■■■防衛フォーラム■■■
今回は空軍関連11の話題をお伝えしましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/86/df1a60932416c8385efca1979cf1247d.jpg)
アメリカ国防総省はボーイング社へ2億4500万ドルのKC-46A空中給油機問題是正を要求し、これまでの問題是正費用を加えるとボーイング社は70億ドルの特別損失を抱えることとなりました。アメリカ国防総省の是正勧告はアメリカ国務省を通じて航空自衛隊やイスラエル空軍など同盟国友好国へ有償軍事供与した機体への改修など是正費用を含みます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/24/86224a2baf3eab6e47250f02b71c4f65.jpg)
KC-46A空中給油機、今回の問題も過去の問題と同じくボーイング社の品質管理問題です。具体的には機体中央燃料タンク内塗装と下塗り塗装手順が規格外となっており、同時期に製造されたボーイング767でも同様の問題が確認、この状態で燃料を入れれば塗料が溶け出し、汚染された燃料によりエンジンや燃料系統が破損する危険性があるとのことでした。
■タイフーン戦闘機用ECRS-Mk2
AESA方式レーダーはF-2では早々と完成し不具合もあまり聞かない故に1990年代の日本の技術は凄かったんだなあ、と。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/cf/22378b95c6ad215864bd609ffe1ab2cf.jpg)
イギリス空軍タイフーン戦闘機用ECRS-Mk2レーダーの搭載試験がまもなく開始されるとのこと。ECRS-Mk2レーダーとはAESA方式の欧州共通レーダーシステムとして開発を進めていたもので、今回その試作レーダーが完成し製造を担当するレオナルド社からタイフーン戦闘機の組み立てを担当するBAEシステムズ社へ納入されることとなりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/5e/4559b70a23fe3d97ccb029650b4a8c73.jpg)
ECRS-Mk2レーダーはMFA多機能アレイ方式という索敵と並行して目標捕捉追尾能力を持つもので、これによりタイフーン戦闘機の防空能力が今後数十年間にわたり第一線水準を維持できるとのこと。ECRS-Mk2レーダーの機上試験は2024年より開始され、また日本やイタリアと開発するGCAPグローバル戦闘機プログラムにも採用が期待されます。
■トルコ開発中TF-X戦闘機
F-35がロシア製地対空ミサイルシステムの関係から導入できなくなったための代案でしたが初飛行の後の話がなかなか進まない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/1b/251c5b76ef4d969ec30be6bb8f9b4188.jpg)
トルコが開発中のTF-X戦闘機は開発費用と量産費用が上昇するとしてトルコ国内政治の新しい論点となっています。元々TF-X戦闘機はトルコが独自に開発する第五世代戦闘機として、十分に性著したトルコの先端航空技術開発能力と勤勉で比較的安いなトルコ労働力を組み合わせることで第五世代機としてはかなり割安な戦闘機として開発が進行中です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/46/accc0aa3cc9b95ddd7b703176efa1b54.jpg)
TAIトルコ航空宇宙産業のテメルコティルCEOは、割安という点で2021年3月の段階ではテレビインタビューでの概算として一機一億ドルという数字を示していました。しかし2023年5月、初飛行の段階が近づくとともにテメルコティルCEOは、一定程度高くなる、としています。これに合わせトルコ空軍は年間調達数を20機と若干の下方修正しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/8b/8105ba031e05baef54df3f2a36f04927.jpg)
TF-X戦闘機、2029年までに評価試験を完了し量産へ移行する計画で、月産2機を構想しています。この為トルコ空軍は年間24億ドルをTF-X戦闘機調達予算として想定していますが、量産費用高騰により17%調達数を縮小することとなります。なおTF-X戦闘機の開発にはイギリスのBAE社が技術協力、ロールスロイスもエンジンで協力しています。
■スカイガーディアン
平時の警戒監視用には有用でしょうがF-16Vのほうが有事には威力を発揮しそうにも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/60/8024027f48c75ef672678121f2095e0a.jpg)
中華民国台湾はMQ-9Bスカイガーディアン無人機調達に関する2億1762万ドル規模の契約を結びました。この契約はアメリカ無人機大手カリフォルニア州のゼネラルアトミクスエアロノーティカルシステムズ社との間で結ばれたもので中華民国台湾政府とTECROアメリカ国務省台北駐米経済文化代表部との間で了承された防衛装備品の供与となります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/3e/44a65995120cb69c571afb50835b5d20.jpg)
