■核シェアリングを提唱!
核武装に関する議論が公然と野党第一党を狙う政党の代表から聞かれるようになったというのは、時代も変わったなあというところなのでしょうね。
ロイター通信のロイターインタビューにおきまして“野党第一党を伺う勢いの日本維新の会・馬場伸幸代表はロイターとのインタビューで、党として政策提言した「核共有(核シェアリング)」の議論を進めるべきとの考えを改めて示した。”という、かなり驚くべき内容が示されていました。翌日の朝刊トップ独占か、と思うとそうでもなく逆に驚いたが。
核兵器、この驚くべき内容がロイター通信により掲載されたのは2023年6月29日5:43 午後となっていまして、“核共有は拡大抑止を強化する安全保障政策の1つだが、岸田文雄首相が目指す核廃絶につながる”という独自の視点で政策論を展開しています。もっとも日本維新の会は2022年にもニュークリアシェアリングを政府に提案したとしています。
ニュークリアシェアリング、“馬場氏はロイターに対し、核拡散防止条約(NPT)で保有を認められた5大国が他国と核を共有できるようにすれば、「新しく核を作らせないという道に進むと思う」と説明”したとのことでした。もっとも、核兵器を使える国を一つでも多くしてゆく態勢が核廃絶に進むのかについては個人的に賛同できないところが有ります。
この上で“「核シェアリングを議論することが、核廃絶へ向けた1つの通過点になる」と指摘。「できれば、日米韓で(議論を)やったほうがいい」”とロイターインタビューは続いています。ニュークリアシェアリングについて誤解があるなあ、と感じる。もっとも馬場代表は核シェアリングと表現、ニュークリアシェアリングではないのかもしれない。
ニュークリアシェアリングと米英ポラリス交換協定を誤解しているのではないか、と。ただ、ポラリス交換協定を日本とアメリカで結ぶ場合は、予算面だけで技術的や開発能力は別としても日本自身が核開発を行う構図が必要となり、恐らく日本世論として受け入れる余地はないでしょう。なにより国内で核実験場を誘致してくれそうな自治体がありません。
ポラリス交換協定、日本維新の会が提唱しているシェアリング、核抑止力として機能する核兵器の共有はニュークリアシェアリングではなく、大陸間弾道弾の運搬技術を整備しない代わりにアメリカに依存する、という方式を用いることから、戦略ミサイル原潜の搭載核兵器のアメリカ製装備への依存を交換と言い換えたこの方式が当てはまるでしょう。
冷戦時代のNATO以外ではニュークリアシェアリングという言葉は存在しませんので、NATOのニュークリアシェアリングを連想して日本維新の会では構想したのでしょう日本型の核抑止について。もともとニュークリアシェアリングは策源地攻撃に核弾頭を用いるのではなく、自国内での使用に限定して提供された核兵器を使用するという前提です。
西ドイツを例に挙げるとわかりやすいのですが、フルダギャップなど、一カ所の重要な地形をソ連軍の戦車軍団に突破された場合、パリやロッテルダダムなど、アメリカから増援部隊を受け入れる為に重要な港湾都市まで一気にソ連軍に占領されてしまう可能性がありました、すると通常の機甲師団で阻止できない場合、究極の選択が必要になるわけです。
戦術核兵器を西ドイツ国内のどこかで使用しなければNATO全体が敗北しかねない、という状況に陥ったと仮定します。仮定といっても実際にオペレーションリサーチにより恐らく使用する場所をかなり絞り込んでいたようでしが、ここにNATOが核攻撃を行う場合、恐らく少なくない西ドイツ国民が核攻撃の巻き添えを強いられるのです。
NATOが西ドイツに核攻撃を行えば西ドイツ国民とNATOの関係が悪化する、だからこそNATOはニュークリアシェアリングとして西ドイツ軍と核兵器を共有させる構図をとりまして使いたいときに使わせるのではなくNATOが核兵器を西ドイツ国内で使用する必要が有るとした場合にドイツ人の生命を左右する問題はドイツ人に、という構図なのだ。
ニュークリアシェアリングは、ソ連軍がボンやベルリンを核攻撃した際に報復にモスクワを攻撃させるための核兵器を供与する、というものではありません。他方で自衛隊の防衛力を見ますと、北海道が全域執られて東北地方から東京に侵攻されるような戦略機動は、ロシア軍には不可能ではないか、と思うのです。中国も九州全域を押えて東京、は遠い。
東京を核攻撃させない為の抑止力としてニュークリアシェアリング、というならばモスクワと北京に平壌を射程に収める核兵器が必要となりまして、これはもうニュークリアシェアリングの領域を超えているように思うのです。それならば日本維新の会としては小手先議論ではなく、日本の核武装を真剣に考える、と改めて公約してははどうかと、思うのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
