるあたりが文学作品という感じがするが、上岡訳では実に見事に処理されている。
動詞enchant(うっとりさせる、魅了する、魔法にかける)は次のように使われることもある。
○Practical Example
Vision was enchanted with the young, charmingly Wanda.
「ヴィジョンは若くて初々しいワンダに魅せられた」
『ラスト・タイクーン』、驚きの発見がいっぱいの作品だ。ぜひご覧いただきたい。
F・スコット・フィッツジェラルド
上岡伸雄編訳
本体2,800円
46判上製
ISBN978-4-86182-827-0
発行 2020.10
【内容】
ハリウッドで書かれたあまりにも早い遺作、著者の遺稿を再現した版からの初邦訳。映画界を舞台にした、初訳三作を含む短編四作品、西海岸から妻や娘、仲間たちに送った書簡二十四通を併録。最晩年のフィッツジェラルドを知る最良の一冊、日本オリジナル編集!
(…)本書に収めた「監督のお気に入り」、「最後のキス」、「体温」の三作など、フィッツジェラルドはハリウッドを舞台にした短編の執筆を試みている。これらは生前出版されなかったが、並行して一九三九年秋から長編『ラスト・タイクーン』を書き始め、短編で扱った素材を長編のほうに投入している。この久々の長編に対して彼がいかに情熱を傾けていたかも、手紙を通して伝わってくるだろう。なにしろ【あの:傍点】フィッツジェラルドが酒を断って取り組んでいたのだ。
本書は、このように手紙から彼のハリウッドでの生活をたどりつつ、その生活から生まれ出た作品を味わえるように構成されている。(「編訳者解説」より)
【内容目次】
ラスト・タイクーン
ハリウッド短編集
クレージー・サンデー
監督のお気に入り
最後のキス
体温
ハリウッドからの手紙
スコッティ・フィッツジェラルド宛 一九三七年七月
テッド・パラモア宛 一九三七年十月二十四日
ジョゼフ・マンキーウィッツ宛 一九三八年一月二十日
ハロルド・オーバー宛 一九三八年二月九日
デヴィッド・O・セルズニック宛 一九三九年一月十日
ケネス・リッタウアー宛 一九三九年九月二十九日
シーラ・グレアム宛 一九三九年十二月二日
マックスウェル・パーキンズ宛 一九四〇年五月二十日
ゼルダ・フィッツジェラルド宛 一九四〇年七月二十九日
ジェラルド&セアラ・マーフィ宛 一九四〇年夏
(ほか全24通)
編訳者解説
F・スコット・フィッツジェラルド(Francis Scott Fitzgerald)
1896年生まれ。ヘミングウェイ、フォークナーらと並び、20世紀前半のアメリカ文学を代表する作家。1920年、24歳のときに『楽園のこちら側』でデビュー。若者の風俗を生々しく描いたこの小説がベストセラーとなって、若い世代の代弁者的存在となる。同年、ゼルダ・セイヤーと結婚。1922年、長編第二作『美しく呪われた人たち』を刊行。1925年には20世紀文学を代表する傑作『グレート・ギャツビー』を発表した。しかし、その後は派手な生活を維持するために短編小説を乱発し、才能を擦り減らしていく。1934年、10年近くをかけた長編『夜はやさし』を発表。こちらをフィッツジェラルドの最高傑作と評価する者も多いが、売り上げは伸びず、1930年代後半からはハリウッドでシナリオを書いて糊口をしのぐ。1940年、心臓発作で死去。享年44。翌年、遺作となった未完の長編小説『ラスト・タイクーン』(本書)が刊行された。
上岡伸雄(かみおか・のぶお)
1958年生まれ。アメリカ文学者、学習院大学教授。訳書に、アンドリュー・ショーン・グリア『レス』、ヴィエト・タン・ウェン『シンパサイザー』(以上早川書房)、F・スコット・フィッツジェラルド『美しく呪われた人たち』(作品社)、ジョージ・ソーンダーズ『リンカーンとさまよえる霊魂たち』(河出書房新社)、シャーウッド・アンダーソン『ワインズバーグ、オハイオ』(新潮文庫)などがある。著書、編書も多数。
F・スコット・フィッツジェラルドのあまりに早い遺作となってしまったThe Last Tycoonが著者の遺稿を再現した版から上岡伸雄訳で作品社より初邦訳刊行された。
今読んでいるが、大変読み応えのあるすぐれた訳なので、今日と明日のGetUpEnglishはこの作品の読みどころを紹介してみる。
第1章でモンロー・スターについて語られる場面だ。
He had flown up very high to see, on strong wings, when he was young. And while he was up there he had looked on all the kingdoms, with the kind of eyes that can stare straight into the sun. Beating his wings tenaciously— finally frantically — and keeping on beating them, he had stayed up there longer than most of us, and then, remembering all he had seen from his great height of how things were, he had settled gradually to earth.
