前原誠司の民主党の各政策が相互機能を持たせているのか疑わせる4月22日NHK「日曜討論」発言

2012-05-05 12:55:22 | Weblog

 4月22日(2012年)日曜日のNHK「日曜討論」。明日の日曜日もNHK「日曜討論」があるから、2週遅れの日曜討論の録画視聴といったところだが、パソコンを叩きながら聴いていて、出席していた民主党前原政調会長の発言が民主党の各政策が相互機能を持たせているのか疑わせたことと、みんなの党浅尾慶一郎の発言からすると、消費税増税は必要ではないように思えて、両者の発言を取り上げて見ることにした。

 先ず浅尾慶一郎の発言から。

 浅尾慶一郎「社会保障と言ったときに大きな財源は社会保険の保険料がある。保険料の徴収については税金(の徴収)と比べて物凄い大きな穴が開いている。

 例えば厚生年金はすべての法人が加入する義務があるが、今の日本年金機構は全国の法人数のデータすら持っていない。税務署はデーターを全部持っていて、年間273万何千何百社というところが、赤字があっても、申告をし、そこに勤めている人の所得税を(源泉徴収という形で)全部収めている。

 年金の保険料というのは基本的には人件費がかかるから、健康保険の保険料にしても人件費がかかるから、そのデータさえ持っていない結果どうなるかというと、恐らく法人に対して3分の1くらいしか実際には厚生年金に加入していなんだろうと。

 このところを改めるべきで、10兆円くらいのおカネは出てくるし、なおかつ今の健康保険一つ取っても、協会健保の料率は10%だが、国家公務員の共済の保険は6.何%なので、3%以上の差がある。

 これが公平なのかどうかということも考えなければならない」

 「年金の保険料というのは基本的には人件費がかかるから」と言っていることは、役所の方が人手をかけてやることから漏れが出て、完全なデータとはなっていないという意味だと思う。
 
 言っていることが事実で、実際に10兆円くらいのおカネが出てくるとしたら、消費税で換算して1%2兆円の税収なら5%分、1%2.5兆円の税収なら、4%分となる。

 後者だとしても、国家公務員共済年金の保険料率を協会健保と同じ10%にすることと財政支出の効率化等で5%の消費税増税は必要なくなる計算となる。

 また税務署は納税者の形で法人勤労者のデーターをすべて把握しているのに対して日本年金機構は厚生年金加入者のデータに漏洩があって完全な状態になっていないという指摘にしても事実としたら、役所の縦割りの弊害を放置した措置となり、日本年金機構自体が国に対して年々損失を与えていることになる。

 共産党の笠井亮(あきら)議員が年金支給額を過去の物価下落時に物価変動に合わせて減額せずに据え置いた特例水準によって本来の年金支給額よりも2.5%高くなっていることから、2012年度10月から2014年度までの3年間で年金を減額、本来の支給水準に戻す特例水準の解消と、年金支給開始年齢の68歳~70歳引き上げについて反対の姿勢で前原に問い質した。

 前原誠司「(年金支給の)特例水準の問題は今までは賃金が上がっていくという前提に立って物価スライドというものが導入されていたが、平成8年から平成20年、ま、これは自公政権下ですけども、国民の所得はマイナス8.4%減ってるんですね。

 収入が減っている中で、下がる方の物価スライドが採用されていないという中での、この特例水準というものを見直すということがまず一つと。それから先程おっしゃった年金の給付開始年連の引き上げ問題については、その議論をする前に必ずやらなくてはならないのは定年延長の問題と再雇用の問題をどうするかといことが先だと思いますね。

 先の議論がなくして年金の給付開始年齢が引き上がるということはいたずらに社会に不安を与えることになると、私はそう思っている」

 この男、何を言っているのだろうと思った。前原の発言に対して笠井亮が批判している。

 笠井亮「一言だけ。(年金支給開始年齢の)引き上げの検討って、大綱で言ってることです。物価が下がると言いますけども、結局生鮮食料品なんかは高止まりですから、私は暮らしは大変になる一方なんですよ。

 そういう中で(特例水準の解消を)やることは重大だと思います」

 過去の物価下落によって本来の年金支給額よりも2.5%高くなっているから、その分を今後3年間に年金支給を減額する。だが、前原は「平成8年から平成20年」の間に「国民の所得はマイナス8.4%減ってるんですね」と言っている。

 物価下落と賃金減少はデフレ下では表裏一体であり、連動するとする説を採用すると、物価下落は国民所得マイナス8.4%減少を相互に連動させた関係にあることになり、物価下落を国民所得減少が相殺して物価下落をプラス・マイナスゼロ前後とする計算になる。

