◆戦闘機増強、バーターリース案
特集の”対領空侵犯措置任務と増大する緊急発進へ、量的強化の必要性”、前回までJAS-39の導入提案を行いましたが、改めて。
本論の主旨は、現在員急発進が異常な規模で増大している、という状況、冷戦時代最盛期と同じ水準まで増大していますが、冷戦時代、戦闘機はF-4EJが140機とF-104が230機生産され、作戦機に350機前後が配備されていた時代と比較し現在は280機まで削減されています。
F-35の配備を待っている状況ですが、F-35配備開始は2018年前後、部隊運用開始は2020年代まで待たなければならず、現状のまま国籍不明機の防空識別圏侵入が増大し続けた場合、訓練態勢への影響はもちろん、在日米空軍へ緊急発進の一部を代替する等非常措置が必要となりかねません。
戦闘機は不足しているがF-35の生産を待っているだけの時間が無い、仮に海外向けのF-35を緊急取得できたとして、整備体系と操縦要員養成には数年を要する、可能ならば現在の航空自衛隊装備体系にある航空機か、その延長線上にある機体を以て整備補給と教育訓練体系を応用できる機体が望ましいが、F-2は生産終了、F-15はJ型と現行生産のE型が別の機体、どうするか。
候補としまして、F-16の中古機をリースないし調達する、という方式を改めて。これまで示しましたJAS-39の利点は、JAS-39は整備補給負担を最大限簡略化した戦闘機であるため、新規導入したとしても整備補給の負担が他の機体よりも薄い、開発国スウェーデンが空軍余剰機をリース向けに準備しており導入まで早い、比較的安い、など利点がありました。しかし、併せてF-16は、F-2支援戦闘機の原型機であり、多少は整備面と教育面で融通が利き、旧式化しているF-4の後継機にも性能面で対応できるでしょう。
ここでF-16の中古機ですが、NATOの段階近代化改修が行われ、射程の大きいAMRAAM空対空ミサイル運用能力を持つ機体を導入する提案を行いたいのですが、その手段として、海上自衛隊のP-3C哨戒機をリースとして有償貸与し、その有償部分をF-16の現物と整備基盤として受け取る、というもの。
P-3C哨戒機は近年のテロとの戦いにおける洋上監視航空機として重要度合いが非常に高くなっていますが、我が国海上自衛隊はより高性能なP-1哨戒機を後継機として開発しており、開発試験を完了し実任務運用に向け運用試験が最終段階、近く後継機配備されP-3C哨戒機を置き換えることでこのP-3C哨戒機に余剰機が発生する可能性があります、海上自衛隊は近代化改修を継続的に行っており、性能面で問題は無く、輸出ではなくリースで、この機体をF-16と代用として用いる事は出来ないでしょうか。
NATOのF-16は米空軍とのデータリンクを前提とした改修が行われていますので、航空自衛隊とのデータリンクについて改修の余地があり、ベルギー、オランダ、ギリシャ、ノルウェー、デンマーク、ポルトガル、ポーランド、運用国は非常に多いのです。そしてP-3Cはドイツ、ノルウェー、ポルトガル、ギリシャなどで運用されており、旧式化したアトランティック哨戒機をフランス、ドイツ、オランダ、イタリア、が運用中です。
もっとも、前述の通り”対領空侵犯措置任務と増大する緊急発進へ、量的強化の必要性”とは喫緊の課題であり、P-3CとF-16をバーターリースする交渉を行うには時間が足りません、ただ、我が国としてもF-35導入を始め予算が足りませんので、バーターリースは予算面で検証の余地がある提案と言えるかもしれません。
他方、P-1の開発によりP-3Cを情報収集機として転用する計画もあり、またP-3Cの延命改修が行われP-1哨戒機の生産も当初計画ほど早く進んでいない現状がありますので現実味はますます薄まるのですが、NATOのF-16リースであればある程度予備部品備蓄も、少なくとも他の余剰F-16よりは期待でき、NATOの情報保全水準ならばP-3Cのリースにも期待できます。現実問題、戦闘機が不足しつつある状況ですので、解決策の一つ、検討の余地はあるように考えます。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
