菅仮免の国会事故調参考人証言に於ける真っ赤なウソつきであることが分かる象徴的シーン

2012-05-29 13:02:42 | Weblog

 昨日5月28日午後の菅仮免の国会事故調参考人証言。今朝4時頃から動画の文字起こしにかかったが、3時間弱の証言の内、9時近くまでかかってやっと45分程度が済んだだけ。パソコン入力がまた時間が掛かるために解釈なしで起こした文章だけを3回か4回に分けてブログに載せるつもりでいたが、時間不足で初回は断念。

 これまでも何度かブログに取り上げてきた菅仮免参加の2010年10月20、21日の静岡県御前崎市中部電力浜岡原子力発電所事故想定の総合防災訓練についての遣り取りがあり、菅がウソをついていることから、ウソつきであることが分かる象徴的シーンとして取り上げることにした。

 71歳5カ月という年齢が年齢だから、文字に起こした文章はおいおいブログに取り上げてみようと思う。

《国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会》
  
 桜井委員「それでは次に総理になられてからのことをお聞きします。

 総理の権限と責務はたくさんあると思いますが、その中の一つとして緊急事態宣言が発せられて原子力災害対策本部が設置された場合は、そのトップとして、災害の対応に当たらなければならないことは改めて私が申し上げるまでもないことでありますが、総理は就任されてからこのような場合、どのような責務と権限があるかということを事前に何らか等の説明を受けておられたでしょうか」

 菅仮免「内閣総理大臣としてどういう権限・権能があるかということは一般的には従来から色々議論もしてきましたし、私の中でも一定の考え方を持っております。言うまでもないことですが、憲法にも内閣法にも規定されております。

 原子力事故に当ってどのような権限が総理大臣として、あるいは本部長としてあるかということについて、詳しい説明を総理になった以降、事故までの間に聞いたということは、そういうことは私は覚えている限りありません

 桜井委員「総理になられてから平成22年に総合防災訓練というものが行われていると思いますが、それに総理は何らかの関わりを持っておられたのでしょうか」

 菅仮免国会でもそのことを聞かれたことがありまして、そういう機会があったということは覚えておりますけども、深くその時に特に原子力の本部長としての権限などを、その時に深く認識をしたかと言えば、必ずしもそういう形には私自身、残念ながら、なっておりませんでした」

 桜井委員「のちに振り返ってみてですね、事前によく説明を受けて知っておいた方がよかったとお考えにはなりませんでしたか」

 菅仮免「(一つ笑みをこぼして)勿論、この事故に遭遇して、もっと早くからしっかりとした説明を受けておればよかったと、このように思いました」 

 桜井議員が聞いた総理大臣としての責務と権限は緊急事態宣言が発せられて原子力災害対策本部が設置された場合のことであって、「憲法にも内閣法にも規定されております」と言わなくてもいい余分な言葉をいたずらに費やしている。

 このシーンだけではなく、至るところで見受けることができる無駄な言葉の浪費であり、このことから菅直人という指導者が的確な情報処理から程遠い人間であることを窺うことができる。

 相手の言葉を的確に判断して、的確に判断した相手の言葉に対して自分の言葉を的確に判断して的確に発言する情報処理能力が如何に劣っているかである。

 但し責任逃れに誤魔化す情報処理能力は一人前ときている。

 菅仮免が「原子力事故に当ってどのような権限が総理大臣として、あるいは本部長としてあるかということについて、詳しい説明を総理になった以降、事故までの間に聞いたということは、そういうことは私は覚えている限りありません」と答えたのに対して、桜井委員は菅が政府原子力災害対策本部会議本部長として参加した2010年10月20・21日実施の浜岡原発事故想定の「平成22年度原子力総合防災訓練」を取り上げた。

 但し、「それに総理は何らかの関わりを持っておられたのでしょうか」では、質問の仕方が拙劣としか言いようがない。この訓練は「原子力災害対策特別措置法」第13条の規定に基づいて行われるもので、緊急事態宣言発令(第15条)も、総理大臣が就任することが決められている原子力災害対策本部長の権限、あるいは責務もこの法律に規定されているである。

