9.11同時多発テロから21年
バラエティ番組がいきなり報道番組に切り替わり映画などで馴染みの世界貿易センタービルから黒煙を巻き上げる様子を映された瞬間には事情が良く理解できませんでした。
9.11同時多発テロから本日で21年となります。驚くべき事ですが、今の大学生始め若い方は同時多発テロ前の世界を知りません。これは同時に緊張した安全保障情勢の常態化という時代に生きている事を意味します。考えてみれば、イスラム原理主義の教義はコーラン普及前まで文明を後退させ、今度こそコーランを全世界に普及させるべくやり直すもの。
文明否定的な論理とともに、そもそも論理であり議論の余地が無いという点で世界は二元論の世界に突入してゆきました。向こう側かこちら側か、という。これは回教諸国との文明の衝突を意味するものではなく、寧ろ回教国においてもテロが頻発するという状況も醸成しており、9.11を象徴的な転換点とし、世界は不確かな時代に入っていった、という。
不確かな時代というのは、所謂自由主義的な諸国の多くが、その軍事力を冷戦型の大規模紛争への対処能力からテロとの戦いを念頭とした装備体系と訓練体系に転換していた一方、所謂権威主義的な国々では従来型の重戦力強化や核戦力の強化という、従来通りの近代化を堅持することとなります。対テロ用の装備では従来型の重戦力には太刀打ち出来ません。
テロとの戦いは、ひと段落したようには思える、具体的には原理主義という概念は過激主義に転換した場合には支持を得られにくく、世界的な運動となる事を断念し地域的な、つまり従来から存在する地域紛争へと収斂しており、過激主義は次第に9.11のような巨大なテロ攻撃というものは、ロンドン地下鉄テロなど例外はありますが拡大はしませんでした。
権威主義との摩擦、権威主義というのはここでは自由主義と対比する概念と位置づけますが、ウイグル人権問題やウクライナ侵攻に核兵器国以外の核兵器開発、一応一国主義は過去にも散見できる行動ではあるのですが、冷戦後には国際公序からの逸脱した軍事行動は抑制的となる国家慣行が一時的とはいえ醸成されていた筈でした。これが逆行し始めます。
9.11同時多発テロから本日で21年、若い方は経験として9.11前の世界を実感として知りません。その前の時代には冷戦終結と、冷戦終結による地域主義が地域紛争や民族紛争へ展開していましたが、徐々にその頻度や軍事行動以外による解決手法と国家再建などが進み始めた時代、緊張緩和に向かっていた時代であったのが、逆転してしまったのは、寂しい事です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
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9.11同時多発テロから本日で21年となります。驚くべき事ですが、今の大学生始め若い方は同時多発テロ前の世界を知りません。これは同時に緊張した安全保障情勢の常態化という時代に生きている事を意味します。考えてみれば、イスラム原理主義の教義はコーラン普及前まで文明を後退させ、今度こそコーランを全世界に普及させるべくやり直すもの。
文明否定的な論理とともに、そもそも論理であり議論の余地が無いという点で世界は二元論の世界に突入してゆきました。向こう側かこちら側か、という。これは回教諸国との文明の衝突を意味するものではなく、寧ろ回教国においてもテロが頻発するという状況も醸成しており、9.11を象徴的な転換点とし、世界は不確かな時代に入っていった、という。
不確かな時代というのは、所謂自由主義的な諸国の多くが、その軍事力を冷戦型の大規模紛争への対処能力からテロとの戦いを念頭とした装備体系と訓練体系に転換していた一方、所謂権威主義的な国々では従来型の重戦力強化や核戦力の強化という、従来通りの近代化を堅持することとなります。対テロ用の装備では従来型の重戦力には太刀打ち出来ません。
テロとの戦いは、ひと段落したようには思える、具体的には原理主義という概念は過激主義に転換した場合には支持を得られにくく、世界的な運動となる事を断念し地域的な、つまり従来から存在する地域紛争へと収斂しており、過激主義は次第に9.11のような巨大なテロ攻撃というものは、ロンドン地下鉄テロなど例外はありますが拡大はしませんでした。
権威主義との摩擦、権威主義というのはここでは自由主義と対比する概念と位置づけますが、ウイグル人権問題やウクライナ侵攻に核兵器国以外の核兵器開発、一応一国主義は過去にも散見できる行動ではあるのですが、冷戦後には国際公序からの逸脱した軍事行動は抑制的となる国家慣行が一時的とはいえ醸成されていた筈でした。これが逆行し始めます。
9.11同時多発テロから本日で21年、若い方は経験として9.11前の世界を実感として知りません。その前の時代には冷戦終結と、冷戦終結による地域主義が地域紛争や民族紛争へ展開していましたが、徐々にその頻度や軍事行動以外による解決手法と国家再建などが進み始めた時代、緊張緩和に向かっていた時代であったのが、逆転してしまったのは、寂しい事です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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