■T-14アルマータvs自衛隊戦車
ロシア戦車T-14アルマータ、大陸の戦車に関してはどうしても関心を寄せてしまう個人的事情があります。まだ、不明瞭な写真のみのT-14アルマータ戦車ですが、この点について少し。
ロシア戦車への関心の背景、実は親戚の方で戦車11出身の方がいました。戦車11、我が帝国陸軍が終戦後千島列島に対するソ連軍の停戦協定違反の侵攻に際し、邦人退避支援を期し果敢に戦闘を展開した戦車第11連隊を示し、占守島ではソ連軍を一時的に撃退しています、祖父はソ満国境でソ連軍に武装解除され、ジュネーヴ条約違反の強制労働に従事されたれた話がありますので、どうしても大陸の戦車については関心を持たざるを得ない、ということ。
果たしてT-14に自衛隊の戦車は対抗できるのか。T-80,T-90の後継に当たる新戦車で、旧ソ連戦車伝統の低姿勢重視から砲塔を大型化し、稜線射撃能力の向上と火器管制装置の高度化を目指すと共に、機関砲運用の遠隔操作銃搭を搭載し対空戦闘能力を相応に重視しているといわれるもの写真では砲塔は大型化しているが、特に砲塔部分が細長形状に変更されており、発射速度に問題があったT-72以来のカセトカ自動装填装置からの脱却が図られている可能性がある。
興味深い点は車体前部のペリスコープ数で、操縦手用に加え少なくとももう一名程度分のペリスコープが確認できる、車体銃手用の位置に違いが車体銃そのものが確認できず、砲塔人員の一部が車体に移され砲塔の一部を自動化している可能性もある、ということ。自衛隊戦車は90式戦車以降、砲塔の脆弱性を自動装填装置の採用で、仮に貫徹された場合でもその区画を無人とすることで防御力に代えてきました。
この部分は戦車生存性に大きな影響を与え、戦車は装甲防御力よりも、仮に貫徹された場合にその区画の乗員へ致命的影響があるかが戦闘能力を左右するもので、無人化の推進有無は砲塔防御力と関係してきます。カセトカ式の場合は、乗員区画と弾薬庫が一体化していましたので、貫徹即撃破となっていましたが、新装填装置が我が国90式やフランスのルクレルクと同様ものも、人員弾薬離隔方式を採用していた場合、生存性が大きく変化します。
砲塔上部には遠隔操作銃搭と思われる突起が確認されるのですが、機関砲を搭載する対空戦闘システムという情報と一致するところ、ここはT-80以降ロシア戦車は主砲発射ミサイルに対空用が搭載されており、車長が対空照準器を操作している為、車長が遠隔操作銃搭を操作し対空戦闘を行うと共に索敵用と独立潜望鏡の機能を兼ねる方式が推測できるでしょう。
更に砲塔上部には大型のアンテナ形状のものが確認でき、これは対戦車ミサイルを迎撃するアレナアクティヴ防護システムの搭載が見て取れるもの。一方、車体部分にはサイドスカートが確認でき、前部から中央に掛け側面装甲と思われる形状が確認できるが、車体取り付け基部の装着部が簡略なものであることから、複合装甲ではなく中空装甲である可能性が高い、車体後部には同区画がスラッド装甲により防護されている事からHEAT弾対処を念頭とする防御である推測を裏付けられます。
もうひとつは、どの程度軽量化が為されており、我が国への脅威となるかという部分、そして車体後部機関部はT-80と比較し一見大型化しているが、区画全体は縮小しており、吸気系統の形状が上面からでなければ推測できない為、動力をガスタービンとしているかディーゼルとしているかは判別できません。この点は、五月に行われる対独戦勝記念行事において関越行進へ参加するでしょう戦車の公開を待ちたいところ。
まだまだ、その実像については未知数な部分が多く、そしてソ連崩壊後のロシア戦車開発については二転三転した部分がある為、試作車か先行量産戦車かなど画定情報が無い為、何とも言えない実情があるのですが、来月には対独戦勝記念行事へ展開する公算が高く、久々のロシア新戦車へ、興味は尽きません。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
