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小沢一郎生活の党代表インタビュー
《政権を狙わない政党や政治家は辞めたほうがいい》(PRESIDENT Online/2014年9月30日)
《10月12日(日) 村上史好国会対策委員長代理『日曜討論』(NHK)出演のご案内》
番組名:NHK『日曜討論』(生放送)
日 時:平成26年10月12日(日)9:00~10:00
内 容
○ガイドライン見直しへ 日米防衛協力をどうする
○日中・日韓関係改善に何が必要か
○北朝鮮 拉致問題解決の道筋は等
辻元清美が10月3日の衆院予算委で「河野談話」について質問していた。
辻元清美「吉田清治氏の証言がですね、河野談話の内容に影響を及ぼしていないと言っていい理解でいいですか」
菅官房長官「河野談話の作成過程の中で政府は吉田清治氏から聞き取り調査を行っています。その結果ですね、同氏の証言は客観的事実に照らして辻褄が合わなかった。
他の証言者の証言と比較して信用性が低かったところから、河野談話に反映されなかったと、こういうことであります」
辻元清美「と言うことは、えー、総理がお帰りになりました。(便所からだろう。屁を我慢していて、便所に屁をしに行ったのかもしれない)どうぞ(と手を差し伸べる)。お掛けください。
今河野談話ですので、えー、総理がいないとちょっと始まらないのです。今(菅官房長官の)ご答弁で、総理がですね、(河野談話作成過程検証の)検討会を依頼してですね、その中で吉田氏の証言が河野談話の内容に影響は及ぼしたことはないという理解で良いのかという質問に対して、菅官房長官から、それはないと、いうご答弁でした。総理と同じ認識ですね」
安倍晋三「ま、この検討会は官房長官の下で官房長官が責任を持って開いたものです。今、官房長官が答弁したとおりだと思います」
辻元清美「次にですね、この河野談話は今色々と言われております。16人の元慰安婦の聞き取り調査、えー、がですね、根拠になったのではなく、官房長官、よく聞いてくださいね。関係省庁に於ける関連文書、米国国立公文書の文書や、それから軍関係者や慰安所経営者と各方面への聞き取り調査、それから証言集の分析などで出た結果であって、元16人の慰安婦の聞き取りが根拠になったものではないと、いうことでよろしいでしょうか」
菅官房長官「この16人の元慰安婦からの聞き取り調査でありますけれども、6月20日に公表した政府の河野談話作成過程等に於ける検討等、その報告書のとおりですね、河野談話の原案は元慰安婦からの聞き取り調査の終了前に、それまでに日本政府が行った関連の文書の調査結果等に基いて既に作成されていたと、このように発言をされております」
辻元清美「総理も同じ認識で、16人の元慰安婦の方の証言が河野談話に影響を及ぼしていないということでよろしいでしょうか」
安倍晋三「通常であればですね、16人の聞き取り調査をしたんだから、河野談話を作るためには聞き取り調査をしたとみんな思っているわけでありますが、(検討チームが)調査をした結果ですね、もう既にそれは日韓協議をしていたということでありまして、16人の証言を入れる前に、証言する前にですね、決まっていたということであったということであります」
辻元清美「次にこの作成過程で事前の韓国側との遣り取りがあったことで、河野談話の内容が歪められたことはないという理解で、官房長官、宜しいでしょうか」
菅官房長官「6月20日公表した政府の河野談話作成等に関する検討チームの報告書に明らかにされているとおりですね、当時の日韓両国政府は河野談話を発表することによって一つの区切りをつけて、未来志向の関係を築くことを目指し、綿密な調査・意見交換を行ってきたと。
そして政府は一連の調査を通じて得られた認識が、いわゆる強制連行は確認できないという認識に立ってですね、それまでに行った調査の事実関係を歪めることのない範囲で韓国政府の意向・要望について受け入れられるものは受入れ、受入れられないものは拒否する姿勢で、河野談話の文案を巡る韓国側との調整に臨んできたと」
辻元清美「官房長官、そういうことは、遣り取りは、直接ですね、河野談話の内容を、日本政府の意向を歪めたわけではないということですね」
菅官房長官「この検討チームの報告から推測しますとですね、まさに日韓両国に於いてですね、まさにこの問題に一区切りをつけて未来志向の関係を築こうという中のギリギリのすり合わせの結果の文書であったというふうに考えられると思います」
