■臨時情報-ウクライナ情勢
本日は日本の終戦記念日ですがウクライナでは侵攻するロシア軍に対し激戦が繰り広げられています、そして一つの爆発が転機となるかもしれない。
ロシア軍はウクライナ東部クラマトルスク攻略を断念し、ウクライナ南部占領地の防衛へ兵力を転進させつつある、イギリス国防省等が14日に最新の戦況分析を発表しました。これはウクライナ軍が南部地域において占領地奪還への攻撃準備へ兵力を集結させている事を受けての行動ですが、これによりロシア軍の状況は五月中旬へ逆戻りする事となります。
マリウポリ、ウクライナ南部アゾフ海の要衝をロシア軍が攻略したのは5月17日、これによりロシア軍は南部から当初の攻略目標であるウクライナ東部二州、もともとこの東部二州にロシア系住民が多い事が開戦の口実でしたが、ウクライナのアゾフ海沿岸からの遮断により穀物輸出港を閉塞させ戦争継続能力を遮断させる目的で南部攻略に注力していた。
アゾフスターリ製鉄所などにウクライナ軍が籠城し徹底抗戦していましたが、これは結果的にウクライナへ四方向から侵攻していたロシア軍の内、ウクライナ第二の都市であるハリコフを包囲しつつあったロシア軍に対して、南部戦線のロシア軍を釘づけとする事で針オフ包囲のロシア軍兵力を削ぐ事が目的でしたが、ハリコフ防衛目処がつく事となります。
ハリコフ周辺でのウクライナ軍防衛は成功し、緒戦の首都キエフ防衛と並ぶハリコフ解囲という奇跡への目処が経つと共に、ウクライナのゼレンスキー大統領は死守命令、死ぬまで防衛線を維持せよというアゾフスターリ製鉄所守備隊の命令を解除、守備隊は降伏し命を長らえました。ただ、厳しい捕虜生活と虐待による死亡などジュネーヴ条約違反はある。
ロシア軍は六月より東部二州への攻撃を強化し、東部ルガンスク州の主要都市リシチャンシクとドネツク州のセヴェロドネツクを攻略することには成功しています、ただ、ここでロシア軍の攻撃衝力は尽きたと見られ、続いて20km前進すれば州都クラマトルスクを包囲できる戦況となりましたが、その後全く前進できないまま、六週間が経過しています。
クラマトルスク防衛成功は、ロシア軍が猛威を発揮する砲兵の飽和攻撃を遮断できたことにあります、飽和攻撃は火力で敵を圧倒するものですが当然膨大な弾薬が必要、しかしこの為に不可欠な弾薬集積所が、アメリカからウクライナへ供与されたHIMARS高機動ロケットシステムのGPS誘導ロケット弾により各個撃破、ロシア軍は火力が発揮できません。
クリミア半島のロシア軍航空基地爆発、8月9日にロシア海軍航空部隊の展開するサキ空軍基地で大規模な爆発があり、ロシア軍は事故による爆発、ミサイル巡洋艦モスクワ撃沈の際の様に、火の不始末による事故と発表しました。ただ、衛星写真により確認できるようになりますと、Su-24戦闘爆撃機など8機が掩体内で破壊されている様子が判別できます。
サキ空軍基地での爆発は、どのような手段により発生したのかは不明ですが、ロシア軍がウクライナ南部占領地付近においてウクライナ軍反撃準備が進む兆候、8年前に占領したクリミア半島の飛行場が攻撃される程に、ロシア側にとり情勢が悪化している現状が、顕在化したといえるでしょう。実際この爆発はモスクワ撃沈と並ぶ象徴的事案ともいえるもの。
東部二州への侵攻をロシア軍は切り上げねばならない状況にある、一方、兵力を転進させているロシア軍ですが攻撃への機動ではなく単なる移動時には軍隊は脆弱です。他方でサキ空軍基地への攻撃は、例えばソ連時代からロシアが維持しているクリミア半島のセヴァストポリ軍港へも圧力を加える事となっている事も確かで、主導権は転換しつつあります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
