■臨時情報-ウクライナ情勢
今後の戦況はこの一年四カ月の間にロシア航空宇宙軍がどの程度能力を向上させたかによりウクライナ軍の反撃が左右されるかもしれない。航空自衛隊もCASとBAIの能力を更に整備すべきだ。

ロシア航空宇宙軍はウクライナ軍反撃攻勢に対して戦闘機と戦闘ヘリコプターの集中運用を開始しました。南部のオレホボ近郊でのウクライナ軍機甲部隊の損耗、レオパルド2主力戦車6両とブラッドレイ装甲戦闘車15両以上が撃破されたとされる戦闘は、ロシア軍防御線に対する正面突破の際、地雷除去などで滞留した部隊が空から攻撃を受けている。

ウクライナ政府が再三に渡りF-16戦闘機供与を要請していた背景が正に現状で示されている構図ですが、イギリス国防省戦況分析では意外な実情を示しています、それは、ロシア航空宇宙軍の行動は過去数カ月間に対して高い頻度での航空機運用を行っているが、それでも開戦劈頭の航空宇宙軍航空攻撃と比べればその頻度は高くない、ということでした。

BAI航空阻止の段階まで入っていない、BAIというのは最前線付近に対する航空攻撃に留まらず第二梯団や攻撃により突破に成功した際に投入される戦果拡張部隊などの集積地域への航空攻撃を示すものです。しかし今回ロシア航空宇宙軍の戦闘機や戦闘ヘリコプターはロシア占領地の防衛線付近での戦闘に終始しており、踏み込んだ攻撃を行っていません。

ロシア軍のオレホボ近郊防衛線におけるウクライナ軍への航空攻撃は、CAS近接航空支援、というほどにもロシア軍部隊との陸空共同作戦が執られたようには見えず、単に障害除去中の部隊に対する航空攻撃という範疇を出ていないようです。すると、仮にウクライナ軍が防衛線を突破した場合にも、これが困難なのだけれど、航空攻撃は続くのでしょうか。

CAS近接航空支援を行う際に、ロシア軍の前線航空統制制度への情報が不充分である為に一概には言えないのですが、ロシア軍は前線を突破された場合に備え第1親衛戦車軍を戦略予備として配置しています。問題はCASが必要とされた際にロシア戦闘爆撃機の操縦士は、ロシア軍とウクライナ軍を高速で飛行する戦闘爆撃機から識別できるのかということ。

BAI航空阻止をロシア軍が能力として獲得している場合、ウクライナ軍の反撃はまだ先鋒ば防衛線の隙間を探している段階である為に先となります、ここにBAIが加えられた場合は攻撃の主力が損耗を強いられる事となります。もっともその為にはウクライナ軍防空砲兵を叩くSEAD防空制圧任務が必要となり、いわば温存された空軍の練度が試されます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今後の戦況はこの一年四カ月の間にロシア航空宇宙軍がどの程度能力を向上させたかによりウクライナ軍の反撃が左右されるかもしれない。航空自衛隊もCASとBAIの能力を更に整備すべきだ。

ロシア航空宇宙軍はウクライナ軍反撃攻勢に対して戦闘機と戦闘ヘリコプターの集中運用を開始しました。南部のオレホボ近郊でのウクライナ軍機甲部隊の損耗、レオパルド2主力戦車6両とブラッドレイ装甲戦闘車15両以上が撃破されたとされる戦闘は、ロシア軍防御線に対する正面突破の際、地雷除去などで滞留した部隊が空から攻撃を受けている。

ウクライナ政府が再三に渡りF-16戦闘機供与を要請していた背景が正に現状で示されている構図ですが、イギリス国防省戦況分析では意外な実情を示しています、それは、ロシア航空宇宙軍の行動は過去数カ月間に対して高い頻度での航空機運用を行っているが、それでも開戦劈頭の航空宇宙軍航空攻撃と比べればその頻度は高くない、ということでした。

BAI航空阻止の段階まで入っていない、BAIというのは最前線付近に対する航空攻撃に留まらず第二梯団や攻撃により突破に成功した際に投入される戦果拡張部隊などの集積地域への航空攻撃を示すものです。しかし今回ロシア航空宇宙軍の戦闘機や戦闘ヘリコプターはロシア占領地の防衛線付近での戦闘に終始しており、踏み込んだ攻撃を行っていません。

ロシア軍のオレホボ近郊防衛線におけるウクライナ軍への航空攻撃は、CAS近接航空支援、というほどにもロシア軍部隊との陸空共同作戦が執られたようには見えず、単に障害除去中の部隊に対する航空攻撃という範疇を出ていないようです。すると、仮にウクライナ軍が防衛線を突破した場合にも、これが困難なのだけれど、航空攻撃は続くのでしょうか。

CAS近接航空支援を行う際に、ロシア軍の前線航空統制制度への情報が不充分である為に一概には言えないのですが、ロシア軍は前線を突破された場合に備え第1親衛戦車軍を戦略予備として配置しています。問題はCASが必要とされた際にロシア戦闘爆撃機の操縦士は、ロシア軍とウクライナ軍を高速で飛行する戦闘爆撃機から識別できるのかということ。

BAI航空阻止をロシア軍が能力として獲得している場合、ウクライナ軍の反撃はまだ先鋒ば防衛線の隙間を探している段階である為に先となります、ここにBAIが加えられた場合は攻撃の主力が損耗を強いられる事となります。もっともその為にはウクライナ軍防空砲兵を叩くSEAD防空制圧任務が必要となり、いわば温存された空軍の練度が試されます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)