■90式戦車本州配備の必要
今週は諸般事情からいつもの半分の写真12枚記事でお送りしますが第7師団と懐かしい第1戦車群の戦車の並びから。
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90式戦車の用途廃止がいよいよ始まるという、いやしかしこの話を聞きまして思うのは順番が違うのではないか、という事です、未だ本州には第10戦車大隊や第9戦車大隊に第13戦車中隊など、74式戦車が残っています。これもあと二年三年で全廃ではあるのだが。
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74式戦車、廃止する90式戦車を短期間でも管理替えするという選択肢はないのか。もちろん本州の橋梁の強度は、というような反論が出てくるという事は理解しているのですが、しかし、動ける74式戦車でも現代の戦車戦闘に対応できる性能があるのか、と懸念する。
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平成初期の90式戦車も、エンジンや変速機駆動系をそのままとしているものなどはもう1500hpの出力を発揮出来ない、という声は聴いているのですか、そんなものは74式戦車の方が古いぶん顕著です、それならば短期間でも90式戦車に切替える選択肢があります。
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日本の場合は用途廃止の護衛艦などは海上自衛隊の備品ではなく財務省管理の国有財産となるため簡単にさわる事は出来ない、これは数年前に護衛艦の自衛艦旗返納行事に際しまして教え頂いたおはなしです。つまるところ廃止されている装備、活用できない背景だ。
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FH-70榴弾砲の廃止がどんどんと進んでいますが、これなどは保管しておけば砲架部分などは転用できる装備がありますし、なにより有事の際に世界中から新装備を割高に何種類も買い集めなくて済むという予備の装備品となります、が維持補完せず解体しています。
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MLRSなどは2000年代に納入されたものを含め解体している、退役させた装備を一時保管するのではなく税金で解体できる業者を募り、これも調達当時は20億円もした装備であり、1980年代に調達されたFH-70と違いまだまだ使えるものを税金で解体している状況です。
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2029年までにMLRSは全廃される方針ですが、90式戦車もこれに続く状況、それでもMLRSなどは射程500kmの新砲弾が開発されています、それもATACMSのような大型のものではなく12発を装填できる小型のものが射程を延伸させており、用途はじつにひろい。
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旧式化とか陳腐化といいますが、M-26ロケット弾の後継として自衛隊が導入したM-31ロケット弾、いわゆるGMLRSはウクライナでロシア軍へ猛威を振るっている、特に変な国産装備ではなくアメリカと共通装備である為、有事の際に緊急弾薬供与も期待できるのだ。
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島嶼部防衛用極超音速滑空弾、防衛省は離島防衛のための新装備を2個大隊導入する計画ですので、MLRSはこれに置換えるという構想なのでしょう。しかし、いまのM-31ロケット弾では届かなくとも新型ロケット弾を装填したMLRSならば射程は充分確保できる。
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防衛費増額に反対が多いのですが、例えば74式戦車をそのまま解体せずに戦闘工兵車両に改造するとか、航空自衛隊が廃止したVADS高射機関砲を搭載して、いま新技術で10年以内に配備させると政府が計画する対無人機用装備に充てれば、安価に二年程度で完成する。
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老朽戦車も解体するのではなく、例えば90式戦車も重量に足回りが堪えられないのであれば、戦車として廃止した上で90式戦車の上に軽量な16式機動戦闘車の砲塔を載せて偵察戦闘大隊の偵察警戒車や偵察戦闘車として運用するならば、これは充分な性能になります。
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防衛費の問題、今のままでは不充分という認識はあります、しかし、防衛費を増やすからと云って使える装備を管理として任された財務省が保管して後で自衛隊に差し戻すならば兎も角、更に税金を掛けて解体するとは、財務省の税金の無駄遣いにしか思えないのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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今週は諸般事情からいつもの半分の写真12枚記事でお送りしますが第7師団と懐かしい第1戦車群の戦車の並びから。
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90式戦車の用途廃止がいよいよ始まるという、いやしかしこの話を聞きまして思うのは順番が違うのではないか、という事です、未だ本州には第10戦車大隊や第9戦車大隊に第13戦車中隊など、74式戦車が残っています。これもあと二年三年で全廃ではあるのだが。
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74式戦車、廃止する90式戦車を短期間でも管理替えするという選択肢はないのか。もちろん本州の橋梁の強度は、というような反論が出てくるという事は理解しているのですが、しかし、動ける74式戦車でも現代の戦車戦闘に対応できる性能があるのか、と懸念する。
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日本の場合は用途廃止の護衛艦などは海上自衛隊の備品ではなく財務省管理の国有財産となるため簡単にさわる事は出来ない、これは数年前に護衛艦の自衛艦旗返納行事に際しまして教え頂いたおはなしです。つまるところ廃止されている装備、活用できない背景だ。
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FH-70榴弾砲の廃止がどんどんと進んでいますが、これなどは保管しておけば砲架部分などは転用できる装備がありますし、なにより有事の際に世界中から新装備を割高に何種類も買い集めなくて済むという予備の装備品となります、が維持補完せず解体しています。
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MLRSなどは2000年代に納入されたものを含め解体している、退役させた装備を一時保管するのではなく税金で解体できる業者を募り、これも調達当時は20億円もした装備であり、1980年代に調達されたFH-70と違いまだまだ使えるものを税金で解体している状況です。
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2029年までにMLRSは全廃される方針ですが、90式戦車もこれに続く状況、それでもMLRSなどは射程500kmの新砲弾が開発されています、それもATACMSのような大型のものではなく12発を装填できる小型のものが射程を延伸させており、用途はじつにひろい。
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旧式化とか陳腐化といいますが、M-26ロケット弾の後継として自衛隊が導入したM-31ロケット弾、いわゆるGMLRSはウクライナでロシア軍へ猛威を振るっている、特に変な国産装備ではなくアメリカと共通装備である為、有事の際に緊急弾薬供与も期待できるのだ。
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島嶼部防衛用極超音速滑空弾、防衛省は離島防衛のための新装備を2個大隊導入する計画ですので、MLRSはこれに置換えるという構想なのでしょう。しかし、いまのM-31ロケット弾では届かなくとも新型ロケット弾を装填したMLRSならば射程は充分確保できる。
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防衛費増額に反対が多いのですが、例えば74式戦車をそのまま解体せずに戦闘工兵車両に改造するとか、航空自衛隊が廃止したVADS高射機関砲を搭載して、いま新技術で10年以内に配備させると政府が計画する対無人機用装備に充てれば、安価に二年程度で完成する。
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老朽戦車も解体するのではなく、例えば90式戦車も重量に足回りが堪えられないのであれば、戦車として廃止した上で90式戦車の上に軽量な16式機動戦闘車の砲塔を載せて偵察戦闘大隊の偵察警戒車や偵察戦闘車として運用するならば、これは充分な性能になります。
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防衛費の問題、今のままでは不充分という認識はあります、しかし、防衛費を増やすからと云って使える装備を管理として任された財務省が保管して後で自衛隊に差し戻すならば兎も角、更に税金を掛けて解体するとは、財務省の税金の無駄遣いにしか思えないのです。
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まあ、日本の場合海に囲まれて他に力入れなきゃいけないところあるんだろうけど。
それはそうとして、自衛隊の飲み会文化なんとかならんもんかなあとぼやいておきます。