彼は若いときに強い翼を羽ばたいて、とても高く飛んだのだ。そして太陽をまともに見つめられる目で、あらゆる王国を見下ろした(新約聖書ルカ伝5~6節、悪魔がキリストに世界中の国々を見せ、「この国々の権力と栄光をあげよう」と言った話より)。粘り強く――最後は死に物狂いに――翼を羽ばたき続け、私たちの誰よりも長く空にとどまった。そして、その高所から物事の仕組みについて見たことをすべて記憶し、ゆっくりと地上に降りてきたのである。
このあたりの訳文に、モンロー・スターがいかにして冷徹な経営者となり、利益に対する鋭い嗅覚を磨いていくかがよく表れている。
franticallyはぜひ覚えておきたい。
次のように使われる。
○Practical Example
Avengers were frantically searching for Thanos and the infinity stones and finally found he was in a farm on the planet.
「アベンジャーズはサノスとインフィニティ・ストーンを必死に探し、彼がその惑星の農園にいることをつかんだ」
『ラスト・タイクーン』はこのあとの描写が実にすばらしい。
The motors were off, and all our five senses began to readjust themselves for landing. I could see a line of lights for the Long Beach Naval Station ahead and to the left, and on the right a twin-kling blur for Santa Monica. The California moon was out, huge and orange over the Pacific. However I happened to feel about these things — and they were home, after all — I know that Stahr must have felt much more. These were the things I had first opened my eyes
on, like the sheep on the back lot of the old Laemmle studio; but this was where Stahr had come to earth after that extraordinary illuminating flight where he saw which way we were going, and how we looked doing it, and how much of it mattered. You could say that this was where an accidental wind blew him, but I don’t think so. I would rather think that in a “long shot” he saw a new way of measuring our jerky hopes and graceful rogueries and awkward sorrows, and that he came here from choice to be with us to the end. Like the plane coming down into the Glendale airport, into the warm darkness.
ぜひ上岡訳でお楽しみいただきたい。
F・スコット・フィッツジェラルド
上岡伸雄編訳
本体2,800円
46判上製
ISBN978-4-86182-827-0
発行 2020.10
【内容】
ハリウッドで書かれたあまりにも早い遺作、著者の遺稿を再現した版からの初邦訳。映画界を舞台にした、初訳三作を含む短編四作品、西海岸から妻や娘、仲間たちに送った書簡二十四通を併録。最晩年のフィッツジェラルドを知る最良の一冊、日本オリジナル編集!
