岡田克也の雑な頭の愚民論漂わせたマニフェストに関わるなり振り構わない自己正当化

2012-06-07 10:31:47 | Weblog

 これ程頭が雑だとは思わなかった。頭雑男(あたまざつおとこ)といったところだ。頭が雑に仕上がっているからだろう、ご都合主義なばかりに自己正当化に走ることができる。

 6月5日の衆院特別委員会。《最低保障年金、未加入者は対象外 岡田氏、特別委で示す》47NEWS/2012/06/05 12:17 共同通信】)

 赤沢亮正自民党議員「民主党公約に最低保障年金の受給資格に関する記述がない。国民は全員が7万円を受け取れると思っている」

 岡田克也頭雑男「所得比例年金に入ってもらうことが前提だ。制度に加入していなければ最低保障年金は受け取れない。

 誤解があったかもしれないが、制度に加入していない方にも支払うとの議論はしていない」

 国民年金に加入していなくても、誰もが最低7万円を受け取ることができるなら、年金に入らない者が出てくる。真面目にコツコツ払った正直者がバカを見ることになるという批判払拭の発言だろう。

 だから、マニフェストにも大綱にも書いてないにも関わらず、「所得比例年金に入ってもらうことが前提だ」とした。

 先ず「2009年民主党の政権政策(マニフェスト)」にどう謳っているか見てみる。

 〈年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します。

 消費税を財源とする「最低保障年金」を創設し、全ての人が7万円以上の年金を受け取れるようにする。「所得比例年金」を一定額以上受給できる人には、「最低保障年金」を減額する。〉

 次に「民主党政策集INDEX2009」

 〈消費税を財源とする「最低保障年金」を創設し、すべての人が7万円以上の年金を受け取れるようにすることで、誰もが最低限の年金を受給でき、安心して高齢期を迎えられる制度にする。「所得比例年金」を一定額以上受給できる人には「最低保障年金」を減額する。

 消費税5%税収相当分を全額「最低保障年金」の財源として投入し、年金財政を安定させる。〉

 この「消費税5%税収相当分」とは現行の消費税5%を言う。「民主党政策集INDEX2009」の「消費税改革の推進」の項目に次のように書いてあるからである。

 〈現行の税率5%を維持し、税収全額相当分を年金財源に充当します。将来的には、すべての国民に対して一定程度の年金を保障する「最低保障年金」や国民皆保険を担保する「医療費」など、最低限のセーフティネットを確実に提供するための財源とします。〉・・・・

 だが、野田政権は「最低保障年金」を導入するには現行消費税5%を当てるどころか、消費税増税10%に加えてさらに最大7・1%の消費税増税が必要だなどと言っている。

 サギもいいとこではないか。

 2月27日(2012年)閣議決定「社会保障・税一体改革大綱について」の「最低保障年金」の項目の記述は次のようになっている。

 〈最低保障年金(税財源)

○ 最低保障年金の満額は7万円(現在価額)。
○ 生涯平均年収ベース(=保険料納付額)で一定の収入レベルまで全額を給付し、それを超えた
  点より徐々に減額を行い、ある収入レベルで給付額はゼロ。
○ すべての受給者が、所得比例年金と最低保障年金の合算で、概ね7万円以上の年金を受給でき
  る制度。〉

 「最低保障年金」に関しては受給資格は一切触れていない。岡田頭雑男が言っているように「制度に加入していなければ最低保障年金は受け取れません」などとどこにも書いてない。

 所得比例年金は加入者が保険料を拠出し、それに応じて年金給付を受ける「社会保険方式」であるから、当たり前のことだが、断りがなくても保険に加入していなければ受給できない。だが、「最低保障年金」は税方式で国が払うことになっているから、保険に加入していなくても、有難いことにいただける。お笑い芸人ふうに言うと「ゴチ」になれる。

 保険に加入していなければ、所得比例年金はゼロ。最低保障年金でまるまる7万円がゴチの対象になることになる。

 問題としたいのは頭雑男の次の発言である。「制度に加入していない方にも支払うとの議論はしていない」

 確かにそのとおりだろう。だが、「制度に加入していない方には支払わないとの議論もしていない」はずだ。

 後者の議論をしていたなら、当然、マニフェストその他に受給資格に関する記述が入っていることになる。

 ゴマカシの詭弁に過ぎない。頭が雑に仕上がっているから、自分たちを正当化するためには詭弁を用いるしか手がない。

 もし頭雑男が所得比例年金加入を前提とした「最低保障年金」議論だったと言うなら、なお一層の詭弁となる。国民年金の未納者・未加入者が厳然として存在するからであり、そのような存在を無視することになるからだ。

 厚労省発表の2010年4月~11年2月(11カ月分)の 国民年金保険料未納率は前年同期と比べ、0.7ポイント高い41.3%。

 2007年国民年金加入者数約7千万人に2010年4月~11年2月未納率41.3%をかけると、2千9百万人弱が未納状態にある。この中の納入義務期間を満たさない者は受給資格を失うし、未納者以外に未加入者も存在する。

