朝日新聞が6月8、9両日実施の全国緊急世論調査(電話)。《菅内閣支持60%、不支持は20% 朝日新聞世論調査》(asahi.com/2010年6月9日23時0分)
コンピューターで無作為に作成した番号に電話をかける「朝日RDD」方式による全国有権者対象の調査。世帯用と判明した番号は1865件、有効回答は1088人。回答率58%。
菅内閣支持・不支持はさておいて、・・・・
◆沖縄にあるアメリカ軍の普天間飛行場の移設問題についてうかがいます。菅首相は、普天間飛行場を沖縄
県名護市に移設するとした、日本とアメリカ両政府の合意を踏まえて対応するとしています。菅首相のこ
の姿勢を評価しますか。評価しませんか。
「評価する」 ――49%
「評価しない」――26%
「日米合意」どおりの解決を「評価する」が「評価しない」の約2倍となっている。
6月8、9日毎日新聞が実施した緊急全国世論調査。《毎日新聞世論調査:菅内閣、支持66% 「投票先」民主41%》(毎日jp/2010年6月10日)
普天間飛行場の辺野古移設は?
「進めるべきだ」 ――51%
「進めるべきではない」――40%
朝日調査程の差はないが、それでも「日米合意」賛成が11ポイント上回っている。
6月11日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという朝日と同じ方法で行った「NHK世論調査」――《NHK世調 内閣支持率61%》(10年6月14日 19時15分)
調査対象1832人、65%に当たる1185人から回答。
菅内閣を「支持する」 ――61%
「支持しない」――23%・・・・はさておいて、
菅総理大臣がアメリカ軍普天間基地の移設問題について沖縄県名護市に移設するとした日米合意に基づいて進めるとしたうえで、沖縄の負担軽減にも全力をあげたいとしていることへの評価
「大いに評価する」 ――16%
「ある程度評価する」 ――47%
「あまり評価しない」 ――21%
「まったく評価しない」―― 7%
合わせて63%が「日米合意」どおりの解決に賛成している。
対して沖縄県民。
《在日米軍再編:普天間移設 沖縄県民、辺野古「反対」84%--合同世論調査》(毎日jp/2010年5月31日)
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を同県名護市辺野古周辺に移設する日米合意を受け、毎日新聞と琉球新報が5月28~30日実施した沖縄県民対象の合同世論調査。
09年10~11月前回合同調査。鳩山由紀夫首相が「最低でも県外」を唱えて政権を取り、普天間の県外・国外移設を模索していた時期。
自民党政権時代に日米両政府が合意した辺野古への移設計画について――
「賛成」――20%
「反対」――67%
今回合同調査――
「賛成」―― 6%
「反対」――84%
鳩山内閣の辺野古回帰をベースとした「日米合意」を受けて賛成が減り、反対が増えている。
当然内閣支持率に連動している。
内閣支持率
「支持する」 ―― 8%(前回63%)
「支持しない」――78%(前回16%)
民主支持層だけを見ても、64%が鳩山内閣を支持せず、辺野古移設に76%が反対。
沖縄への米海兵隊の駐留について、宜野湾市では「必要ない」が85%(県全域71%)に達し、米軍基地についても「撤去すべきだ」が75%(県全域41%)――
沖縄県民のこの意識といわゆる本土の人間の意識とのこの激しい落差は当事者と非当事者の立場から生じている落差でもあるだろうが、以前は当事者と非当事者がそのまま正直に距離を取った関係にあったわけではなく、沖縄県民と当事者意識を共有していたことが各メディアの世論調査から分かる。
いわば、菅新内閣が発足した途端に沖縄を見捨てたのである。あるいは熱しやすく冷めやすい正体を早くも見せたと言ってもいい。
《NHK世調 内閣支持率21%》(NHK/10年5月10日 19時45分)
5月7日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で実施した世論調査――
◆沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題をめぐって、鳩山総理大臣が沖縄県外への全面的な移設を断念し
、県内に機能の一部を残す考えを明らかにしたことを評価しますか。
▽「大いに評価する」 ――3%
▽「ある程度評価する」 ――21%
▽「あまり評価しない」 ――35%
▽「まったく評価しない」――34%
「あまり評価しない」と「まったく評価しない」が69%も占めている。それが同じNHKの6月の調査では逆にほぼ近い数値の63%が「日米合意」どおりの解決に賛成し、「あまり評価しない」と「まったく評価しない」合わせて28%となっていた。
これは当事者意識共有の69%から28%への離反を示すものであろう。
5月29、30の両日実施した朝日世論調査でも同じ傾向を読み取ることができる。《内閣支持、最低の17% 朝日新聞緊急世論調査》(asahi.com/2010年5月30日22時25分)
◆沖縄にあるアメリカ軍の普天間飛行場の移設問題についてうかがいます。鳩山内閣は、飛行場を沖縄県・
名護市・辺野古に移設する一方で、沖縄の基地負担の軽減に取り組む政府方針を決めました。この政府方
針を評価しますか。評価しませんか。
「評価する」 ――27%
「評価しない」――57%
57%の当事者意識共有が6月8、9両日実施調査時点では31ポイントマイナスの26%の激減となっている。1週間かそこら経過しただけで、当事者意識の大部分を投げ捨てている。
読売新聞社が5月29~30日実施の全国世論調査(電話方式)でも、当事者共有意識はかなり強固なものがあったことを示している。
《内閣支持19%、首相「退陣を」59%…読売調査》(YOMIURI ONLINE/2010年5月31日01時33分)
◆移設先を明記し、訓練の県外移転を拡充し、鹿児島県・徳之島の活用を検討するなどとした日米合意につ
いて――
「評価する」 ――30%
「評価しない」――58%
◆日米合意は沖縄県の基地負担につながるか――
「軽減につながる」――19%
「そうは思わない」 ――69%
58%から69%が沖縄県民と当事者意識をほぼ共有していた。
《「首相辞任を」過半数 世論調査、内閣支持率19%》(47NEWS/2010/05/30 19:10 【共同通信】)
普天間の県内移設を評価するか
「評価しない」――66・1%
「評価する」 ――25・4%
《内閣支持続落22%、「首相は退陣を」63% 日経世論調査》(日本経済新聞電子版/2010/5/30 22:06)
沖縄の米軍普天間基地を名護市辺野古周辺に移設する政府方針について――
「評価する」 ――21%
「評価しない」――66%
このように見てくると明らかに分かることだが、1週間かそこらで沖縄を見捨てたのである。以前共有していた当事者意識が多くの人間の間でウソのように消えてしまった。