ロシア戦車T-14アルマータ、大陸の戦車に関してはどうしても関心を寄せてしまう個人的事情があります。まだ、不明瞭な写真のみのT-14アルマータ戦車ですが、この点について少し。
ロシア戦車への関心の背景、実は親戚の方で戦車11出身の方がいました。戦車11、我が帝国陸軍が終戦後千島列島に対するソ連軍の停戦協定違反の侵攻に際し、邦人退避支援を期し果敢に戦闘を展開した戦車第11連隊を示し、占守島ではソ連軍を一時的に撃退しています、祖父はソ満国境でソ連軍に武装解除され、ジュネーヴ条約違反の強制労働に従事されたれた話がありますので、どうしても大陸の戦車については関心を持たざるを得ない、ということ。
果たしてT-14に自衛隊の戦車は対抗できるのか。T-80,T-90の後継に当たる新戦車で、旧ソ連戦車伝統の低姿勢重視から砲塔を大型化し、稜線射撃能力の向上と火器管制装置の高度化を目指すと共に、機関砲運用の遠隔操作銃搭を搭載し対空戦闘能力を相応に重視しているといわれるもの写真では砲塔は大型化しているが、特に砲塔部分が細長形状に変更されており、発射速度に問題があったT-72以来のカセトカ自動装填装置からの脱却が図られている可能性がある。
興味深い点は車体前部のペリスコープ数で、操縦手用に加え少なくとももう一名程度分のペリスコープが確認できる、車体銃手用の位置に違いが車体銃そのものが確認できず、砲塔人員の一部が車体に移され砲塔の一部を自動化している可能性もある、ということ。自衛隊戦車は90式戦車以降、砲塔の脆弱性を自動装填装置の採用で、仮に貫徹された場合でもその区画を無人とすることで防御力に代えてきました。
この部分は戦車生存性に大きな影響を与え、戦車は装甲防御力よりも、仮に貫徹された場合にその区画の乗員へ致命的影響があるかが戦闘能力を左右するもので、無人化の推進有無は砲塔防御力と関係してきます。カセトカ式の場合は、乗員区画と弾薬庫が一体化していましたので、貫徹即撃破となっていましたが、新装填装置が我が国90式やフランスのルクレルクと同様ものも、人員弾薬離隔方式を採用していた場合、生存性が大きく変化します。
砲塔上部には遠隔操作銃搭と思われる突起が確認されるのですが、機関砲を搭載する対空戦闘システムという情報と一致するところ、ここはT-80以降ロシア戦車は主砲発射ミサイルに対空用が搭載されており、車長が対空照準器を操作している為、車長が遠隔操作銃搭を操作し対空戦闘を行うと共に索敵用と独立潜望鏡の機能を兼ねる方式が推測できるでしょう。
更に砲塔上部には大型のアンテナ形状のものが確認でき、これは対戦車ミサイルを迎撃するアレナアクティヴ防護システムの搭載が見て取れるもの。一方、車体部分にはサイドスカートが確認でき、前部から中央に掛け側面装甲と思われる形状が確認できるが、車体取り付け基部の装着部が簡略なものであることから、複合装甲ではなく中空装甲である可能性が高い、車体後部には同区画がスラッド装甲により防護されている事からHEAT弾対処を念頭とする防御である推測を裏付けられます。
もうひとつは、どの程度軽量化が為されており、我が国への脅威となるかという部分、そして車体後部機関部はT-80と比較し一見大型化しているが、区画全体は縮小しており、吸気系統の形状が上面からでなければ推測できない為、動力をガスタービンとしているかディーゼルとしているかは判別できません。この点は、五月に行われる対独戦勝記念行事において関越行進へ参加するでしょう戦車の公開を待ちたいところ。
まだまだ、その実像については未知数な部分が多く、そしてソ連崩壊後のロシア戦車開発については二転三転した部分がある為、試作車か先行量産戦車かなど画定情報が無い為、何とも言えない実情があるのですが、来月には対独戦勝記念行事へ展開する公算が高く、久々のロシア新戦車へ、興味は尽きません。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)