2億1762万ドルの契約は、MQ-9B無人機4機と関連機材、地上基地局2基と移動式管制装置2基、及び整備機材と予備部品の費用となっています。関連機材にはMX-20マルチスペクトルターゲティング装置とSAGE-750電子情報収集装置、AN/PYQ-10C暗号通信装置などが含まれています。なおこの2億1762万ドルというのは上限金額とのこと。
■コンパスコール電子戦機
自衛隊は巨大なRC-2を揃える方針ですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/e7/98dac1d660defe311af5735e2980f844.jpg)
イタリア空軍は新型のコンパスコール電子戦機を当面2機導入、オプションで3号機を計画します。これはイタリアが既に導入計画を進めているガルフストリームG550ビジネスジェット6機を基に開発する派生型で、イタリア空軍では2022年にガルフストリームG550ビジネスジェットの機体を基に早期警戒機と電子戦機を改修して取得すると発表しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/11/d6a43aeb97b2a7aa4aa1c7ab0b1000bb.jpg)
EC-37コンパスコール電子戦機は、アメリカのEC-130H電子作戦機が搭載する電子装備を移植したもので、原型機がガルフストリームG550ビジネスジェットとC-130輸送機では全く異なることから慎重に調整が進められています。イタリア空軍はこの改造費用として12億2000万ユーロを投じ、あたらしい早期警戒機と電子戦機部隊を整備する構想です。
■KF-21ボラメ戦闘機
第二北大路機関に掲載するとどうしてもこうしたインポート記事としての紹介はファントム並に遅くなるのが難点です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/ec/1bffc8ccbae201088fac0398337319c7.jpg)
韓国とインドネシアが共同開発を進めるKF-21ボラメ戦闘機の複座型が初飛行を果たしました、ボラメ戦闘機複座型の初飛行は2月20日に行われ、離陸から34分間の飛行を終えて無事着陸したとの事です。このほか、ボラメ戦闘機では新型のAESAレーダー搭載型の飛行試験も準備が進められており、数年内の量産開始へ大きく前進しているところ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/74/5490b541ff877aaad5a4c6e054724ebf.jpg)
ボラメ戦闘機は続いて空対空ミサイル発射試験に成功しており、第五世代戦闘機のような機体内にステルス性を意識した兵装庫を配置するのではなく機体外部に埋め込む方式という革新性を敢えて排した設計ながら、第一線戦闘機としての能力構築への評価試験を順調に進めており、改良型では機内に兵装庫を配置しステルス性を高める計画もあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/89/f867c112f0c7105517e16ed2fca8cf9b.jpg)
KF-21ボラメ戦闘機の複座型について、開発を担当するKAI韓国国際航空産業ではパイロット練習用を主たる用途として発表していますが、一方で近年の戦闘機には後部に兵装士官を同乗させ、搭乗する戦闘機ではなく複数の無人機を同時完成させMUM有人無人運用を実施する事例があります、ボラメは将来改良型開発も予定されており注目の機種です。
■イラクL-159T1軽戦闘機
多種多様な機種の空軍を支える為に練習機は大変だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/fc/a6d800eab2a74604694890b41835c982.jpg)
イラク空軍はチェコ製L-159T1軽戦闘機の導入計画を完了しました。L-159T1軽戦闘機はチェコスロバキアが冷戦時代に開発したL-129アルバトロス高等練習機の拡大改良型で、チェコのアエロヴォドホディ社が製造しています、この航空機は2003年までに72機が量産され生産終了となっていましたが、イラクからの発注を受け製造が再開されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/56/a65ef7668fba77ea665ec49b98c319a9.jpg)
L-159T1軽戦闘機のイラク空軍導入数は12機となります。ただ、不思議なことにイラク空軍はこれとは別に韓国製T-50高等練習機を24機運用中です、そして中国からはJF-17戦闘機12機を発注しており、一方で空軍の主力戦闘機は34機のF-16戦闘機と25機のSu-25攻撃機です。イラク戦争後の新生イラク空軍は調達計画が多機種化しているもよう。
■CC-330戦略輸送機
カナダは本土が危険に曝される事は中長期的にはないのですが国際情勢の不安定化が及ぶ前に対応する心構え。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/94/108b3116c3cf2ae239ef24f2e8943b4c.jpg)
