■北海道旅客鉄道鉄路2,552.0 km
ブルートレインが役割を終え北海道新幹線に引き継ぎ、大きな話題となった北海道の鉄道ですが、非常な危機に陥っているようです。

北海道旅客鉄道、JR北海道は国鉄分割民営化を継承した総営業キロ数2,552.0 kmの巨大鉄道会社です。しかし、巨大企業ではありますが全線の老朽化とともに車両近代化や地方路線維持へ赤字がかさみ、一部報道によればこのまま大規模な路線廃止を行わない場合、2019年度には債務超過に陥り、北海道全線で運行が不能となる衝撃の報道が為されました。

はやぶさ号が東京から新函館北斗へ向かう北海道新幹線開業が大きな話題となりました北海道の鉄道ですが、この北海道全体の路線を視てみましょう。JR北海道の路線は新幹線148.8 km、幹線5路線1,327.9 km、地方交通線8路線1,075.3 km、となっています。総駅数は427駅でこの内有人駅は102駅、残る駅は全て無人駅でして325駅となっています。

全線停止の危機、とは衝撃ですがこれはj-castニュースが2017/1/25日付で報じた“北海道のJR全線、3年後には運行不可能「JR北海道試算」報道の衝撃”との報道に基づくものです。しかし、赤字の要因はJR北海道の自己責任であるか、特に鉄道その他の経営努力という部分で、JR北海道が経営合理化に無関心であったかと問われればそうではありません。

国鉄分割民営化時に北海道内を運行した鉄道路線は21路線で営業距離3,176.6 km、加えて旅客船航路113.0 kmがありました。この内経営合理化のため過疎地路線を特定地方交通線等の整理としまして9路線843.9 kmを廃止しています。この距離は東北新幹線の東京駅新青森駅間が674.9 kmですので、実に東北新幹線を上回る距離を整理縮小した事となります。

廃線は2016年12月5日にも留萌本線の留萌駅と増毛駅間の16.7 kmが廃線となり、配線を惜しむ声などがNHKにより報じられましたが、100円の運賃を得るのに1900円近い赤字を強いられているとの厳しい状況も説明され、運賃へ反映させる事は基本的に不可能、単行列車の乗車率の低さが映像で象徴的に示され廃線されるもやむなしの観を報じました。

鉄道不振、“北海道のJR全線、3年後には運行不可能「JR北海道試算」報道の衝撃”には驚かされましたが、北海道では車両老朽化や車両火災事故に路盤不良による脱線事故の発生等経営の困難が顕在化した事故が多発していましたが、実は既に昨年のうちにJR北海道が路線の半分の維持が既に維持困難となっていたとの報道をご記憶の方も多いでしょう。

路線の半分の維持が既に維持困難、これは日本経済新聞が2016/11/18日付記事“JR北海道、全路線の半分「維持困難」”との報道を行ったものです。これによれば維持が困難な路線は10路線13線区の合計1237.2kmに上ります。併せて赤字幅は過去最大440億円との見通しが発表され、実質的に自治体等の支援が無ければ1237.2km廃線を示唆しました。

JR九州が黒字転換を果たし完全民営化を実現した2016年に、併せ家JR北海道の苦境が報じられたため、経営努力の不足は無いのか、との論調が発せられるのかもしれませんが沿線過疎化や冬季積雪、努力には限界があると共に、北海道経済は農業依存度が高く、貨物鉄道輸送がその生命線となり、安易に全てを廃線とする事は出来ず、何らかの新施策が必要である点は確か。

黒字路線は、千歳線と海峡線及び石勝線となっており、北海道の厳しい経営環境が見てとれます。現在検討されているのは、黒字路線以外をJR北海道支援へ国と自治体が出資する北海道高速鉄道との共同運航とし、更に赤字が進む路線については路線を自治体へ売却し、JRが車両を運行する線路と車両の上下分離方式による赤字補てんへの自治体の参画です。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
ブルートレインが役割を終え北海道新幹線に引き継ぎ、大きな話題となった北海道の鉄道ですが、非常な危機に陥っているようです。

