次の記事、《経済統計「実態反映してない」改善へ議論》(NHK NEWS WEB/2015年12月12日 4時31分)がそういったバカではないかの状況を伝えている。
記事冒頭、〈個人消費や企業の設備投資などの動きを捉える政府の統計が、経済の実態を十分に反映しておらず、改める必要があるとして、統計について審議する内閣府の委員会〉が〈改善に向けた議論を始め〉たと解説している。
理由は複数の統計が実態を十分に反映していないという指摘が強まってきたからだという。
つまりそういう指摘がちらほら出てきて、次第に多くなってきたということなのか。
まさか政府に都合の悪い統計が多いから、少しでも都合のいい統計に持っていきたいという衝動からの指摘ではあるまいと思うが、安倍晋三の給与の低い非正規雇用の増加には触れずに雇用が増えた、雇用が増えたと自身に都合よく解釈した統計を吹聴するご都合主義の性癖からの何らかの圧力があってということも考えられないでもない。
上記指摘から、統計について審議する内閣府の統計委員会が12月11日から3つの統計を対象に改善に向けた議論を始めましたという。
3つとは――
総務省の「家計調査」
厚生労働省の「毎月勤労統計」
財務省の「法人企業統計」
「家計調査」とは国民生活の実態を知るため,家計の収入と支出の大きさと内容について毎月行われる実態調査だとネットに出ている。
「毎月勤労統計」とは賃金、労働時間及び雇用の変動を明らかにすることを目的とした調査だと同じくネットに出ている。
「法人企業統計」とは金融・保険業を除く営利法人の財務状況について調査した統計で、企業活動の実態の把握に用いられる統計だと同じくネット。
なぜ実態を十分に反映していないことになるのか、その原因を「毎月勤労統計」と「法人企業統計」に関しては調査対象を入れ替えるごとにデータのズレが生じるからだとしている。
これはごくごく当然のことだろう。調査対象毎に各家庭の収入の額や支出の額と支出項目が違ってくるだろうし、企業の財務状況にしても調査対象が違えば、財務の内容が違ってきて、答とする統計値も違ってくる。
だからと言って、調査対象を一定化すると、全体の趨勢を反映しないことになる。
総務省が行っている「家計調査」の場合は調査対象が高齢者に偏っていることからの見直しだそうだ。
高齢者を主体とした家計調査を国民全体に関する個人消費の動向を示す統計としてきたことになる。バカじゃないの。
調査対象を入れ替えるごとにデータのズレが生じるということなら、それは当然の事態なのだから、当然な事態として、このことを計算に入れて、年代別や収入別、職業別、業種別、資本金別等々、それぞれ個別毎に調査対象を幅広く複数求めると同時にそれぞれの調査対象を固定化することで、調査対象毎の個別的な統一的傾向を求めるた上で、そのような調査対象毎の個別的統一的傾向から全体的傾向を近似値となる数値を弾き出して全体的な統一的統計とする以外に方法はないのではないだろうか。
それがどうしても弾き出すことができないということなら、調査対象毎の統計を提示するしかない。
「家計調査」で言えば、調査対象を入れ替えるにしても収入別・年代別・家族数別・職業別の各個別毎の範囲に限って行い、個別毎の統計を提示する。
そうするしか、より正確な統計は出てこないはずだ。
そうすれば、我々国民は年収1千万以上で家族何人で職業が何の場合はこういった家計をしているのだな、800万から1千万の収入の場合はこういった家計なのだなと調査対象毎の平均のより正確な統計を知ることができる。
いずれにしても我々国民は国の機関から実態を反映していない統計を実態を反映した統計としてこれまで見せられてきた。詐欺ではないか。