カナダ空軍は導入するCC-330戦略輸送機の内1機をVIP輸送機として運用します。CC-330戦略輸送機はもともと民間機として運用されていたエアバスA-330旅客機の名称であり、先ず2機を1億0200万ドルにて取得しており続いて更に4機を導入し6機体制を目指しているとのことで、このうち初号機がフランスでの再塗装を終えロールアウトした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/62/f5d982c7bffc7eacc627a816a7557ef8.jpg)
CC-330戦略給油輸送機初号機は純白の上面と濃紺の下面の中央部にカナダを示す朱色のストライプを配置した、軍用輸送機というよりは要人輸送機を連想させる塗装を採用していて、人道支援や軍事任務での部隊輸送か政府職員輸送、貨物輸送と医療搬送などを任務としています。そしてVIPキャビン区画の整備計画が立てられているとのことでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/a9/def99a8e4c29729a732baa3ad3674ea1.jpg)
VIP輸送機、ただ現在取得されている2機については旅客機区画をそのまま残すことで人員輸送に充てることを想定しており、VIP区画の整備計画は追加発注された機体を対象に検討しているとの事です。カナダ空軍には現在、VIP専用機はありませんが日本の政府専用機のように旅客機転用人員輸送機をVIP専用機としても運用する計画なのでしょう。
■F-16戦闘機の耐用年数延
F-16はアメリカ空軍での運用異常に同盟国と友好国へ教育支援や装備支援で供与できるという部分もかなり大きいのではないか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/ac/370402041cdd35b4981d37a802e12faf.jpg)
アメリカ空軍は間もなく運用開始50年となるF-16戦闘機の耐用年数延長プログラムを実施中です。F-16戦闘機の運用開始は1978年で2023年は運用開始45年を迎えます、評価試験を行う第79戦闘飛行隊ではF-16を飛行させ続ける事だけではなく、第一線での厳しい運用環境に適合させることを念頭に改良作業を進めているとされています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/8f/0cf0164f4d1c2274d20c42f1a9377bc1.jpg)
4プラス1という、アメリカ空軍では次世代戦闘機の補完に現用戦闘機を当たらせる新しいハイローミックスを模索しており、その一環の耐用年数延長プログラムでは、レーダの換装を第一に実施しており、現在第20戦闘航空団のF-16戦闘機22機に新型のAPG-83レーダーを搭載、索敵能力と索敵距離を大幅に向上させる取り組みが進められています。
■マレーシアFA-50戦闘機
F-16もF/A-18も高性能化の代償で高くなりすぎて中国製戦闘機を政治的に導入できない諸国にFA-50は有何時に近い選択肢だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/ff/211bcb8ce343457b6c75c03f6040c277.jpg)
マレーシア空軍は次期軽戦闘機として韓国製FA-50戦闘機を選定しました。導入されるFA-50は改良型のFA-50block20となる計画です。マレーシア空軍は主力戦闘機とは別にホーク練習機を原型としたホーク100軽戦闘機を運用してきましたが、この老朽化により新しい戦闘機を必要としていました、それもそれほど高価では無い機種が求められた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/9d/00a95007000e989e6adf3b9208654a7a.jpg)
FA-50戦闘機は18機が9億2000万ドルで韓国より輸出される計画で、これはLIMA2023国際航空宇宙海上防衛展において契約に至ったものです。この計画のもう一つの要諦はFA-50の製造を受け持つ韓国国際航空工業KAIがノックダウン生産を認めたことにあり、先ず2026年に最初の4機を納入したのち、残る機体はマレーシアで組み立てられます。
■イギリス空軍A-400M
C-2輸送機ももう少し輸出を考えるべきだったのですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/4e/6c0d892bed17ca0580dd52b48090ca15.jpg)
イギリス空軍はエアバスA-400M輸送機22号機を受領し導入計画を完了しました。A-400M輸送機はちょうど22号機納入の一か月前に世界を騒がせたスーダン政変においても救出任務へ活躍しており、A-400M輸送機はスーダン国内各所の飛行場から2200名の政府職員及び協力者や優先退避者を危険な戦闘地域から国外へ運び出しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/da/3bba4e362775e80c2e5444877d5662fb.jpg)
