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ウクライナ情勢-クルスク州逆攻撃意義はロシア軍スミ州再侵攻阻止とザポリージャ州のロシア軍作戦停止

2024-09-21 07:00:08 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 アメリカの軍事援助再開と共にその停止期間に劣勢が顕著となってしまった東部戦線に代える新しい一手について。

 ウクライナのゼレンスキー大統領はクルスク州逆攻撃によりロシア軍スミ州再侵攻を阻止したと意義を強調しています。ウクライナ北東部では今年に入りロシア軍がハリコフ州に再侵攻しており、この目的としてウクライナ国内にロシア本土を攻撃できない緩衝地帯を構築するためのものとロシア側が正当性を主張し、この逆をおこなったかたち。

 スミ州へのロシア軍による再度の攻撃を結果的に阻止した、という発言についてはウクライナ軍のシルスキー総司令官も同様の発言をしており、この点についてISWアメリカ戦争研究所は9月13日付のウクライナ戦況報告に概要をまとめています。大統領と総司令官はともに、ウクライナ北部への脅威が多少なりとも減少した、と発言しています。

 東部戦線についても、ゼレンスキー大統領の発言によればロシア軍は焦点となっているポクロフスク周辺においてウクライナ軍に対して砲兵火力で12:1の割合でロシア軍が有利となっていたものが、クルスク州逆攻撃により2.5:1の割合にまでウクライナ軍とロシア軍との間でロシア軍の優位という状況が解消されていると発言しました。■

 ロシア軍はザポリージャ州において作戦を休止している、ISWアメリカ戦争研究所が9月15日に発表したウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍タヴリスク群報道官のリュホヴィイ大尉の発言として数週間前からロシア軍は不特定多数の部隊をザポリージャ州からロシア本土のクルスク州へ再配置しており、残る部隊の再編成が必要になった、と。

 ザポリージャ州はウクライナ南部戦線においてアゾフ海をウクライナから遮断するとともに2014年以来占領を続けるクリミア半島にいたる経路を抑え、また度々懸念されるザポリージャ原発などが所在しています。ISWは明言していませんが、ザポリージャ州は2023年ウクライナ軍夏期反転攻勢において焦点であり、地雷原に阻まれた場所でもある。

 ウクライナ軍のリュホヴォイ報道官はロシア軍が現在ウクライナ領内において重点的な攻勢を続けているのはポクロフスクとドネツク市西方、そしてクルスク州へ逆攻撃を加えたウクライナ軍への対処であり、同時に分散しすぎていることからかロシア軍は複数正面において攻撃を行う物資が不足し、ザポリージャ州で作戦を休止しているもよう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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