辻元は下村博文に、2014年度の中学校教科書の検定から適用とした、近現代史を扱う教科書は政府見解を尊重することを求める内容に検定基準を改正したことに関して、「河野談話」は政府の統一見解に該当するのか質問し、「河野談話は検定基準上の閣議決定により示された政府の統一的見解に該当する」という答弁を得る。
辻元清美「総理にお伺いしたいんですが、総理はかつてですね、この問題を何回も国会で発言され、また、かつて決算委員会でそういう発言をされているんですね。『この河野談話についてですね、殆どの根拠はこの吉田清治なる人物の本、あるいは証言によっているということであります。その根拠が崩れているにも関わらず、(河野)官房長談話は生き、そして更に教科書に載ってしまった。これは大きな問題である』
要するに河野談話は吉田清治なる人の証言が根拠で、既に崩れているけど、官房長官談話は生きているというのは問題だというようにご指摘をなさっているんです。
今回総理自らが調査をされた結果、この吉田清治なる人物の証言と河野談話は何か影響を及ぼしているわけではないということですから、この当時の総理の認識は間違いと言うか、違っていたということになりますが、如何でしょうか」
安倍晋三「その時の発言はまだ質問通告ございませんから、分からないので、えー、お答えをしようがございませんが、しかし河野談話についてですね、ここでは強制性については事実上認めていないと。こちら側はですね。
韓国側との遣り取りの中でそうなのでありますが、河野洋平長官が、いわば記者会見の中でその事実をお認めになったということであります。河野官房長官談話と、河野官房長官の(記者会見の)お答がですね、合わさって、いわばイメージがつくり上げられているのは事実であります。
それが吉田証言がどのように関わっていたか分かりませんが、吉田証言が河野長官のお答にどのように関わっていたか分かりませんが、吉田証言自体がですね、強制連行の大きな根拠になっていたのは事実ではないかと、このように思うわけであります」
辻元清美「もう一回申し上げますけれども、正式の国会の場で総理がですね、この吉田証言を根拠にしている河野談話、これは問題だという趣旨の発言をされているので、総理自らが吉田証言と河野談話はこれは関係ないと、かなり活発に総理はあちこちで、委員会と言うか、あちこちで発言をされているわけですよ。
ですから、関係はないということは、これをお取り消しになるか、この認識は間違っていたということを聞いているのですよ。これは韓国を含めて、世界中見ていますよ。はっきりと仰ったほうがいいですよ。今まで間違っていたということを。
河野談話は吉田証言が根拠で、崩れていると。既に国会でおっしゃっているわけですよ。如何でしょうか。
私はね、(安倍晋三が)朝日新聞の間違いは認めろと仰った。それは正しいと思いますよ。そうすると、ご自分の認識違い、今回の検証ので明らかになったじゃないですか。認められたらどうですか」
安倍晋三「まあ、私はまだこの発言自体を精査しておりません。いずれにせよ、ですね。今申し上げましたように河野談話プラス、いわばその時の長官の記者会見に於ける発言により、強制連行というイメージが世界にこれは流布されたわけであります。
つまりその中に於いて、河野談話自体がですね、事実上、いわば強制連行を認めたものとして認識されているのは事実でありますが、文書自体はそうではないと、いわば河野談話自体について今回検証したわけでありますし、我々は河野談話については継承するというように申し上げているところであります」
辻元清美「今まで総理が仰って、先程高市さんにもお聞きしましたけども、総理が仰ってきたことを今回検証したことで自ら総理が仰ってきたことを否定されたんです。
あの検証っていうのは、よく認識された方がいいと思います。ですから、私はお認めになっているから、これ以上言いませんけど、その点ははっきりと国際的には示されたほうがいいですよ。色んなことを仰っている。それがですね、日中・日韓の、あのー、トゲになっていますから」
別の質問に移る。
「私はお認めになっているから、これ以上言いませんけど」と、尊敬語の「お」を付けて言っているが、何のことを言っているのか意味不明。安倍晋三が決算委員会で発言したことが今回の政府の検証で間違いであることが判明したことは、私自身ははっきりしていることと思っているから、「これ以上言いませんけど」と言ったのだろうが、自分が明らかに間違いだと認識していたとしても、相手の安倍晋三が認めなければ何もならない。