A-400M輸送機について、イギリスではより輸送力の大きなアメリカ製C-17輸送機を運用しています、しかしC-17の装備数は限られており、22機というまとまった数が配備されているA-400M輸送機は、今後イギリスが導入するボクサー装輪装甲車はじめ多種多様な装備の空輸能力を持つこともあり、重要な戦力投射手段と位置付けられています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は空軍関連11の話題をお伝えしましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/86/df1a60932416c8385efca1979cf1247d.jpg)
アメリカ国防総省はボーイング社へ2億4500万ドルのKC-46A空中給油機問題是正を要求し、これまでの問題是正費用を加えるとボーイング社は70億ドルの特別損失を抱えることとなりました。アメリカ国防総省の是正勧告はアメリカ国務省を通じて航空自衛隊やイスラエル空軍など同盟国友好国へ有償軍事供与した機体への改修など是正費用を含みます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/24/86224a2baf3eab6e47250f02b71c4f65.jpg)
KC-46A空中給油機、今回の問題も過去の問題と同じくボーイング社の品質管理問題です。具体的には機体中央燃料タンク内塗装と下塗り塗装手順が規格外となっており、同時期に製造されたボーイング767でも同様の問題が確認、この状態で燃料を入れれば塗料が溶け出し、汚染された燃料によりエンジンや燃料系統が破損する危険性があるとのことでした。
■タイフーン戦闘機用ECRS-Mk2
AESA方式レーダーはF-2では早々と完成し不具合もあまり聞かない故に1990年代の日本の技術は凄かったんだなあ、と。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/cf/22378b95c6ad215864bd609ffe1ab2cf.jpg)
イギリス空軍タイフーン戦闘機用ECRS-Mk2レーダーの搭載試験がまもなく開始されるとのこと。ECRS-Mk2レーダーとはAESA方式の欧州共通レーダーシステムとして開発を進めていたもので、今回その試作レーダーが完成し製造を担当するレオナルド社からタイフーン戦闘機の組み立てを担当するBAEシステムズ社へ納入されることとなりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/5e/4559b70a23fe3d97ccb029650b4a8c73.jpg)
ECRS-Mk2レーダーはMFA多機能アレイ方式という索敵と並行して目標捕捉追尾能力を持つもので、これによりタイフーン戦闘機の防空能力が今後数十年間にわたり第一線水準を維持できるとのこと。ECRS-Mk2レーダーの機上試験は2024年より開始され、また日本やイタリアと開発するGCAPグローバル戦闘機プログラムにも採用が期待されます。
■トルコ開発中TF-X戦闘機
F-35がロシア製地対空ミサイルシステムの関係から導入できなくなったための代案でしたが初飛行の後の話がなかなか進まない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/1b/251c5b76ef4d969ec30be6bb8f9b4188.jpg)
トルコが開発中のTF-X戦闘機は開発費用と量産費用が上昇するとしてトルコ国内政治の新しい論点となっています。元々TF-X戦闘機はトルコが独自に開発する第五世代戦闘機として、十分に性著したトルコの先端航空技術開発能力と勤勉で比較的安いなトルコ労働力を組み合わせることで第五世代機としてはかなり割安な戦闘機として開発が進行中です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/46/accc0aa3cc9b95ddd7b703176efa1b54.jpg)
TAIトルコ航空宇宙産業のテメルコティルCEOは、割安という点で2021年3月の段階ではテレビインタビューでの概算として一機一億ドルという数字を示していました。しかし2023年5月、初飛行の段階が近づくとともにテメルコティルCEOは、一定程度高くなる、としています。これに合わせトルコ空軍は年間調達数を20機と若干の下方修正しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/8b/8105ba031e05baef54df3f2a36f04927.jpg)
TF-X戦闘機、2029年までに評価試験を完了し量産へ移行する計画で、月産2機を構想しています。この為トルコ空軍は年間24億ドルをTF-X戦闘機調達予算として想定していますが、量産費用高騰により17%調達数を縮小することとなります。なおTF-X戦闘機の開発にはイギリスのBAE社が技術協力、ロールスロイスもエンジンで協力しています。
■スカイガーディアン
平時の警戒監視用には有用でしょうがF-16Vのほうが有事には威力を発揮しそうにも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/60/8024027f48c75ef672678121f2095e0a.jpg)
中華民国台湾はMQ-9Bスカイガーディアン無人機調達に関する2億1762万ドル規模の契約を結びました。この契約はアメリカ無人機大手カリフォルニア州のゼネラルアトミクスエアロノーティカルシステムズ社との間で結ばれたもので中華民国台湾政府とTECROアメリカ国務省台北駐米経済文化代表部との間で了承された防衛装備品の供与となります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/3e/44a65995120cb69c571afb50835b5d20.jpg)