北海道旅客鉄道、JR北海道は国鉄分割民営化を継承した総営業キロ数2,552.0 kmの巨大鉄道会社です。しかし、巨大企業ではありますが全線の老朽化とともに車両近代化や地方路線維持へ赤字がかさみ、一部報道によればこのまま大規模な路線廃止を行わない場合、2019年度には債務超過に陥り、北海道全線で運行が不能となる衝撃の報道が為されました。

はやぶさ号が東京から新函館北斗へ向かう北海道新幹線開業が大きな話題となりました北海道の鉄道ですが、この北海道全体の路線を視てみましょう。JR北海道の路線は新幹線148.8 km、幹線5路線1,327.9 km、地方交通線8路線1,075.3 km、となっています。総駅数は427駅でこの内有人駅は102駅、残る駅は全て無人駅でして325駅となっています。

全線停止の危機、とは衝撃ですがこれはj-castニュースが2017/1/25日付で報じた“北海道のJR全線、3年後には運行不可能「JR北海道試算」報道の衝撃”との報道に基づくものです。しかし、赤字の要因はJR北海道の自己責任であるか、特に鉄道その他の経営努力という部分で、JR北海道が経営合理化に無関心であったかと問われればそうではありません。

国鉄分割民営化時に北海道内を運行した鉄道路線は21路線で営業距離3,176.6 km、加えて旅客船航路113.0 kmがありました。この内経営合理化のため過疎地路線を特定地方交通線等の整理としまして9路線843.9 kmを廃止しています。この距離は東北新幹線の東京駅新青森駅間が674.9 kmですので、実に東北新幹線を上回る距離を整理縮小した事となります。

廃線は2016年12月5日にも留萌本線の留萌駅と増毛駅間の16.7 kmが廃線となり、配線を惜しむ声などがNHKにより報じられましたが、100円の運賃を得るのに1900円近い赤字を強いられているとの厳しい状況も説明され、運賃へ反映させる事は基本的に不可能、単行列車の乗車率の低さが映像で象徴的に示され廃線されるもやむなしの観を報じました。

鉄道不振、“北海道のJR全線、3年後には運行不可能「JR北海道試算」報道の衝撃”には驚かされましたが、北海道では車両老朽化や車両火災事故に路盤不良による脱線事故の発生等経営の困難が顕在化した事故が多発していましたが、実は既に昨年のうちにJR北海道が路線の半分の維持が既に維持困難となっていたとの報道をご記憶の方も多いでしょう。

路線の半分の維持が既に維持困難、これは日本経済新聞が2016/11/18日付記事“JR北海道、全路線の半分「維持困難」”との報道を行ったものです。これによれば維持が困難な路線は10路線13線区の合計1237.2kmに上ります。併せて赤字幅は過去最大440億円との見通しが発表され、実質的に自治体等の支援が無ければ1237.2km廃線を示唆しました。

JR九州が黒字転換を果たし完全民営化を実現した2016年に、併せ家JR北海道の苦境が報じられたため、経営努力の不足は無いのか、との論調が発せられるのかもしれませんが沿線過疎化や冬季積雪、努力には限界があると共に、北海道経済は農業依存度が高く、貨物鉄道輸送がその生命線となり、安易に全てを廃線とする事は出来ず、何らかの新施策が必要である点は確か。

黒字路線は、千歳線と海峡線及び石勝線となっており、北海道の厳しい経営環境が見てとれます。現在検討されているのは、黒字路線以外をJR北海道支援へ国と自治体が出資する北海道高速鉄道との共同運航とし、更に赤字が進む路線については路線を自治体へ売却し、JRが車両を運行する線路と車両の上下分離方式による赤字補てんへの自治体の参画です。
北大路機関:はるな くらま
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