二つの世論調査とは社会的正当性を得ていて、市民権を獲得している新聞やテレビの世論調査。もう一つは社会的正当性も市民権も今一歩世間から与えられていないインタネットの世論調査。
《民主代表選 ネットで人気逆転の謎 政治好きは小沢氏好き?》(MSN産経/2010年9月10日 08:00)
「新聞・テレビ」世論調査」
MSN産経・FNN
菅首相 ――60%
小沢前幹事長 ――16%
朝日新聞
菅首相 ――65%
小沢前幹事長 ――17%
日本テレビ
菅首相 ――72%
小沢前幹事長 ――16%
「ウエブサイト」世論調査」
YAHOO!JAPAN
菅首相 ――28%
小沢前幹事長 ――59%
Infoseek
菅首相 ―― 6%
小沢前幹事長 ――93%
ニコニコ動画
菅首相 ――21%
小沢前幹事長 ――78%
「YAHOO!JAPAN」「ネットの投票者は自らID(本人証明)を登録して政治コーナーに入り支持候補を選択する。政治に積極的にかかわりたい人たちの声だ」
記事解説。〈特に小沢氏が出演した番組では、熱心な小沢氏のファンが視聴、投票した可能性がある。
一方、新聞・テレビの世論調査は、電話や面接調査の対象を無作為・広範囲に選んで、回答に政治的傾向が出ないようにしており、こうした違いも背景にありそうだ。〉――
各新聞・テレビの世論調査に於ける菅支持理由は、その殆んどが菅首相自体に指導力がない、政策に期待が持てないと、その政治能力を否定していながら、1年に何人も首相が交代すべきではないという、消極的選択というよりも、常識論に則った選択を理由としている。
例えば、一度結婚したなら、一生添い遂げるべきだを常識としているように。
これだと一生添い遂げることが目的となって、日々の結婚の内容、それぞれの在り様(ありよう)を犠牲にしなければならなくなる。少なくとも問題にしてはならないことになる。一生の添い遂げはあくまでも結果であって、結果を目的とする履き違えを犯すことになる。
首相の交代に関して言うと、1年に何人も首相が交代するしない云々はあくまでも能力の結果としなければならないはずだが、1年に何人も首相が交代させてはならないが目的となって、結果を目的とする履き違えが行われることになる。
いわば首相自身の能力とは無関係に1年に何人も首相が交代すべきではないを常識としているということであり、それを常識としている人たちに支持され、そういった人たちが圧倒的多数を占めているということであろう。
常識に則るということは無難の選択を意味する。安全策を選んでいる言うこともできる。
だが、共同通信社が9月9日、10日に実施した民主党代表選全国電話世論調査によると、その差が少し僅かだが、縮まっている。
《菅氏67%、小沢氏22% 民主代表選で世論調査》(共同通信/2010年9月11日16:44)
代表になってほしい候補者(前回調査 8月末)
菅首相 ――67.3%(前回調査 -2.6ポイント)
小沢前代表 ――22.8%(前回調査 +7.2ポイント)
極々少数の人が無難、安全策から抜け出て、冒険する気になったようだ。実現の見込みのない冒険だが。