(…)本書に収めた「監督のお気に入り」、「最後のキス」、「体温」の三作など、フィッツジェラルドはハリウッドを舞台にした短編の執筆を試みている。これらは生前出版されなかったが、並行して一九三九年秋から長編『ラスト・タイクーン』を書き始め、短編で扱った素材を長編のほうに投入している。この久々の長編に対して彼がいかに情熱を傾けていたかも、手紙を通して伝わってくるだろう。なにしろ【あの:傍点】フィッツジェラルドが酒を断って取り組んでいたのだ。
本書は、このように手紙から彼のハリウッドでの生活をたどりつつ、その生活から生まれ出た作品を味わえるように構成されている。(「編訳者解説」より)
【内容目次】
ラスト・タイクーン
ハリウッド短編集
クレージー・サンデー
監督のお気に入り
最後のキス
体温
ハリウッドからの手紙
スコッティ・フィッツジェラルド宛 一九三七年七月
テッド・パラモア宛 一九三七年十月二十四日
ジョゼフ・マンキーウィッツ宛 一九三八年一月二十日
ハロルド・オーバー宛 一九三八年二月九日
デヴィッド・O・セルズニック宛 一九三九年一月十日
ケネス・リッタウアー宛 一九三九年九月二十九日
シーラ・グレアム宛 一九三九年十二月二日
マックスウェル・パーキンズ宛 一九四〇年五月二十日
ゼルダ・フィッツジェラルド宛 一九四〇年七月二十九日
ジェラルド&セアラ・マーフィ宛 一九四〇年夏
(ほか全24通)
編訳者解説
【内容目次】
F・スコット・フィッツジェラルド(Francis Scott Fitzgerald)
1896年生まれ。ヘミングウェイ、フォークナーらと並び、20世紀前半のアメリカ文学を代表する作家。1920年、24歳のときに『楽園のこちら側』でデビュー。若者の風俗を生々しく描いたこの小説がベストセラーとなって、若い世代の代弁者的存在となる。同年、ゼルダ・セイヤーと結婚。1922年、長編第二作『美しく呪われた人たち』を刊行。1925年には20世紀文学を代表する傑作『グレート・ギャツビー』を発表した。しかし、その後は派手な生活を維持するために短編小説を乱発し、才能を擦り減らしていく。1934年、10年近くをかけた長編『夜はやさし』を発表。こちらをフィッツジェラルドの最高傑作と評価する者も多いが、売り上げは伸びず、1930年代後半からはハリウッドでシナリオを書いて糊口をしのぐ。1940年、心臓発作で死去。享年44。翌年、遺作となった未完の長編小説『ラスト・タイクーン』(本書)が刊行された。
上岡伸雄(かみおか・のぶお)
1958年生まれ。アメリカ文学者、学習院大学教授。訳書に、アンドリュー・ショーン・グリア『レス』、ヴィエト・タン・ウェン『シンパサイザー』(以上早川書房)、F・スコット・フィッツジェラルド『美しく呪われた人たち』(作品社)、ジョージ・ソーンダーズ『リンカーンとさまよえる霊魂たち』(河出書房新社)、シャーウッド・アンダーソン『ワインズバーグ、オハイオ』(新潮文庫)などがある。著書、編書も多数。
相手に何かをお送りするときに、「個人的に楽しむだけにして、SNSなどで拡散するのはご遠慮ください」と言いたいときにはどうしたらいいか?
shareを使うのがいいかもしれない。
shareは「情報などを共有する」の意味で次のOxford Advanced Learner’s Dictionaryにある例文のように使われる。
〇Practical Example
This online resource will give farmers a new way to share knowledge with each other.
「オンラインがもたらすものによって、農家の人たちはおたがいに知識を共有できる」
●Extra Point
「そちらに送るものはどれもネット上に拡散することはご遠慮ください。個人の読書にとどめていただけますとありがたいです」は次のように言えばよい。
◎Extra Example
I would like to ask you not to share them on the web. It would be great if you could enjoy reading them just personally.
reach for the starsは「夢を追う、大きなことに挑戦する」
今日のGetUpEnglishはこの表現を学習する。
○Practical Example
Don't laugh at young people for wanting to reach for the stars. It's such ambition that makes a country great.
「若者たちが夢を追うのを笑ってはいけない。そういった野心が国を発展させていく」
●Extra Point
今の時代、次のことが必要かも。
◎Extra Example
Born under a bad sign, never stop reaching the stars and just keep on pushing.
苦しい時代にあっても夢を追いかけることを忘れず、努力しつづけることだ。