◆8.20広島県豪雨災害(平成26年8月豪雨)
本日をもって8.20広島県豪雨災害(平成26年8月豪雨)は発生より一週間が経ちました。
土砂災害の発生を受けての広島県知事から陸上自衛隊第13旅団長への災害派遣要請が出されたのが20日0630時、自衛隊災害派遣も一週間を経たことになります。現在、自衛隊、警察、消防の3400名が行方不明者捜索に当たっていますが確認された犠牲者は71名となったと報じられています。
自衛隊の任務は行方不明者捜索と道路啓かいを最初の知事からの要請として開始しましたが、現在は被災者への避難所での入浴支援が野外入浴セットなどの装備品により実施されていまして、防疫任務も現在の広島市が被災地で車両などを展開できない場合、加わる可能性があるでしょう。
派遣部隊は、陸上自衛隊で第46普通科連隊、中部方面航空隊、第47普通科連隊、第13施設隊、第13後方支援隊、第13飛行隊、第305施設隊、第304施設隊、第17普通科連隊、第8普通科連隊、第13特殊武器防護隊。 海上自衛隊で呉造修補給所から要員が派遣され、活動中です。
26日2200時時点での自衛隊派遣規模は810名と車両185両に航空機5機で、延べ派遣人員5320名、延べ派遣車両1195両、延べ派遣航空機38機となり、不明者捜索は断続的な降雨によりたびたび中断を挟みつつも、昼夜兼行で実施中、とのこと。
終息の見通しは立っていません。何故ならば、行方不明者が発見できない限り土砂を重機で押し出して処分する事は出来ませんので作業は人力に頼るほかないわけです。被災者支援については県営住宅や雇用促進住宅に一時受け入れを行うことで避難所生活の解消を目指していますが、今少し時間を要するでしょう。
航空機による情報収集と二次災害対策ですが、常続的監視能力を考えますと中部方面情報隊の移動監視隊等が装備している広域用監視装置GOB-206、いわゆる千里眼のような装備を被災地を俯瞰可能な高地などに設置し、情報収集に役立てる、というような選択肢は採られるべきかもしれません。
他方、東日本大震災などでは資材運搬車ががれきに閉鎖された狭隘道路での輸送に活躍しましたが、広島消防が運用するスパキャットのような全地形車両なども連隊本部管理中隊等に装備されていれば、災害派遣に加え山岳戦や空中機動任務にも応用できるやもしれないところです。
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