核武装に関する議論が公然と野党第一党を狙う政党の代表から聞かれるようになったというのは、時代も変わったなあというところなのでしょうね。
ロイター通信のロイターインタビューにおきまして“野党第一党を伺う勢いの日本維新の会・馬場伸幸代表はロイターとのインタビューで、党として政策提言した「核共有(核シェアリング)」の議論を進めるべきとの考えを改めて示した。”という、かなり驚くべき内容が示されていました。翌日の朝刊トップ独占か、と思うとそうでもなく逆に驚いたが。
核兵器、この驚くべき内容がロイター通信により掲載されたのは2023年6月29日5:43 午後となっていまして、“核共有は拡大抑止を強化する安全保障政策の1つだが、岸田文雄首相が目指す核廃絶につながる”という独自の視点で政策論を展開しています。もっとも日本維新の会は2022年にもニュークリアシェアリングを政府に提案したとしています。
ニュークリアシェアリング、“馬場氏はロイターに対し、核拡散防止条約(NPT)で保有を認められた5大国が他国と核を共有できるようにすれば、「新しく核を作らせないという道に進むと思う」と説明”したとのことでした。もっとも、核兵器を使える国を一つでも多くしてゆく態勢が核廃絶に進むのかについては個人的に賛同できないところが有ります。
この上で“「核シェアリングを議論することが、核廃絶へ向けた1つの通過点になる」と指摘。「できれば、日米韓で(議論を)やったほうがいい」”とロイターインタビューは続いています。ニュークリアシェアリングについて誤解があるなあ、と感じる。もっとも馬場代表は核シェアリングと表現、ニュークリアシェアリングではないのかもしれない。
ニュークリアシェアリングと米英ポラリス交換協定を誤解しているのではないか、と。ただ、ポラリス交換協定を日本とアメリカで結ぶ場合は、予算面だけで技術的や開発能力は別としても日本自身が核開発を行う構図が必要となり、恐らく日本世論として受け入れる余地はないでしょう。なにより国内で核実験場を誘致してくれそうな自治体がありません。
ポラリス交換協定、日本維新の会が提唱しているシェアリング、核抑止力として機能する核兵器の共有はニュークリアシェアリングではなく、大陸間弾道弾の運搬技術を整備しない代わりにアメリカに依存する、という方式を用いることから、戦略ミサイル原潜の搭載核兵器のアメリカ製装備への依存を交換と言い換えたこの方式が当てはまるでしょう。
冷戦時代のNATO以外ではニュークリアシェアリングという言葉は存在しませんので、NATOのニュークリアシェアリングを連想して日本維新の会では構想したのでしょう日本型の核抑止について。もともとニュークリアシェアリングは策源地攻撃に核弾頭を用いるのではなく、自国内での使用に限定して提供された核兵器を使用するという前提です。
西ドイツを例に挙げるとわかりやすいのですが、フルダギャップなど、一カ所の重要な地形をソ連軍の戦車軍団に突破された場合、パリやロッテルダダムなど、アメリカから増援部隊を受け入れる為に重要な港湾都市まで一気にソ連軍に占領されてしまう可能性がありました、すると通常の機甲師団で阻止できない場合、究極の選択が必要になるわけです。
戦術核兵器を西ドイツ国内のどこかで使用しなければNATO全体が敗北しかねない、という状況に陥ったと仮定します。仮定といっても実際にオペレーションリサーチにより恐らく使用する場所をかなり絞り込んでいたようでしが、ここにNATOが核攻撃を行う場合、恐らく少なくない西ドイツ国民が核攻撃の巻き添えを強いられるのです。
NATOが西ドイツに核攻撃を行えば西ドイツ国民とNATOの関係が悪化する、だからこそNATOはニュークリアシェアリングとして西ドイツ軍と核兵器を共有させる構図をとりまして使いたいときに使わせるのではなくNATOが核兵器を西ドイツ国内で使用する必要が有るとした場合にドイツ人の生命を左右する問題はドイツ人に、という構図なのだ。
ニュークリアシェアリングは、ソ連軍がボンやベルリンを核攻撃した際に報復にモスクワを攻撃させるための核兵器を供与する、というものではありません。他方で自衛隊の防衛力を見ますと、北海道が全域執られて東北地方から東京に侵攻されるような戦略機動は、ロシア軍には不可能ではないか、と思うのです。中国も九州全域を押えて東京、は遠い。
東京を核攻撃させない為の抑止力としてニュークリアシェアリング、というならばモスクワと北京に平壌を射程に収める核兵器が必要となりまして、これはもうニュークリアシェアリングの領域を超えているように思うのです。それならば日本維新の会としては小手先議論ではなく、日本の核武装を真剣に考える、と改めて公約してははどうかと、思うのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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