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ウクライナ情勢-ロシア軍第20諸兵科連合軍は松葉杖部隊を編成,ロシア軍死傷者83万

2025-02-06 07:00:26 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 権威主義国家にとり人口の0.8%の死傷者は看過できるということでしょうか。

 ロシア軍は松葉杖部隊を編成した、イギリス国防省ウクライナ戦況報告2月2日付版によれば、ロシア側オープンソース情報として、負傷兵が完治できないまま松葉杖をついて第一線に復帰している状況を紹介しています。もっとも、全員が松葉杖を装備しているのでは無く、負傷したまま松葉杖以外の状況で戦線復帰しているようですが。

 第20諸兵科連合軍が既に負傷兵だけの突撃隊を編成し、戦闘に投入したとしています。これは、イギリス国防省の分析として、既にロシア軍の野戦医療体制が限界点を超えてて、救えない人命を無駄に死なせない為に第一線に投入していると分析していますが、こうした負傷兵が現役部隊と比してどの程度戦果を示しているかは言及していない。

 83万名、ウクライナ軍参謀本部によればロシア軍は2022年2月のウクライナ侵攻以来、既に83万の死傷者を出しており、このうち40万名以上が後方の設備の整った医療設備での治療を必要としているもよう。ロシア軍は前線医療部隊と後方の医療部隊に分けており、後方の医療部隊負担を減らすために負傷兵一部を前線へ送っている。

 野戦衛生態勢が完全に破たんしている事を端的に示している構図ですが、これはロシア軍の医療基盤がひっ迫しているだけではなく、ロシア軍の戦果拡張を支えていた歩兵の大規模な損耗というものに上限が出ている事を示している可能性があり、ロシア軍はいまだ総動員を発令していない状況で、ここに踏み切るのかという問題が出てきます。

 松葉杖部隊、この名称のインパクトは多きものですが、逆に言うならば、ロシア軍は83万名の死傷者というものを、次の段階、つまり間もなく四年目を迎えるロシアウクライナ戦争に際して、どこまで膨大な死傷者をロシア社会が看過できるのか、若しくは情報統制や強権政治により無制限に看過できるのかが、大きな関心事といえるかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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