2億1762万ドルの契約は、MQ-9B無人機4機と関連機材、地上基地局2基と移動式管制装置2基、及び整備機材と予備部品の費用となっています。関連機材にはMX-20マルチスペクトルターゲティング装置とSAGE-750電子情報収集装置、AN/PYQ-10C暗号通信装置などが含まれています。なおこの2億1762万ドルというのは上限金額とのこと。
■コンパスコール電子戦機
自衛隊は巨大なRC-2を揃える方針ですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/e7/98dac1d660defe311af5735e2980f844.jpg)
イタリア空軍は新型のコンパスコール電子戦機を当面2機導入、オプションで3号機を計画します。これはイタリアが既に導入計画を進めているガルフストリームG550ビジネスジェット6機を基に開発する派生型で、イタリア空軍では2022年にガルフストリームG550ビジネスジェットの機体を基に早期警戒機と電子戦機を改修して取得すると発表しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/11/d6a43aeb97b2a7aa4aa1c7ab0b1000bb.jpg)
EC-37コンパスコール電子戦機は、アメリカのEC-130H電子作戦機が搭載する電子装備を移植したもので、原型機がガルフストリームG550ビジネスジェットとC-130輸送機では全く異なることから慎重に調整が進められています。イタリア空軍はこの改造費用として12億2000万ユーロを投じ、あたらしい早期警戒機と電子戦機部隊を整備する構想です。
■KF-21ボラメ戦闘機
第二北大路機関に掲載するとどうしてもこうしたインポート記事としての紹介はファントム並に遅くなるのが難点です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/ec/1bffc8ccbae201088fac0398337319c7.jpg)
韓国とインドネシアが共同開発を進めるKF-21ボラメ戦闘機の複座型が初飛行を果たしました、ボラメ戦闘機複座型の初飛行は2月20日に行われ、離陸から34分間の飛行を終えて無事着陸したとの事です。このほか、ボラメ戦闘機では新型のAESAレーダー搭載型の飛行試験も準備が進められており、数年内の量産開始へ大きく前進しているところ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/74/5490b541ff877aaad5a4c6e054724ebf.jpg)
ボラメ戦闘機は続いて空対空ミサイル発射試験に成功しており、第五世代戦闘機のような機体内にステルス性を意識した兵装庫を配置するのではなく機体外部に埋め込む方式という革新性を敢えて排した設計ながら、第一線戦闘機としての能力構築への評価試験を順調に進めており、改良型では機内に兵装庫を配置しステルス性を高める計画もあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/89/f867c112f0c7105517e16ed2fca8cf9b.jpg)
KF-21ボラメ戦闘機の複座型について、開発を担当するKAI韓国国際航空産業ではパイロット練習用を主たる用途として発表していますが、一方で近年の戦闘機には後部に兵装士官を同乗させ、搭乗する戦闘機ではなく複数の無人機を同時完成させMUM有人無人運用を実施する事例があります、ボラメは将来改良型開発も予定されており注目の機種です。
■イラクL-159T1軽戦闘機
多種多様な機種の空軍を支える為に練習機は大変だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/fc/a6d800eab2a74604694890b41835c982.jpg)
イラク空軍はチェコ製L-159T1軽戦闘機の導入計画を完了しました。L-159T1軽戦闘機はチェコスロバキアが冷戦時代に開発したL-129アルバトロス高等練習機の拡大改良型で、チェコのアエロヴォドホディ社が製造しています、この航空機は2003年までに72機が量産され生産終了となっていましたが、イラクからの発注を受け製造が再開されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/56/a65ef7668fba77ea665ec49b98c319a9.jpg)
L-159T1軽戦闘機のイラク空軍導入数は12機となります。ただ、不思議なことにイラク空軍はこれとは別に韓国製T-50高等練習機を24機運用中です、そして中国からはJF-17戦闘機12機を発注しており、一方で空軍の主力戦闘機は34機のF-16戦闘機と25機のSu-25攻撃機です。イラク戦争後の新生イラク空軍は調達計画が多機種化しているもよう。
■CC-330戦略輸送機
カナダは本土が危険に曝される事は中長期的にはないのですが国際情勢の不安定化が及ぶ前に対応する心構え。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/94/108b3116c3cf2ae239ef24f2e8943b4c.jpg)
