◆リムパック2010とカナダ海軍創立100周年観艦式
海上自衛隊は本日、平成22年度米国派遣訓練の概要を発表しました。リムパック2010へ参加するとともに併せて派遣部隊はカナダ海軍創立百周年記念観艦式へ参加します。
今回の訓練への派遣艦は、あたご、あけぼの、もちしお以上三隻、かつて、一個護衛隊群護衛艦八隻に加えて潜水艦と補給艦を派遣していた事を考えると領海警備、海賊対処、弾道ミサイル防衛と実任務増大に伴うローテーションの厳しさというものが垣間見えてくる。ミサイル護衛艦あたご、は、あたご型の一番艦として2007年に就役した護衛艦で、イージスシステムを搭載し、艦隊防空にあたる護衛艦です。
あたご、は基準排水量7750㌧、満載排水量10000㌧、全長165㍍。ガスタービンエンジン四基の出力100000馬力により速力30ノットを発揮します。127㍉単装砲を筆頭に多種多様な装備を搭載、Mk41VLS96セルに各種ミサイルを搭載するとともに90式艦対艦誘導弾四連装発射器二基、324㍉三連装短魚雷発射管二基、20㍉CIWS二基等を搭載します。乗員310名、イージスシステムはベースライン7を搭載しています、必要に応じてヘリコプターを搭載可能。母港は舞鶴基地。
護衛艦あけぼの、は呉基地を母港とする汎用護衛艦。あけぼの、は、むらさめ型の八番艦として2002年に就役した護衛艦で。基準排水量4550㌧、満載排水量6200㌧、全長151㍍。ガスタービンエンジン四基の出力60000馬力により速力30ノットを発揮します。排水量は感染の大きさを占めるものなのですけれども、参加する護衛艦の数そのものは減っているものの、護衛艦一隻当たりの排水量は大型化して、航続距離などにも余裕は出ていると言えますね。
76㍉単装砲、アスロックSUM16発をMk41VLSに搭載し、Mk48VLSに射程60kmの発展型シースパローESSM艦対空ミサイルを搭載します。90式艦対艦誘導弾四連装発射器二基、324㍉三連装短魚雷発射管二基、20㍉CIWS二基等を搭載します。国産射撃管制装置FCS-2を搭載していて、更に近年ESSMを搭載したことで非常に高い個艦防空能力を持つ、とされています。SH-60J/K哨戒ヘリコプターを一機搭載可能で、必要に応じて予備の一機を搭載することが可能です。乗員は165名。
潜水艦もちしお、は、おやしお型潜水艦11番艦として2008年に就役しました。基準排水量2750㌧、水中排水量3500㌧、通常動力型潜水艦ではかなり大型です。全長82㍍、ディーゼルエンジン二基を搭載するディーゼルエレクトリック方式の潜水艦で、出力7700馬力。速力は20ノットを出すことが可能となっています。
533㍉魚雷発射管六門を有し、50kmの射程を有し高性能炸薬267kgを内蔵して大型艦をも圧し折る89式長魚雷を発車出来るほか、ハープーン対艦ミサイルの発射も可能となっています。もちしお、が、おやしお型最終艦となっていて、次の艦からはAIP潜水艦である、そうりゅう型へ整備計画は移行します。
派遣護衛艦部隊指揮官は、第一護衛隊群司令山下万喜海将補、あたご艦長大野敏弘1佐、あけぼの艦長西村正之2佐。乗員と司令部幕僚を合わせ隊員430名。派遣航空部隊指揮官は、第51飛行隊長降旗琢丸2佐、航空機三機と隊員70名。派遣潜水艦部隊指揮官は、もちしお艦長植田康照2佐と隊員90名。RIMPAC2010は6月23日から8月1日まで行われ、カナダ海軍創立百周年記念国際観艦式は、6月9日から14日にかけて実施されることとなっています。
行動予定について。護衛艦部隊は5月16日に横須賀基地を出航、27日から6月1日までパールハーバーに寄港、9日から14日までカナダのビクトリアに寄港し、22日から8月3日まで再度パールハーバーに寄港、16日に横須賀基地へ帰国します。航空部隊は6月22日に那覇航空基地を出発、22日から翌23日までアンダーソン基地に立ち寄り、23日から8月3日までカネオヘ基地にて訓練を実施、8月4日に帰国へと出発し10日までアンダーソン基地へ展開、8月10日に那覇航空基地へ帰国予定となっています。潜水艦部隊は5月31日に呉基地を出航、6月21日から8月5日までパールハーバーに寄港し、8月27日に呉基地へ帰国予定と発表されました。
HARUNA
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