独り善がりもいいとこである。余分な言葉が多くて、肝心な追及ができない。あるいは的外れな追及の仕方をしている。
菅官房長官は検証の結果、吉田証言は「客観的事実に照らして辻褄が合わなかった」から、河野談話に反映されていないことが判明したといった趣旨のことを言い、対して辻元清美は、河野談話は吉田清治の本、あるいは証言を根拠として作成されたとする安倍晋三の決算委員会でのかつての発言を持ち出して、間違いだと判明したのだから、発言を訂正しろと迫った。
安倍晋三が間違いだと認めて発言を訂正したからといって、どうなるというのだろう。強制性を否定していることまで変えることができるわけではない。的外れな質問としか言い様がないが、輪をかけて始末の悪いことは、安倍晋三に「その時の発言はまだ質問通告ございませんから、分からないので、えー、お答えをしようがございません」と逃げられ、「私はまだこの発言自体を精査しておりません」と逃げられたとき、的確な対応ができなかったことである。
前以て質問を用意していて、国会質疑の中での発言として取り上げている以上、正確を期すために新聞記事からではなく、「国会会議録検索システム」のサイトから発言を採録したはずであるし、採録しなければならない。
「何年何月何日の決算委員会での総理の発言を国会会議録検索システムからコピーしたもので、総理の発言に間違いはありません。例え記憶になかったとしても、私が言った通りの発言をしたのです。もし認めなければ、国会会議録検索システムの記録が間違っていることになります。
私が言った通りにご自身が口にした発言と認めて、検証結果と整合させて頂きたい」
こう言えば、質問通告だとか、精査だとかの言葉を封じて、答えざるを得なくさせるはずである。
菅長官は「河野談話の原案は(16人の)元慰安婦からの聞き取り調査の終了前に、それまでに日本政府が行った関連の文書の調査結果等に基いて既に作成されていた」と言い、日本側は「強制連行は確認できないという認識に立って」いたものの、「韓国政府の意向・要望について受け入れられるものは受入れ、受入れられないものは拒否する姿勢」で「韓国側との調整に臨」み、「当時の日韓両国政府は河野談話を発表することによって一つの区切りをつけて、未来志向の関係を築くことを目指し、綿密な調査・意見交換を行っ」た、いわゆる妥協の産物・擦り合わせの産物だとして、強制連行の事実を否定している。
だが、検証チームの報告書、《慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯》によると、16人の元慰安婦に関しては1993 年7月26日から7月30日まで聞き取り調査を行っている。
但し、〈聞き取り調査の位置づけについては,事実究明よりも,それまでの経緯も踏まえた一過程として当事者から日本政府が聞き取りを行うことで,日本政府の真相究明に関する真摯な姿勢を示すこと,元慰安婦に寄り添い,その気持ちを深く理解することにその意図があったこともあり,同結果について,事後の裏付け調査や他の証言との比較は行われなかった。聞き取り調査とその直後に発出される河野談話との関係については,聞き取り調査が行われる前から追加調査結果もほぼまとまっており,聞き取り調査終了前に既に談話の原案が作成されていた。〉と、元慰安婦からの聞き取りは事実究明を目的としたものではなく、〈日本政府の真相究明に関する真摯な姿勢を示すこと〉を主たる目的としていた。
そのために〈事後の裏付け調査や他の証言との比較〉は行わなかった。
いい加減なものであるが、韓国側との妥協や擦り合わせがあり、〈事後の裏付け調査や他の証言との比較〉を行わなかったとしても、16人の元慰安婦が証言している以上、強制連行されたとする趣旨の証言を行ったと考えられることから、前者のみの事実を以って「河野談話」が強制性を否定していることにはならない。
また、検証チームの報告書は16人の元慰安婦からの〈聞き取り調査終了前に既に談話の原案が作成されていた。〉としているが、あくまでも〈原案〉であって、最終案であることを言っているわけではない。
当然、安倍晋三が「16人の証言を入れる前に、証言する前にですね、(河野談話の内容が)決まっていたということでであったということであります」と言っていること自体は、事実誤認も甚だしいことになる。