本日は日本の終戦記念日ですがウクライナでは侵攻するロシア軍に対し激戦が繰り広げられています、そして一つの爆発が転機となるかもしれない。
ロシア軍はウクライナ東部クラマトルスク攻略を断念し、ウクライナ南部占領地の防衛へ兵力を転進させつつある、イギリス国防省等が14日に最新の戦況分析を発表しました。これはウクライナ軍が南部地域において占領地奪還への攻撃準備へ兵力を集結させている事を受けての行動ですが、これによりロシア軍の状況は五月中旬へ逆戻りする事となります。
マリウポリ、ウクライナ南部アゾフ海の要衝をロシア軍が攻略したのは5月17日、これによりロシア軍は南部から当初の攻略目標であるウクライナ東部二州、もともとこの東部二州にロシア系住民が多い事が開戦の口実でしたが、ウクライナのアゾフ海沿岸からの遮断により穀物輸出港を閉塞させ戦争継続能力を遮断させる目的で南部攻略に注力していた。
アゾフスターリ製鉄所などにウクライナ軍が籠城し徹底抗戦していましたが、これは結果的にウクライナへ四方向から侵攻していたロシア軍の内、ウクライナ第二の都市であるハリコフを包囲しつつあったロシア軍に対して、南部戦線のロシア軍を釘づけとする事で針オフ包囲のロシア軍兵力を削ぐ事が目的でしたが、ハリコフ防衛目処がつく事となります。
ハリコフ周辺でのウクライナ軍防衛は成功し、緒戦の首都キエフ防衛と並ぶハリコフ解囲という奇跡への目処が経つと共に、ウクライナのゼレンスキー大統領は死守命令、死ぬまで防衛線を維持せよというアゾフスターリ製鉄所守備隊の命令を解除、守備隊は降伏し命を長らえました。ただ、厳しい捕虜生活と虐待による死亡などジュネーヴ条約違反はある。
ロシア軍は六月より東部二州への攻撃を強化し、東部ルガンスク州の主要都市リシチャンシクとドネツク州のセヴェロドネツクを攻略することには成功しています、ただ、ここでロシア軍の攻撃衝力は尽きたと見られ、続いて20km前進すれば州都クラマトルスクを包囲できる戦況となりましたが、その後全く前進できないまま、六週間が経過しています。
クラマトルスク防衛成功は、ロシア軍が猛威を発揮する砲兵の飽和攻撃を遮断できたことにあります、飽和攻撃は火力で敵を圧倒するものですが当然膨大な弾薬が必要、しかしこの為に不可欠な弾薬集積所が、アメリカからウクライナへ供与されたHIMARS高機動ロケットシステムのGPS誘導ロケット弾により各個撃破、ロシア軍は火力が発揮できません。
クリミア半島のロシア軍航空基地爆発、8月9日にロシア海軍航空部隊の展開するサキ空軍基地で大規模な爆発があり、ロシア軍は事故による爆発、ミサイル巡洋艦モスクワ撃沈の際の様に、火の不始末による事故と発表しました。ただ、衛星写真により確認できるようになりますと、Su-24戦闘爆撃機など8機が掩体内で破壊されている様子が判別できます。
サキ空軍基地での爆発は、どのような手段により発生したのかは不明ですが、ロシア軍がウクライナ南部占領地付近においてウクライナ軍反撃準備が進む兆候、8年前に占領したクリミア半島の飛行場が攻撃される程に、ロシア側にとり情勢が悪化している現状が、顕在化したといえるでしょう。実際この爆発はモスクワ撃沈と並ぶ象徴的事案ともいえるもの。
東部二州への侵攻をロシア軍は切り上げねばならない状況にある、一方、兵力を転進させているロシア軍ですが攻撃への機動ではなく単なる移動時には軍隊は脆弱です。他方でサキ空軍基地への攻撃は、例えばソ連時代からロシアが維持しているクリミア半島のセヴァストポリ軍港へも圧力を加える事となっている事も確かで、主導権は転換しつつあります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)