前原誠司なる政治家が如何に自己都合な男か、ご都合主義者であるかを知らしめたいがためにのみこの記事を書いた。
但し、解釈はそれぞれによって違い、解釈の違いに応じて前原誠司なる政治家に対して抱く人格はそれぞれに異なる。
《前原氏、「審議拒否は税金泥棒」=自民批判、政府・民主で相次ぐ》(時事ドットコム/2010/11/27-20:26)
27日に横浜市内で開催の民主党衆院議員のパーティーでの挨拶。仙谷官房長官と馬淵夫国交相の問責決議可決後の対応で、自民党が今後の国会審議を拒否する構えを見せていることについて。
前原外相「出てこなかったら、あの人たちは税金泥棒だ。国会の審議に出てこなくて、日本の停滞をさらに助長させるのかということをわれわれは言い続ける」
岡田幹事長(三重県川越町で記者会見)「審議拒否はやめて、一本でも多く(法案を)成立させることに協力してほしい」
枝野幹事長代理(山口県周南市で記者団に)「問責決議には法的拘束力がなく、2人とも衆院で信任されたばかりなので、直接の影響があってはおかしい。党、内閣結束して一歩一歩実績を積み重ねることで、この状況を脱出するために努力したい」
自民党石原伸晃幹事長(石川県小松市で講演)「国民に代わって、一番近々の民意が示された。2人が出てくる(国会の)委員会には、われわれは出ていって議論することはできない」――
昨28日(2010年11月)の日曜日、フジテレビの「親報道2001」が民主党の過去の問責決議案可決と同時に行った審議拒否を早速取り上げていた。
1998年10月16日、防衛庁額賀福志郎長官に対する防衛庁背任事件の監督責任を問う問責決議案が日本の政治史上初の可決を受ける。
野党民主党、辞任を求めるも拒否に会い、審議拒否に出る。
民主党代表菅直人、1998年10月18日に「報道2000」に出演。
菅代表「あの、一つの院が正式に、イー、ま、大臣ですね、エー、不適任だと、いうことを決めたっていうのは、これ、大変重いですからね、ま、当然、あのー、辞任ということになる、べきだと思います」
これだけのことを言うのに次の言葉を探すために、イー、エー、ま、あのーを入れなければならない。出演が決まったとき、言うべきことの概略を前以て用意していたはずだが、具体化する以前の抽象的な政策概念を喋るときはさも確約的に一段と高い声で滔々と一席ぶつ。その落差が激しい。
額賀防衛庁長官に対する問責案は10月16日に可決。11月20日に辞任。1カ月以上、野党民主党は審議拒否を貫いた。前原外相の言葉を使うと、「税金泥棒」を貫いた。前原外相もその当時は「税金泥棒」の一味であったはずだ。一味だったその前原外相が今度は攻守所を変えて野党に対して「税金泥棒」呼ばわりをする。
これはウソつきが他人をウソつき呼ばわりをする言いがかりとも言える。言いがかりとは非難のための口実のことを言う。
野党の問責可決後の審議拒否は政権を追いつめるための一つの方策であろう。当然、政権は守りに入る。前原外相の「税金泥棒」呼ばわりは菅内閣を守ろうとする発言となるが、菅内閣を守るために「税金泥棒」という一種の罵声とも言える言いがかりを使った。
そのセンスが今度は問われることになる。一議員が国会でヤジを飛ばすのとは違う。外務大臣として菅内閣の閣僚の一人を占めている。いくら国会外の発言だとしても、自分たちも同じ人格を演じてきたことに反して、「税金泥棒」と呼ぶことを正しいとすることは閣僚としての資質の欠格性を示すことになるはずだ。当然、問責決議ターゲットの資格を得たことになる。
民主党は麻生政権を追いつめるために2009年7月13日にその他の野党と内閣不信任決議案を衆院、首相問責決議案を参院に提出し、審議拒否に入っている。いわば前原外相の言う議員から「税金泥棒」に職を変えた。
麻生首相はこの事態を受けて同じ7月13日に12月21日衆院を解散、8月18日公示、同30日投開票の日程で総選挙を実施すると正式に表明している。
政権を追いつめる審議拒否宣言だったわけである。
菅首相は菅代表だった当時、問責案可決は閣僚「不適任」の大変重い決定であり、「辞任」が相当の対応だと主張したが、野党時代と首相として立場を変えた場合の責任の違いから過去・現在の発言・行動の食い違いはあり得るとする自らがつくったルールに則ってのことなのだろう、仙谷官房長官と馬淵国交相に対しては「不適任」ならぬ「適任」のハンコを押して問責案可決を大変軽い決定に貶め、両者共続投を相当の対応とする姿勢でいる。
前原外相の自身もかつて同じ人格を演じてきたにも関わらず、健忘症からか、自己都合のご都合主義が先走るあまりか、野党に「税金泥棒」の着ぐるみをすっぽりとかぶせて、逆に自身を正しい場所に立たせようとしている。
菅首相の立場上の責任の違いを正当化の口実に過去の主張を平気で消去する。
信用のなさだけが残りはしないだろうか。
自民党は仙谷官房長官と馬淵国交相が所管する委員会の審議のみ拒否、他は出席する方針だと「YOMIURI ONLINE」が伝えている。
最後に産経デジタルのニュース・ブログポータルサイト「イザ」が《民主党、華麗なる審議拒否の歴史》 2010/11/28 13:06)と題して、野党時代の審議拒否の数々を伝えている。いわば数々の民主党版「税金泥棒」を伝えている。参考までに。 |