北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

将来航空自衛隊練習機体系への一考察(第一回):航空作戦体系の基盤を構築する練習機

2015-04-25 23:59:35 | 防衛・安全保障
■将来練習機体系を考える
 航空自衛隊の将来航空機について、本特集では練習機に焦点を充てて討議してゆきます。

航空自衛隊の練習機、航空自衛隊は多数の航空機を、例えば戦闘機や早期警戒機に早期警戒管制機、偵察機、輸送機、空中給油輸送機等を以て防衛力を構成し、救難航空機や電子情報収集機に飛行点検機や特別輸送機など、多くの機種を装備し地上の整備補給能力や警戒管制部隊防衛力と体系化し、広大な国土を防衛する強力な抑止力を構成しています。

 そして、その航空機の要員を養成するのが練習機です。戦闘機の要員を養成するには、初等練習機による基本的な飛行と計器飛行に関する飛行訓練、練習機による高速飛行や計器飛行を行った上での高度な機動運用に関する飛行訓練や戦闘機戦闘訓練を行う、こうした上で戦闘機を用いての戦闘機戦闘訓練と機種転換を行い、節々で選抜の上操縦要員を養成するのです。

 戦闘機の要員養成は上記の通りでして、この方式以外、輸送機や早期警戒機の場合は基本操縦練習機としてビジネスジェットを練習機として用いていまして、救難機は実任務機をそのまま要員養成に用いているのですが、初等練習機は全ての際に用いるもので、ヘリコプター操縦要員であっても実は固定翼機である初等練習機による飛行教育を受けます。

 しかし、航空自衛隊の練習機は一部が大きく老朽化を迎えています。初等練習機は富士重工がT-7練習機を90年代後半に制式化し旧式化したT-3練習機を置き換えました、しかし、主力となるジェット機、T-4練習機は1985年に初飛行を経て量産が進められ、200機以上が生産されました、ブルーインパルスでも運用される機種もT-4です。

 T-4は中等練習機として必要な能力に特化し、練習機としてのみの性能を重視し設計したもので、その分取得費用を大きく抑え、練習機として操縦性もよく運動性はもちろん整備性も高く、傑作機といって過言ではありません。しかし、傑作機とはいっても1980年代の航空機で、こちらの老朽化が始まっていまして、そろそろ後継機の選定を考えねばなりません。
北大路機関:はるな
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コメント (4)
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