TV「世界行ってみたらホントはこんな――」でのドイツ人と日本人の第2次世界大戦を拒絶する潔癖感の違い

2014-10-07 05:14:06 | Weblog


 10月1日テレビ放送「世界行ってみたらホントはこんなトコだった?ドイツに2時間で行った気になるSP」の録画をしておいたのを暇を見つけて観ていたら、「へーえ」と驚く生活上の慣習を知った。

 ドイツ人の若い女性案内人と共にレストランに入った庄司孝番組ディレクターが「エクスキューズ・ミー」と、右手を肩のところに上げて、その平を前に向けてビールを注文すると、次のように注意された。

 案内人の女性「ドイツでは手を差し出すのはヒトラーへの敬礼を表すため良くはありません。お店で注文するときは人差し指を立てるの一般的です」

 人差し指を1本だけ突き立てて店の者に向けて、声をかけることになっているらしい。

 このようにする程までにドイツは自ら起こした戦争に潔癖であろうとしているのだと驚いた。

 番組の最後の方でパネラーのお笑いタレント兼作詞・作曲家、俳優と多芸な狩野英孝が、「学校でもそうするのか」とゲストとして出演していた30代後半か40代前半のドイツ人女性に尋ねると、彼女は「学校もこうですねえ」と人差指を一本突き立てる手の格好を見せた。

 ゲスト・ドイツ人女性「法律で罰金が課せられているんですよ。右手もそうなんですけど、敢えて左手で大丈夫だろうとやった人も、結局逮捕されたので――」

 狩野英孝「バイバイはいいのですか」

 手の平を前に向けて振ってみせる。

 ゲスト・ドイツ人女性「「手を振るのはいいんです。こういうふうに」

 指を開いた状態の手をしてみせる。

 要するに指を閉じたままにした手を肩のところに上げた状態にすることはナチスの敬礼に見えるということで法律で禁止されているらしい。

 テロップで、『ナチスを連想させる敬礼は法律違反。違反者は3年以下の懲役もしくは罰金』と画面に出た。

 日本と比較して、ドイツのいつまでも第2次世界大戦を拒絶しようとする厳しい態度を見た気がした。

 確かにナチス・ドイツは、数説あるらしいが、500万人から600万人のユダヤ人、ポーランド人、その他を民族浄化の名の下、大量殺戮(ホローコスト)を行っている。その残酷さの点に於いて日本と比較にならないと言うだろうが、日本軍にしても戦争で敵兵のみならず敵国民間人をスパイだ、試し斬りだと数多く殺しただけではなく、捕虜虐待や、自国日本軍兵士の命を軽視する戦争の方法で多くの人間を殺し、敗走する際、民間人保護の責任と義務を捨てて置き去りにして見殺しにしたり、赤ん坊の泣き声が敵に知れて居場所が分かってしまうからと親に殺させたり、毒入りのミルクを飲ませたりして殺す非人道的行為をいくらでも犯している。

 それぞれの国の戦争に対する何よりの潔癖感の違いは自国戦争に対する総括をしたかどうかに現れているはずだ。ドイツは厳しい総括を行い、戦争時の自国を罰し、その姿をナチスに関わる出版物発行の禁止等で現在も受け継いでいる。

 だが、日本は総括を行わず、東京裁判でA級戦犯と断罪された日本の戦争指導者を靖国神社に祀り、英霊として顕彰し、参拝を繰返している

 この潔癖感の違いはどこから来ているのだろうか。

 当然のことなのか、この潔癖感のなさは現代日本社会でも受け継がれ、生きづくことになっている。

 旧日本軍の軍服が販売され、購入して、グループで着用して旧日本軍の威容を誇示するマニアがたくさん存在するという。

 その例が各国軍事グッズ販売店の展示販売イベントは賑わい、旧日本軍の軍服を着用した若者の姿が目立つという。

 旧日本軍兵士がその軍服をして何をしてきたのか、その歴史には頓着しないから、着用できる。いわば何ら潔癖感を持っていない。

 日本の国では戦前の負の歴史が、その負を雲散霧消させて戦後社会に野放しにされている。

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