 「Wikipedia」には、〈平成18年度末において未納者(約322万人)、未加入者(約18万人)の公的年金加入者(約7041万人)に占める割合は5%となる。〉の記述がある。

 若者の貧困化化が叫ばれている昨今、未加入者が増えている恐れがある。

 もし加入していさえすれば、納入義務期間を満たさずに受給資格を失っていても、「最低保障年金」が保証されるというなら、職もなく生活に困窮している若者の中には生活維持のために払わずに済まそうという者も出てくるだろ。

 受給資格を失った加入者や元々受給資格のない未納者は最後のセーフティネットである生活保護で対処するとするなら、逆に未納・未加入を誘導することになる。

 しかも最低保障年金が約束する7万円よりも生活保護費の方はほぼ月10万円以上は貰える。

 現行の〈消費税5%税収相当分を全額「最低保障年金」の財源として投入〉すると言いながら、最終的には最高で17.1の増税が必要だなどとするマニフェスト違反も加えると、頭雑男の詭弁では済まない多くの問題を抱えることになる。

 選挙は他の政党の政策に優る自党の政策の優越性をマニフェストに掲げて戦い、国民の審判を受けて政権を手に入れたのだから、マニフェストに掲げた各政策の実現に原理主義的に立ち向かわなければならないはずだ。

 だが、原理主義者を自任する頭雑男岡田はマニフェストに対する原理・原則を投げ捨てにかかった。

 《「マニフェストで勝ったわけではない!」開き直る岡田副総理》MSN産経/2012.6.6 23:15)

 6月6日の衆院社会保障・税一体改革特別委員会。

 岡田克也頭雑男「マニフェスト(政権公約)というよりは、政権交代を望む国民の大きな流れで勝った」

 マニフェストが政権交代の主たる原動力となったわけではない、国民が政権交代を欲したことが大きな原動力となったと言っている。

 だとすると、国民は民主党という政党の中身はどうでもよかったことになる。

 これは国民はバカだと看做す一種の愚民論なくして言えない言葉である。

 記事解説。〈消費税増税を含む一体改革関連法案の修正協議に向け、自民党が撤回を求めるマニフェスト施策にこだわらない姿勢を強調したかったようだが、民主党の「マニフェスト原理主義者」の感情をまたも逆なでしてしまった。(桑原雄尚)〉・・・・・

 石井登志郎民主党議員「マニフェストは方向性を示す羅針盤のようなものではないか。子ども手当2万6千円支給というように(詳細に)分かりやすくしてこうなってしまったことに大いに反省すべきだ」

 岡田克也頭雑男「2万6千円が過大でなかったかといえば、過大であったというふうに思います。国民の多くは政権交代を一度行うべきだという思いの中で投票した」

 政策の構築は財源の裏付けを必要とする。いわば民主党には財源の裏付けを伴った政策構築力がなかったと岡田頭雑男は言っている。結果的にマニフェストに掲げる各政策が他党の各政策に優る優越性を謳うものでありながら、それは見せかけに過ぎず、他党の政策に劣る政策で戦ったものの、国民は政策などどうでもよく、国民の政権交代への望みに助けられて政権を獲ち取ることができたとしている。

 ここにも言葉の裏に国民に対する愚民論を張り付かせている。

 と同時に岡田頭雑男はマニフェストの比較不要論を述べたのである。国民は単純に与党・野党との比較でくじ引きふうに政権を託すか否かの一点を主体的基準に投票すると言っているからである。

 菅・野田系統の民主党政権は以後、マニフェストを掲げる資格を放棄したことにもなる。

 記事は、〈かつては岡田氏こそが「マニフェスト原理主義者」だった。〉と書いている。〈自ら先頭に立って「マニフェスト選挙」を主導してきた。平成16年7月の参院選では党代表として「年金一元化」などを掲げ、民主党は小泉純一郎政権の自民党に初めて勝利した。「マニフェストと違う行動を取る無責任な議員は党内にいない」(16年1月)と言い切ったこともある。〉と書いている。

 マニフェストに他党の政策に優るとする自党の政策の優越性を掲げながら、それが見せかけで、実現できないことの現状をなりふり構わずに正当化しようとする思惑を窺うことができる。

 その一方でマニフェストになかった消費税増税に不退転の決意をかける滑稽な倒錯を見せている。

 マニフェストに書いたことはできません、書いてなかった消費税増税は必ず実現させてみますと、不退転だ、不退転だと言っているのだから、その倒錯たるや、まさしく滑稽そのものである。

 民主党の今のザマがマニフェストで約束した政策を実現できないでいることが原因となっているはずだが、そのことを無視して自己正当化のみに自己利害を置こうとしているためにマニフェストを否定するような矛盾した発言が飛び出すことになる。

 野田や岡田や前原等の下らない存在を正当化するために 国民はバカだとされたのではたまったものではない。

 薄汚いばかりに頭が雑な、なり振り構わない自己正当化だ。

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