■南西諸島防衛の要衝
報道によれば防衛省は八月末に発表の来年度概算要求へ島嶼部防衛の新しい指針を盛り込む方針を示した、とのこと。
南西諸島の南端に近い八重山諸島は、尖閣諸島に近く、一方で沖縄本島からは距離があるため、これまで防衛上の要衝でありながら防備が航空自衛隊のレーダーサイトのみ、という状況にありました。過去、北朝鮮が八重山諸島近海を含む南西諸島へ弾道弾実験を行った際には、宮古島と石垣島へ沖縄救援隊が本土より派遣されています。
今回新編される部隊は、南西諸島南部宮古島へ配置される新部隊で、550名規模、具体的には350名規模の警備部隊と200名規模の地対艦ミサイル部隊及び高射特科部隊とされています。350名規模の警備部隊とは第4師団の対馬警備隊と同程度、200名規模のミサイル部隊とは、高射特科中隊と地対艦ミサイル中隊、それに最低限の評定装置などを含めた数でしょう。
沖縄本島には陸上自衛隊第15旅団が配置されており、改編以前の第1混成団時代には本島周辺を防空するホークミサイル部隊を主力として不発弾処理部隊と離島急患空輸部隊を中心に普通科中隊と重迫撃砲中隊が置かれる程度でしたが、南西諸島への脅威増大に伴い改編を受け今に至るところ。
第15旅団は現在は航空機約20機からなるヘリコプター隊と中距離多目的誘導弾や重迫撃砲を装備する普通科連隊、偵察隊に最新鋭の11式短距離地対空誘導弾や03式中距離地対空誘導弾を四個中隊装備しています高射特科連隊を有する強力な戦闘部隊へと改編されました。
しかし強化された第15旅団ですが、現状では沖縄本島より周辺の沖縄県島嶼部や鹿児島県島嶼部への部隊派遣を行うにはヘリコプターによる空輸を行う他ありません。しかし、大型のCH-47輸送ヘリコプターでは空輸能力に限界があるため、どうしても海上輸送を行うか、若しくは常駐態勢を採るほかありません。
このため、防衛省は、南西諸島南端の与那国島へ沿岸監視隊を置き、八重山諸島に警備部隊を、鹿児島県奄美大島へも警備部隊及びミサイル部隊の駐屯を計画してきました。地対艦ミサイルの配置により、ミサイル艇が常駐している体制と同等以上の、地対空ミサイル部隊の常駐により地対艦ミサイル連隊を航空攻撃から防護できる有効な防衛体制が構築できます。
有事の際には、北海道などから機甲部隊等強力な部隊を展開させる統合機動防衛力が整備へ前進しているところですが、大規模武力紛争を回避するためには最初の攻撃を相手に思いとどまらせることが重要です。この点で、仮に宮古島へ地対艦ミサイルを配置した場合、中国が一方的に領有権を主張し挑発を続ける尖閣諸島が宮古島からのミサイル射程内に収まり、相手に軍事的冒険を実行する大きなリスクを突き付けることが出来るでしょう。
北大路機関:はるな
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(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
報道によれば防衛省は八月末に発表の来年度概算要求へ島嶼部防衛の新しい指針を盛り込む方針を示した、とのこと。
南西諸島の南端に近い八重山諸島は、尖閣諸島に近く、一方で沖縄本島からは距離があるため、これまで防衛上の要衝でありながら防備が航空自衛隊のレーダーサイトのみ、という状況にありました。過去、北朝鮮が八重山諸島近海を含む南西諸島へ弾道弾実験を行った際には、宮古島と石垣島へ沖縄救援隊が本土より派遣されています。
今回新編される部隊は、南西諸島南部宮古島へ配置される新部隊で、550名規模、具体的には350名規模の警備部隊と200名規模の地対艦ミサイル部隊及び高射特科部隊とされています。350名規模の警備部隊とは第4師団の対馬警備隊と同程度、200名規模のミサイル部隊とは、高射特科中隊と地対艦ミサイル中隊、それに最低限の評定装置などを含めた数でしょう。
沖縄本島には陸上自衛隊第15旅団が配置されており、改編以前の第1混成団時代には本島周辺を防空するホークミサイル部隊を主力として不発弾処理部隊と離島急患空輸部隊を中心に普通科中隊と重迫撃砲中隊が置かれる程度でしたが、南西諸島への脅威増大に伴い改編を受け今に至るところ。
第15旅団は現在は航空機約20機からなるヘリコプター隊と中距離多目的誘導弾や重迫撃砲を装備する普通科連隊、偵察隊に最新鋭の11式短距離地対空誘導弾や03式中距離地対空誘導弾を四個中隊装備しています高射特科連隊を有する強力な戦闘部隊へと改編されました。
しかし強化された第15旅団ですが、現状では沖縄本島より周辺の沖縄県島嶼部や鹿児島県島嶼部への部隊派遣を行うにはヘリコプターによる空輸を行う他ありません。しかし、大型のCH-47輸送ヘリコプターでは空輸能力に限界があるため、どうしても海上輸送を行うか、若しくは常駐態勢を採るほかありません。
このため、防衛省は、南西諸島南端の与那国島へ沿岸監視隊を置き、八重山諸島に警備部隊を、鹿児島県奄美大島へも警備部隊及びミサイル部隊の駐屯を計画してきました。地対艦ミサイルの配置により、ミサイル艇が常駐している体制と同等以上の、地対空ミサイル部隊の常駐により地対艦ミサイル連隊を航空攻撃から防護できる有効な防衛体制が構築できます。
有事の際には、北海道などから機甲部隊等強力な部隊を展開させる統合機動防衛力が整備へ前進しているところですが、大規模武力紛争を回避するためには最初の攻撃を相手に思いとどまらせることが重要です。この点で、仮に宮古島へ地対艦ミサイルを配置した場合、中国が一方的に領有権を主張し挑発を続ける尖閣諸島が宮古島からのミサイル射程内に収まり、相手に軍事的冒険を実行する大きなリスクを突き付けることが出来るでしょう。
北大路機関:はるな
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