カナダ空軍は導入するCC-330戦略輸送機の内1機をVIP輸送機として運用します。CC-330戦略輸送機はもともと民間機として運用されていたエアバスA-330旅客機の名称であり、先ず2機を1億0200万ドルにて取得しており続いて更に4機を導入し6機体制を目指しているとのことで、このうち初号機がフランスでの再塗装を終えロールアウトした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/62/f5d982c7bffc7eacc627a816a7557ef8.jpg)
CC-330戦略給油輸送機初号機は純白の上面と濃紺の下面の中央部にカナダを示す朱色のストライプを配置した、軍用輸送機というよりは要人輸送機を連想させる塗装を採用していて、人道支援や軍事任務での部隊輸送か政府職員輸送、貨物輸送と医療搬送などを任務としています。そしてVIPキャビン区画の整備計画が立てられているとのことでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/a9/def99a8e4c29729a732baa3ad3674ea1.jpg)
VIP輸送機、ただ現在取得されている2機については旅客機区画をそのまま残すことで人員輸送に充てることを想定しており、VIP区画の整備計画は追加発注された機体を対象に検討しているとの事です。カナダ空軍には現在、VIP専用機はありませんが日本の政府専用機のように旅客機転用人員輸送機をVIP専用機としても運用する計画なのでしょう。
■F-16戦闘機の耐用年数延
F-16はアメリカ空軍での運用異常に同盟国と友好国へ教育支援や装備支援で供与できるという部分もかなり大きいのではないか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/ac/370402041cdd35b4981d37a802e12faf.jpg)
アメリカ空軍は間もなく運用開始50年となるF-16戦闘機の耐用年数延長プログラムを実施中です。F-16戦闘機の運用開始は1978年で2023年は運用開始45年を迎えます、評価試験を行う第79戦闘飛行隊ではF-16を飛行させ続ける事だけではなく、第一線での厳しい運用環境に適合させることを念頭に改良作業を進めているとされています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/8f/0cf0164f4d1c2274d20c42f1a9377bc1.jpg)
4プラス1という、アメリカ空軍では次世代戦闘機の補完に現用戦闘機を当たらせる新しいハイローミックスを模索しており、その一環の耐用年数延長プログラムでは、レーダの換装を第一に実施しており、現在第20戦闘航空団のF-16戦闘機22機に新型のAPG-83レーダーを搭載、索敵能力と索敵距離を大幅に向上させる取り組みが進められています。
■マレーシアFA-50戦闘機
F-16もF/A-18も高性能化の代償で高くなりすぎて中国製戦闘機を政治的に導入できない諸国にFA-50は有何時に近い選択肢だ。
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マレーシア空軍は次期軽戦闘機として韓国製FA-50戦闘機を選定しました。導入されるFA-50は改良型のFA-50block20となる計画です。マレーシア空軍は主力戦闘機とは別にホーク練習機を原型としたホーク100軽戦闘機を運用してきましたが、この老朽化により新しい戦闘機を必要としていました、それもそれほど高価では無い機種が求められた。
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FA-50戦闘機は18機が9億2000万ドルで韓国より輸出される計画で、これはLIMA2023国際航空宇宙海上防衛展において契約に至ったものです。この計画のもう一つの要諦はFA-50の製造を受け持つ韓国国際航空工業KAIがノックダウン生産を認めたことにあり、先ず2026年に最初の4機を納入したのち、残る機体はマレーシアで組み立てられます。
■イギリス空軍A-400M
C-2輸送機ももう少し輸出を考えるべきだったのですが。
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イギリス空軍はエアバスA-400M輸送機22号機を受領し導入計画を完了しました。A-400M輸送機はちょうど22号機納入の一か月前に世界を騒がせたスーダン政変においても救出任務へ活躍しており、A-400M輸送機はスーダン国内各所の飛行場から2200名の政府職員及び協力者や優先退避者を危険な戦闘地域から国外へ運び出しています。
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A-400M輸送機について、イギリスではより輸送力の大きなアメリカ製C-17輸送機を運用しています、しかしC-17の装備数は限られており、22機というまとまった数が配備されているA-400M輸送機は、今後イギリスが導入するボクサー装輪装甲車はじめ多種多様な装備の空輸能力を持つこともあり、重要な戦力投射手段と位置付けられています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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