特集の”対領空侵犯措置任務と増大する緊急発進へ、量的強化の必要性”、前回までJAS-39の導入提案を行いましたが、改めて。
本論の主旨は、現在員急発進が異常な規模で増大している、という状況、冷戦時代最盛期と同じ水準まで増大していますが、冷戦時代、戦闘機はF-4EJが140機とF-104が230機生産され、作戦機に350機前後が配備されていた時代と比較し現在は280機まで削減されています。
F-35の配備を待っている状況ですが、F-35配備開始は2018年前後、部隊運用開始は2020年代まで待たなければならず、現状のまま国籍不明機の防空識別圏侵入が増大し続けた場合、訓練態勢への影響はもちろん、在日米空軍へ緊急発進の一部を代替する等非常措置が必要となりかねません。
戦闘機は不足しているがF-35の生産を待っているだけの時間が無い、仮に海外向けのF-35を緊急取得できたとして、整備体系と操縦要員養成には数年を要する、可能ならば現在の航空自衛隊装備体系にある航空機か、その延長線上にある機体を以て整備補給と教育訓練体系を応用できる機体が望ましいが、F-2は生産終了、F-15はJ型と現行生産のE型が別の機体、どうするか。
候補としまして、F-16の中古機をリースないし調達する、という方式を改めて。これまで示しましたJAS-39の利点は、JAS-39は整備補給負担を最大限簡略化した戦闘機であるため、新規導入したとしても整備補給の負担が他の機体よりも薄い、開発国スウェーデンが空軍余剰機をリース向けに準備しており導入まで早い、比較的安い、など利点がありました。しかし、併せてF-16は、F-2支援戦闘機の原型機であり、多少は整備面と教育面で融通が利き、旧式化しているF-4の後継機にも性能面で対応できるでしょう。
ここでF-16の中古機ですが、NATOの段階近代化改修が行われ、射程の大きいAMRAAM空対空ミサイル運用能力を持つ機体を導入する提案を行いたいのですが、その手段として、海上自衛隊のP-3C哨戒機をリースとして有償貸与し、その有償部分をF-16の現物と整備基盤として受け取る、というもの。
P-3C哨戒機は近年のテロとの戦いにおける洋上監視航空機として重要度合いが非常に高くなっていますが、我が国海上自衛隊はより高性能なP-1哨戒機を後継機として開発しており、開発試験を完了し実任務運用に向け運用試験が最終段階、近く後継機配備されP-3C哨戒機を置き換えることでこのP-3C哨戒機に余剰機が発生する可能性があります、海上自衛隊は近代化改修を継続的に行っており、性能面で問題は無く、輸出ではなくリースで、この機体をF-16と代用として用いる事は出来ないでしょうか。
NATOのF-16は米空軍とのデータリンクを前提とした改修が行われていますので、航空自衛隊とのデータリンクについて改修の余地があり、ベルギー、オランダ、ギリシャ、ノルウェー、デンマーク、ポルトガル、ポーランド、運用国は非常に多いのです。そしてP-3Cはドイツ、ノルウェー、ポルトガル、ギリシャなどで運用されており、旧式化したアトランティック哨戒機をフランス、ドイツ、オランダ、イタリア、が運用中です。
もっとも、前述の通り”対領空侵犯措置任務と増大する緊急発進へ、量的強化の必要性”とは喫緊の課題であり、P-3CとF-16をバーターリースする交渉を行うには時間が足りません、ただ、我が国としてもF-35導入を始め予算が足りませんので、バーターリースは予算面で検証の余地がある提案と言えるかもしれません。
他方、P-1の開発によりP-3Cを情報収集機として転用する計画もあり、またP-3Cの延命改修が行われP-1哨戒機の生産も当初計画ほど早く進んでいない現状がありますので現実味はますます薄まるのですが、NATOのF-16リースであればある程度予備部品備蓄も、少なくとも他の余剰F-16よりは期待でき、NATOの情報保全水準ならばP-3Cのリースにも期待できます。現実問題、戦闘機が不足しつつある状況ですので、解決策の一つ、検討の余地はあるように考えます。
北大路機関:はるな
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