安倍晋三が「河野談話についてですね、ここでは強制性については事実上認めていないと。こちら側はですね」と言っていることは、菅官房長官が検討チームの報告書に基いて「いわゆる強制連行は確認できないという認識に立ってですね、それまでに行った調査の事実関係を歪めることのない範囲で韓国政府の意向・要望について受け入れられるものは受入れ、受入れられないものは拒否する姿勢で、河野談話を文案を巡る韓国側との調整に臨んできたと」と説明した文言に相当する。
繰返しになるが、報告書には次のように記述されている。様々な調査の結果、日本側は〈いわゆる「強制連行」は確認できないという認識に立ち,それまでに行った調査を踏まえた事実関係を歪めることのない範囲で,韓国政府の意向・要望について受け入れられるものは受け入れ,受け入れられないものは拒否する姿勢で,河野談話の文言を巡る韓国側との調整に臨んだ。〉――
いわば「河野談話」に書き入れてある「強制連行」は韓国側を納得させるフィクションだとする位置づけを行っていることになる。16人の元慰安婦の聞き取り証言の裏付け調査も行わずにである。
果して検討チームの報告書自体が安倍晋三の意向に添ってある意図のもとに作成されたのではないかという疑いを持ちたくなる。
この根拠は、安倍晋三が「河野官房長官談話と、河野官房長官の(記者会見の)お答がですね、合わさって、いわばイメージがつくり上げられているのは事実であります」と言っている記者会見発言と検討チームの報告書の謂わんとしていることがあまりにもかけ離れているからである。
安倍晋三のいう記者会見がいつの記者会見か不明で、インターネットで探したが見つからなかった。但し「河野談話」発表の1993年(平成5年)8月4日から約4年後に河野洋平は朝日新聞のインタビューを受けている。インターネット上で見つけた。
河野洋平 朝日新聞インタビュー(朝日新聞/1997年3月31日)
ー募集については。
政府が聞き取り調査をした元慰安婦たちの中には明らかに本人の意思に反してという人がいるわけです。つまり、甘言により集められた、あるいは強制によって集められた、あるいは心理的に断れない状況下で集められた、といったものがあったわけです。
当時の状況を考えてほしい。政治も社会も経済も軍の影響下にあり、今日とは全く違う。国会が抵抗しても、軍の決定を押し戻すことはできないぐらい軍は強かった。そういう状況下で女性がその大きな力を拒否することができただろうか。
ー「甘言」「強圧」とはどういうことですか。
「甘言」とは、例えば「工場で働いてもらう」と言われて連れていかれたところが、慰安所だった。詰まり「だまされて」ということだ。「強圧」とは、植民地統治下にあって、軍が背後にいることがはっきりしている状況の中で、その指示とか、申し出とかは断れる状況ではなかった、ということだ。
ー元慰安婦の証言が、強制性を認める心証となったのですか。
連れていった側は、ごくごく当たり前にやったつもりでも、連れていかれた側からすれば、精神的にも物理的にも抵抗できず、自分の意思に反してのことに違いない。それは文章に残らないが、連れていかれた側からすれば、強制だ。
ー元慰安婦の証言の信ぴょう性について疑問の声もありますが。
半世紀以上前の話だから、その場所とか、状況とかに記憶違いがあるかもしれない。だからといって、一人の女性の人生であれだけ大きな傷を残したことについて、傷そのものの記憶が間違っているとは考えられない。実際に聞き取り調査の証言を読めば、被害者でなければ語り得ない経験だとわかる。相当な強圧があったという印象が強い。
ー政府が聞きとり調査をした軍人・軍属の中にも強制連行があった、と証言した人はいたのですか。
直接強制連行の話はなかった。しかし、総合的に考えると「文書や軍人・軍属の証言はなかった。だから強制連行はなかった。集まった人はみんな公娼だった」というのは、正しい論理の展開ではないと思う。(以上)――
検討チームの報告書が記述している「強制連行」は確認できなかったが、韓国側との妥協でそれを認めたとする趣旨とあまりにもかけ離れている。
河野洋平元官房長官の記者会見発言の正当性はインドネシアで日本軍によって強制的に従軍慰安にされ、強制的に売春婦にされたインドネシアの未成年を含む若い女性やオランダ人女性たちの証言、その他の国の元従軍慰安婦の証言が証明している。
安倍晋三と菅義偉は従軍慰安婦の強制連行を河野談話作成時の日韓の擦り合わせに矮小化し、そのような事実に基いて否定する論法を駆使する狡猾な歴史修正を行っているに過ぎない。