 もっと直接的に、訓練に参加した以上、内閣総理大臣の責任として詳しい説明を聞いていないでは済まないではないかと追及すべきだったろう。

 菅仮免は原子力事故にあたっての権限については「詳しい説明を総理になった以降、事故までの間に聞いたということは、そういうことは私は覚えている限りありません」と一度は答えたものの、桜井委員から2010年の総合防災訓練を指摘されると、「国会でもそのことを聞かれたことがありまして、そういう機会があったということは覚えておりますけども」と答えているが、真っ赤なウソもウソ、ドス黒いウソとしか言いようがない。

 昨年の(2011年)4月18日の参院予算委員会で中部電力浜岡原発事故想定の総合防災訓練に関して次のように質疑応答があった。

 脇雅史自民党議員「えー、去年の、10月20日(はつか)でございますが、(平成)22年の10月20日(はつか)、21日非常に大事な催しがあったわけですが、そのことはご記憶ですか、総理」

 菅仮免「ま、突然のご質問ですので、えー、何を指されているのか、あー、分かりません」

 脇雅史議員「実はこの日はですね、えー、原子力総合防災訓練、というものをやってらっしゃるんですね。

 で、これは本部長として菅直人内閣総理大臣、私がいただいたものには、紙には書いてあります。20日(はつか)、21日と総合防災訓練をされたと。そのときに、どういうテーマで訓練されたか、覚えてらっしゃいますか」

 菅仮免「詳しい、イ、内容については記憶しておりませんが、やはりこうした、あー…、色んな、あー、地震等を想定した、あー……、ことではなかったかと思っております」

脇雅史議員 「また呆れちゃうんですけどね(失笑)、これ大変なことですよ。私は日本の国はたいしたもんだと思うんですが、ちゃーんと訓練してるんですね。

 その訓練はですね、事故の想定という項目があるんですが、原子炉給水系の故障により、原子炉水位が低下し、原子炉が自動停止、その後の非常用炉心冷却装置と複数の設備故障により、万一放射性物資が放出された場合、その影響が発電所周辺地域に及ぶ恐れがある、と想定。

 まさに今回と同じことを想定しているんじゃないですか。そのことについてなんにも記憶はないんですか。何のための訓練だったんですか。あなたが本部長として、参加されてるんですよ。本当の覚えていない?どうぞ」

 菅仮免「シー、少なくともですね、あのー、おー、おー…、私にとって、えー、そうした原子力の、おー、いろいろな、あー、事故は、過去に於いても、オ、多くありましたし、日本では、あー、臨界事故、というものが最も大きかったわけでありますから、えー、そういった意味で、えー、一般的な認識を持っておりましたし、えー、そういう想定に、立っての、おー……そうした、あー、訓練が、行われたということは、ア、ご指摘のとおりだと思っております」

 以上2011年4月20日当ブログ記事――《菅仮免首相の危機管理能力ゼロを改めて証明する国会答弁 - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》による。

 最後は臨界事故については一般的な認識を持っているだ、訓練が行われたということはご指摘のとおりだと誤魔化しているが、福島原発事故が発生した約5カ月前の原発事故想定の、自身が政府原子力災害対策本部会議本部長として指揮を取った国の総合防災訓練を何も覚えていなかった。

 にも関わらず、昨日の国会事故調の証言では、「国会でもそのことを聞かれたことがありまして、そういう機会があったということは覚えておりますけども」とシャアシャと答えている。

 まさか、覚えているという「そういう機会」とは国会で質問があったことを指すわけではあるまい。

 原発事故想定の防災訓練があったことは忘却していて、そのことの質問が国会であり、覚えていませんと答えたことを覚えていると言うのではあまりにも滑稽な倒錯としか言いようがないだろう。

 何よりも問題としなければならないのは引き続いての発言である。

 「深くその時に特に原子力の本部長としての権限などを、その時に深く認識をしたかと言えば、必ずしもそういう形には私自身、残念ながら、なっておりませんでした」――

 何という無責任さなのだろうか。一国の総理大臣であり、原子力発電事故ではなくても、国内で大災害が発生した場合は災害対策本部会議本部長に就く責務を負っている人間が、自らが果たさなければならない権限に関して深く認識していなかったと答えている。

 ウソつきな上に無責任と言いたいが、無責任な人間というのは大体に於いてウソつきであり、ウソつきな人間は大体に於いて無責任であって、両者は概ね重なる。

 その典型が菅仮免だというわけである。

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