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《10月14日衆議院本会議 畑浩治生活の党総合政策会議議長質問要旨》
安倍内閣提出の「まち・ひと・しごと創生法案」および「地域再生法の一部を改正する法律案」趣旨説明に対する質問の要旨。
☆『エネルギーの地産地消こそ地方創生の鍵』
安倍晋三掲げる「女性が輝く社会」を内閣に於いて象徴する代表格の一人である小渕優子経済産業相に政治資金規正法違反の疑惑が浮上、現在国会で野党の追及を受けている。
小渕優子。かつて首相を務めた大物自民党政治家小渕恵三の娘として、父親死去後、その跡を継いで2000年6月の衆院選に立候補、26歳にして見事初当選を果たしている。
「Wikipedia」によると、獲得した票は16万3991票。次点の社民党候補は35769票。その差12万8222票。
要するに父親小渕恵三の地盤・看板・鞄を引き継いだ。
どのような政治資金規正法違反疑惑か、その一端を「asahi.com」記事から見てみる。
疑惑浮上の発端は10月16日発売の週刊新潮(10月23日号)だそうだ。
問題となったのは東京・明治座で開いた有名歌手らが出演する「観劇会」に後援会会員を招待したときの収支報告。
10月16日の参院経済産業委員会での小渕優子の説明。
観劇会は「小渕優子後援会」と「自民党群馬県ふるさと振興支部」が企画、2007年から毎年開催。会費は1人につき「1万円ちょっと」
「1万円ちょっと」という会費設定は常識的には存在しない。まさか消費税8%を取っているわけではあるまい。「ちょっと」というところにゴマカシの意識が働いている。正確には計算させないようにしようというゴマカシである。
2005年~2007年の後援会会員からの観劇会参加費収入は100万円台の合計300万円台。2010年と2011年は300万円台の合計600万円台。全合計1199万円。
一人1万円の会費とすると、延べ1200人程度が参加したことになる。年に1回の観劇なら、2005年~2007年は100人程度、2010年と2011年は300人程度それぞれ参加したことになる。
因みに明治座の客席数は1368席。明治座を借り切る程の参加者の盛況といったところではなさそうだ。
一方入場料や食事代等明治座に支出した金額は収支報告書では、収入が上回った年もあったが、合計約6529万円で、支出が約5330万円上回っているとしている。
約5330万円を小渕優子後援会側が立て替えて、不足分を補ったことになる。このことが有権者への利益供与を禁じた公職選挙法に違反する可能性があるということであるらしい。
小渕優子後援会は野球観戦も主催、2005年から2011年までの7年間の参加費約196万円に対して東京ドームへの支出は約436万円。約240万円の支出超過で収支報告書には記載されているという。
当然、ここでも利益供与を疑わなければならないことになる。
政治資金収支報告書の支出超過が許されないケースで支出超過となって記載されていることも問題だが、より問題なのは選挙対策として地元選挙区の有権者を後援会という形で囲い込んでより確実な支持者として惹きつけておくために観劇や野球観戦、祭りや運動会といった地元行事への参加、後援会員の運動会主催、あるいは後援会員の登山その他の行楽の主催、後援会メンバーの冠婚葬祭へのこまめな列席等々で常に歓心を買っていなければならないということである。
後援会に1000人集めることができれば、それが選挙の時、3000人4000人の票へと膨らんでいく。後援会員一人ひとりが家族や知人、親戚に「今度の選挙、小渕優子に頼む」と声をかけると、「じゃあ」という確率は決して少なくはない。
結果、選挙に当選するかしないかは後援会にどのくらいの会員を集めるかどうかにかかってくることになる。少なくとも当選のための安心の材料となる。
当然、こういった活動が国会議員の優先的な日常普段の地元選挙対策となる。いわば政策や自身の政治上の主義主張を訴えたりする、真の意味での政治活動は従の関係に置くことになる。
と言うことはまた、地元支持者にしても、支持する国会議員の政策や主義主張よりも観劇や野球観戦、その他の後援会行事により関心を持っていることになって、その関心の程度が投票行動へとつながっていくことを意味することになる。
こういった国会議員と地元支持者の関係から、国会議員が毎週金曜の夜になると選挙区に帰り、週末に地元で政治活動と言うよりも実質的には選挙対策をして国会が始まる火曜に東京に戻る「金帰火来」(きんきからい)なる、国会議員が習慣とすることになる言葉が生れることになったのだろう。
そしてこのような地元に於ける日常普段の選挙対策、あるいは選挙活動は今に始まったことではなく、また小渕優子が始めたことでもなく、何十年も前から始ままり、全国津々浦々行われて現在に至っている、先進国の中では日本独特の選挙活動もしくは選挙対策であろう。国会議員も落選したら、ただの人と言われている。ただの人とならないために、日本で選挙で勝つための優先的な方法となっている選挙活動、あるいは選挙対策に力を入れなければならない。
小渕優子は父親の小渕恵三から地盤・看板・鞄を受け継ぐと同時に、それらをフルに駆使した地元選挙活動・選挙対策も受け継いだのである。
言葉を替えて言うと、このような地元選挙対策・地元選挙活動は古典的手法でありながら、現在も続いている伝統芸と言うことができる。
何回も当選したベテラン議員となると、地元秘書を何人も雇い、雇われた地元秘書はやれ後援会会員の観劇だ、野球観戦だ、運動会だ、桜を見る会だ、ハイキングだと飛び回る。
そしてこういった行事で後援会員の歓心を買って会員として引き止めておくためには行事参加料の負担を可能な限り軽くすることも重要な要素となり、軽くした場合の不足を政治資金から補填しなければならないケースも生じることになる。
但しそうなったとしても、そこは巧みな錬金術で秘書が収支の辻褄を合わせるものだし、父親の地盤・看板・鞄を引き継いで資金は豊富なはずだが、何千万円という支出超過が見つかって、利益供与の疑いが出てきた。
よく聞く話だが、後援会費の肩代わりというのもあるらしい。誰かが個人的に行って後援会員を増やしたり、個人的な肩代わりに見せかけて、最終的に後援会資金から支払う形の肩代わりである。
後援会員の人数も国会議員にとっては実力を示す指標の一つとなるから、それなりの人数を確保しなければならない。
政治資金規正法違反も問題ではあるが、国会議員を取り巻く、地元のこういった古典的手法が伝統芸として罷り通る状況こそが何よりも問題ではないだろうか。
どう見ても、政治後進国の姿しか見えてこない。