 但し国民所得減少は現役世代のみに影響して、年金生活者には影響しないことだから、物価下落に応じて年金支給を減額し、年金財源の維持を図ろうということなのだろう。

 いわば物価が下落したとしても、給与も減っているから、物価が下落したことにならないという現象は働いて給与を得ている現役世代のみに関係するということなのだろう。

 だとしても、政府税収を減少させている景気の悪化状況は政治の責任であるはずである。景気の面から国民に安心を与え、消費税増税に頼るだけではない税収増を図る実効ある景気策を講ずる責任があるはずだ。

 「ま、これは自公政権下ですけども」と言って、国民所得減少の責任は民主党政権の責任ではない、自公政権の責任だとまで間接的に言っている場合ではないはずだ。

 また年金政策にしても子育て政策にしても人口増加政策にしても、さらには景気対策にしても相互に絡み合って成果を上げる相乗効果的な相互機能を持たせていなければ、すべての問題が相互関連している関係から、景気回復を含めた国力の全体的な向上は望めないはずで、その内の政策の一つでも成果を上げるだけの力を有していなかったとしたら、全体的な成果も抑圧を受ける可能性が生じる。

 このことの関連から言うと、総務省が5月4日まとめた人口推計(2012年4月1日現在)によると15歳未満の子どもの数は前年比12万人減の1665万人と31年連続で減少しているという。

 その中で未就学児のうち0~2歳が316万人で最も少ないという統計は民主党が政権担当して以来のこの2年間で「子ども手当」や少子化解消策を含めた子育て対策が減少傾向にあった子どもの数に対して何ら歯止め効果を上げていなかったことを示しているはずだ。

 人口は年金保険料の担い手として大きく影響する。また0~2歳が最も少ないということは画期的な人口増加政策を見い出さない以上、0~2歳児の15年~13年後からそれ以降の将来的な生産年齢人口(15~64歳)の減少にもろに影響し、このことは各業種の生産そのものにも影響していく。

 野田政権の社会保障改革の大きは柱の一つである肝心要の子育て対策が機能していなかったということは各政策全体に亘って相互機能を持たせていなければならない関係から、政策全体の効果に対する期待を殺ぐ結果となる。  

 勿論、各政策に相乗効果的に成果向上を図る相互機能を持たせていないとしたら、そのことも問題となる。

 個々の政策に相互機能を持たせていないのではないかと疑わせるのが、年金支給開始年連引上げ問題である。このことについて前原は、「年金の給付開始年連の引き上げ問題については、その議論をする前に必ずやらなくてはならないのは定年延長の問題と再雇用の問題をどうするかといことが先だと思いますね。

 先の議論がなくして年金の給付開始年齢が引き上がるということはいたずらに社会に不安を与えることになると、私はそう思っている」と言っているが、年金の支給開始年齢が2013年度以降、60歳から65歳まで段階的に引き上げることが決まっていることに対して、定年の60歳~65歳から68歳~ら70歳への引き上げを決めもせずに支給開始年齢の68歳~70歳への引き上げのみを唐突に持ち出したのは野田政権である。

 既に希望者全員を60歳から65歳まで再雇用することを企業に義務づける高年齢者雇用安定法改正案に対して反発していた経済界は高齢者再雇用によって若者の就業機会が失われる、全員再雇用では必要としない人材まで抱えることになると猛反発し、識者の多くも批判をした経緯がある。
 
 経済界のこの猛反発、あるいは多くの識者の批判を受けて、68歳~70歳への引き上げを断念したが、この断念に詭弁を用いている。

 小宮山厚労相「今の年金財政が厳しいから検討している訳ではなく、将来的に検討が必要だから議論をしている。来年や再来年という短時間の中で引き上げのための法案を提出することは考えていない」

 「今の年金財政が厳しいから検討し」たはずなのに、そうではないと詭弁を用いて誤魔化している。薄汚い限りである

 この年金支給開始年齢引き上げにしても定年延長対策や若者雇用対策、ひいては企業の業績にも関係していくことだから、景気対策等、これら全般に亘って相互機能を持たせて打ち出さなければならなかったはずだが、他を置き去りにして持ち出した、いわば相互機能を持たせていなかった政策に過ぎなかったから、犬が尻尾を巻いて逃げるようにたちまち引っ込めざるを得なくなった。

 各政策に相互機能をもたせるという政策運営の鉄則を破ったのである。

 経済界からも多くの識者からも反発を食らったこのような経緯を見ると、前原の「その議論をする前に必ずやらなくてはならないのは定年延長の問題と再雇用の問題をどうするかといことが先だと思いますね」は如何にヌケヌケとした発言かが分かる。

 ましてや、「先の議論がなくして年金の給付開始年齢が引き上がるということはいたずらに社会に不安を与えることになると、私はそう思っている」は、さも自身を道理ある政治家と思わせる居直りの奇麗事発言としか言いようがない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする