北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十四年度三月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2013.03.22・23)

2013-03-21 23:23:25 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 冬の寒い季節とはすなわち牡蠣や河豚の旬で、片方を江田島にて思い切り堪能した当方はまだ冬もいいなあと思う今日この頃ですが皆様如何お過ごしでしょうか。

Gimg_1744 練習艦隊江田島出港は生憎の雨天と靄の視界不良にて祝賀飛行は中止、艦隊も霞む中の出航ではありましたが、江田島、牡蠣がもう大粒が惜しげもなくひと盛りバターで炒められ、産地直送1km以内、牡蠣とはこういうものというほど美味しいし信じられないほどお手頃、練習艦隊関係なくそれこそ来週にでもまた行きたい、と唸らされるほどにいいところでした。

Gimg_1532 この江田島を出港した練習艦隊は、今週末、大阪港において一般公開されます。23日土曜日、護衛艦いそゆき、0900~1500時に公開です。25日月曜日には鳥羽へ入港しますが、一般公開予定は三重地本にはなく、続いて27日水曜日から29日金曜日に鹿児島港谷山一区8号岸壁に入港し、一般公開は日程未定ですが予定されているもよう。

Gimg_1985 日米親善横須賀スプリングフェスタ、24日日曜日に行われます。実施時間は0900時から1600時までで、基地の一部が一般公開されます。予定では、アメリカン屋台とステージイベント、第七艦隊音楽隊や招待団体演技が行われ、現在のところ予定ですが艦船見学が行われます。入場には手荷物検査があり、入場の際に国籍検査が行われ、その際に旅券などの身分証明を求められることがあるとのこと。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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江田島基地近海練習航海部隊・外洋練習航海部隊2012年の出航風景と江田島航空写真

2013-03-20 01:50:00 | 海上自衛隊 催事

◆練習艦隊五隻の出航と卒業祝う祝賀飛行

 近海練習航海部隊出航時間などのキーワードにて北大路機関を閲覧される方がここ数日増えていますので、江田島への行き方や艦隊の出航時間に撮影位置など、昨年の撮影データをもとに紹介してみます。

Eimg_0895 今年度の艦隊は、かしま、しらゆき、いそゆき、やまゆき、せとぎり、ですが、外洋練習航海部隊へ昨年は護衛艦くらま、が参加していましたので、こういう時に撮影しておかなければ、と江田島へ展開しましたが、祝賀飛行や複合艇などの参加の出港風景、圧巻でした。五隻の護衛艦と練習艦が湾内を航行する様子も、考えてみますとなかなか見れるものではありません。

Eimg_3140 江田島の航空写真、右側が江田島で繋がっているものの湾を隔てている左側が能美島です。練習艦隊はこの湾内から出航します。乗艦しているのは幹部候補生学校を卒業した新任幹部で、新しく海上防衛へ臨む若い精鋭の門出、祭日という事もありますし、お時間のある方は足を運ばれてみてはどうでしょうか。

Eimg_0593 近海練習航海部隊の出航時間などは今回掲載の昨年撮影情報はあくまで参考としかならない可能性がありますが、海上自衛隊HP掲載の“一般幹部候補生及び飛行幹部候補生の卒業式について”が参考となります。海上幕僚長出迎え・栄誉礼が0920~0925、卒業式が1000~1120、午餐会が1200~1250、そして卒業生見送りが1330~1400、こう公示されています。

Eimg_3143 この卒業生見送りが、卒業生が練習艦や護衛艦に乗艦し出航する時間です。写真は幹部候補生学校の航空写真で、湾内に浮かんでいるのは牡蠣の養殖筏です。練習艦と護衛艦は牡蠣筏と幹部候補生学校の間の湾内にて遊弋し、待機しています。停泊している様子は、簡保の宿から非常に良い構図で撮影できたとのことですが、現在は廃止により立ち入りはできません。

Eimg_0679 江田島基地の様子は、1325時ガスタービン艦機関始動、1335時複合艇見送り位置へ出港、1402時卒業生乗船交通船練習艦接舷開始、1407時ヘリコプター編隊祝賀飛行、1409時固定翼練習機編隊祝賀飛行、1410時固定翼哨戒機・米海軍機編隊祝賀飛行、とすすみます。

Eimg_3144 艦隊の出航は1416時練習艦出港開始、1423時旗艦かしま外洋へ向け変針、こうした時間配分でした。海幕長将官艇の呉への出航は1438時、複合艇江田島基地帰港は1443時でした。写真は能美島沿岸部で、海岸線を埋め立てて突き出ている付近に高田港があります、写真中央からやや左より。

Eimg_0707 江田島へは、広島駅から広島市電広島港宇品行、終点が宇品港湾ビルとなっており、昨年は1006時発高田・能美路地・中町行き高速船に乗船しました。午前中の出航時間は0640,0700,0730,0803,0832,0903,0933,と毎時二本、このあとは毎時一本の運航で1006,1110,1210となっています。

Eimg_3146 写真は上に広島市街、下が江田島です、比較的近い位置関係が分かるでしょうか。運賃は930円で、所要時間は25分で江田島の能美島到着、高田港にはバス停がありますが、呉と結ぶ小用桟橋へは、0743、0800,1800,1900時の毎日四本のみ。もともと江田島と能美島は地続きですが違う街だった、とのこと。

Eimg_1215 津久茂瀬戸を外海へ向かう艦隊。江田島で目的地は高田港、此処から歩きます。高田港か、やや奥の中町港から海沿いの国道487号線から撮影できます。ただ、間違えて三高港へ向かわないように、此処は撮影位置から若干遠いです。御帰りは高田港から宇品港へ、1436,1512,1536,1607と毎時二本運行され、最終便は2222時です。

Eimg_3151 自動車にて足を運ばれる方は、県道35号線沿いに呉市から早瀬大橋を渡り江田島市へ、国道487号線で一旦反対側の大原、大柿、鹿川、江田島市役所方面へ向かえば撮影位置へ行くことが出来るでしょう。ただ、呉市内からは対岸に江田島が見えていても、陸路ではかなり遠回りとなりますのでご注意ください。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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南海トラフ地震政府被害想定は最大被害で220兆円規模、東日本大震災の10倍

2013-03-19 12:12:26 | 防災・災害派遣

◆死者32万3000名、全壊・焼失238万6000棟

 政府の南海トラフ地震対策検討有識者会議は、南海トラフ地震が最大規模のM9.1で発生した場合での被害想定を220兆円と算出しました。

Img_4493 地震被害の想定は出されましたので、この最大規模の想定に基づき、防災計画を構築してゆけば、少なくとも今後我が国を千年単位で襲う巨大地震に対しても十分な対応を行うことが可能、という意味を持っており、いわば想定外の事態を起こさせない、という観点から受け止める必要があるでしょう。

Aimg_3277 既に南海トラフ地震は、昨年までの政府被害予想で、最大規模の発生の場合、現状の防災体制の下では、死者32万3000名、建造物全壊及び焼失が238万6000棟と算出されていますが、避難体制を完璧なものとすれば死者数は3万2300名まで減り、家屋全壊及び焼失も耐震補強により半分の119万棟程度まで減らすことが出来る、とのこと。

Bimg_3178 現状の防災対策は、緊急物資輸送は道路が完全に使えるという前提で民間トラック輸送体制が有事を想定、遠隔地の港湾施設の損耗を考えず物流体制の復旧を想定、航空管制の破綻を想定せずに航空緊急搬送が考えられるなど、大規模災害は複合的に社会インフラを破壊するという前提に立っていないものと言わざるを得ません。

Img_0334 今回の政府被害想定は、我が国では東海地方68.8兆円、近畿地方48.4兆円、四国32.4兆円、九州沖縄地方8.31兆円、中国地方7.1兆円、関東地方2.15兆円、北陸甲信越地方1.72兆円と算出され、交通寸断の影響は6.1兆円、製造業やサービス業の業務不能に伴う被害が44.7兆円、と算出されました。

Img_09_84 これらの被害は、ダメージコントロールにより大きく縮小することが出来ますから、この数字は現在の防災体制に手をこまねいていた場合の想定という事を理解するべきなのですが、例えば、東北地方と北海道以外の地域が大きく被害を受けるため、不足する物資の事前搬送体制や被災地域の山間部で山岳崩壊の可能性が低い地域への物資事前集積などは大きな意味があります。

Iimg_2029 また、物資の不足は派生語一週間で食糧9600万色、飲料水1億4500?の不足が現時点で見込まれています。前述のとおり、沿岸部の防災倉庫は津波で全損し、かなり内陸部まで、大阪では梅田や難波までが被害を受ける想定ですので、内陸部の防災拠点からどれだけの物資を運べばよいのか、ようやく数字が算定されました。

Img_0833 道路復旧は、ブルドーザーやホイールローダーに燃料などをヘリコプターで空輸し、孤立地域からも復旧工事を行えば物流を早く立ち直らせることが出来、具体的に不足する食糧を、最も必要とする都市部へもヘリコプターの空輸は震災関連犠牲者を少しでも少なくすることに寄与するでしょう。

Img_5777 空港機能は、中部国際空港、関西国際空港、高知空港、大分空港、宮崎空港が津波浸水、これは羽田空港と神戸空港や北九州空港が含まれていないため、沿岸部の自衛隊基地でも木更津駐屯地や築城基地が、現在松島基地で行われているような防災対策により生き残れる可能性を示唆しています。

Img_2865 上記観点から、防災予算の一部を防衛予算に上乗せする、もしくは他の省庁予算で導入する航空機を自衛隊が管理する、文科省予算で建造される砕氷艦のような方式が期待されるところです。防災予算の大義名分と共に軍拡をしようとしているのではないか、という批判もあるやもしれませんが、どちらも有事に代わり在りません。

Mimg_2478 むろん、ヘリコプター空輸能力に防災予算を用いて大型ヘリコプターを造成することが出来たならば、南西諸島有事において沖縄へ九州から展開できる普通科中隊の数が多少は増えることでしょう。水陸両用装甲車は震災の孤立地域救援へも役立ちますが、防衛にも役立つこと間違いありません。

Img_6037 施設科部隊の機動力向上は普通科の機械化とともに自衛隊の新しい課題となりましたが、震災においても民間建築会社が入れない地域で任務を遂行する上では必要です。東日本大震災では多数の救援へ展開したヘリコプターの航空管制に早期警戒管制機が初めてその威力を災害において発揮しましたが、これを造成するという事は有事の際にも役立ちます。

Img_2231 衛生科部隊の野戦医療や搬送以外の医師法で行動を禁じられ、救急車両は応急処置も殆ど制限されている現状において、各国軍が導入するような一定の医療行為を行い野戦病院までの命の時間を稼ぐ装備も震災対策を念頭に導入することが出来れば、これも有事に大きな威力を発揮できるでしょう。

Iimg_2726 通信も東日本大震災では各部隊の情報が十分把握できず、指揮系統の立ち直りに若干の時間を要しましたし、通信帯域の確保と野戦通信能力は震災対策として高めても国民の利益という観点からは損は少なく、小型無人機は一部普通科連隊で装備が始まりましたが、災害対策を念頭に防災予算を利用することも大局的に国民の生命を守るという観点からは同じことです。

Img_1961 実際問題として、東日本大震災では当然ながら機能として有事への対応を求められなかった平時の機能が有事に頑張りを見せたものの、限界が大きすぎました。例えば孤立地区の病院患者搬送にドクターヘリが使用されたものの三機で丸一日奮闘しても小型で半分以下しか搬送できず、夜間飛行できないため搬送を打ち切ったのち、自衛隊が夜間搬送に出動、数時間で残り全員を搬送完了した、という実績があります。

Img_3936 自衛隊のヘリコプターは全天候での運用を考え、大型でエンジン出力にも余裕があり、加えて夜間においても飛行することを想定しています。その分整備は煩雑で、取得費用も民間のドクターヘリよりもはるかに大きいのですが、緊急時の極限状態で飛べて任務を遂行することが出来る。

Iimg_1549 問題は、我が国が此処まで大きな有事という極限状態を想定できていなかったことから数に限界があり、自治体や警察消防では総力が大きいもののインフラが機能する前提での組織であるため、道路ひとつ寸断するだけで展開できず、浸水しているだけで通過できないという問題があるということ。

Iimg_4406 現在の防災体制は、日本の水準で世界最高水準のものが整備されている一方、現在の枠ぐみでもこれだけの被害が想定されるという事は、危機管理の枠組みが根本から再構築を迫られているという事に他なりません。もちろん、自衛隊に出来る事、自治体に出来る事の棲み分けも必要で、このあたりも含め、危機管理の在り方を再考する重要な時期を迎えている、こういうことが言えるでしょう。

北大路機関:はるな

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中国艦射撃管制レーダー使用事案、共同通信取材へ複数の中国軍将官級幹部が使用認める

2013-03-18 23:43:15 | 国際・政治

◆中国国防省としては否定の立場

 今年1月30日に発生した護衛艦ゆうだち、に対する中国艦の射撃レーダー使用事案ですが、一部で認める発言があったようです。

Yimg_3082 中国海軍の将官級幹部複数がこれまで曖昧としてきた中国当局の発言の中で実施を認める発言がありました。これは共同通信が行った取材により判明したもので、射撃管制レーダーの使用は現場指揮官である艦長の独断であり、中国の立場として領海侵犯と領空侵犯以上の緊張を高めるものではなかった、との発言でした。

Yimg_4777 今回の事案は、公海上を航行中の海上自衛隊護衛艦ゆうだち、に対し、中国海軍の江衛Ⅱ型フリゲイト連雲港が近距離から射撃動作の一環である射撃管制レーダを使用し護衛艦を照準、護衛艦が回避行動を行い、これが武力行使であるとして日本政府が厳重抗議したものです。

Yimg_3066 これに対し、中国外交当局は当初事案を把握しておらず、その後、射撃管制レーダ使用は日常的行動である、もしくは、日本側も捜索レーダを使用している等の反論があったのち、中国国防当局としては明確に日本側のねつ造であるとの意見を主張してきましたが、今回、将官級の複数幹部から実施を認める発言を引き出しました。

Yimg_5271 これは、対外的に大きな意味があり、米軍当局者と米国務省、更にホワイトハウス報道官が日本側の主張が証拠と照らし合わせ理にかなっている支持が表明、ロシア側も中国問題専門家が2000年の中国空軍Su-27による台湾空軍ミラージュ2000戦闘機への射撃管制レーダ使用などの事例と共に実施の可能性が濃厚であるとの意見など、包囲網が狭まり、認めさせた、という意味で我が国の外交面での大きな勝利と言えるでしょう。

Yimg_5262 射撃管制レーダは、通常目標の位置を把握し行動を監視する捜索レーダや周辺船舶の位置を航行上の必要から把握する対水上レーダと異なり、先頭動作の一環として使用するものであり、平時には使用することは敵対行為そのもの、もしくは我に戦闘開始の意図有り、という意思表明以外何物でもありません。

Iimg_2281 今回報じられた、第一線指揮官の独断行為、との主張は、事実であれば非常に近代軍事機構として指揮系統や指揮官の水準が稚拙であることを意味します。ただ、中国政府は共同通信の報道に対し、国防省の立場としてねつ造であるとの発表を行いました。

北大路機関:はるな

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海上自衛隊練習艦隊 近海練習航海部隊・外洋練習航海部隊、3月20日に江田島基地を出航

2013-03-17 23:24:30 | 海上自衛隊 催事

◆かしま、しらゆき、いそゆき、やまゆき、せとぎり

 防衛省によれば3月20日、幹部候補課程修了者を対象とする近海練習航海部隊及び外洋練習航海部隊が江田島基地を出港するとのことです。

Eimg_0704 近海練習航海及び外洋練習航海の目的は、幹部候補課程を修了した初級幹部に対し、具体的な艦隊での行動や館内での生活とともに任務の遂行に当たる素養とシーマンシップを会得させる目的で公開訓練に当たり、併せて海上自衛隊の部隊や日本国内の情勢を訓練と共に理解させることに目的があります。

Eimg_9899 近海練習航海は練習艦隊司令官北川文之海将補を指揮官として、第63期一般幹部候補生課程修了者178名と艦艇乗員を併せた710名が参加、練習艦かしま、練習艦しらゆき、護衛艦いそゆき、が参加し、3月20日から5月21日にかけ実施されるとのこと。

Eimg_0149 寄港する港は3月20日に江田島基地を出港、同日から3月21日にかけ瀬戸内海柱島沖に停泊し、3月22日から3月24日に大阪へ入港、3月25日には伊勢湾鳥羽に寄港、一路太平洋を南下し3月27日から3月29日まで鹿児島港へ、更に日本れ島南西諸島へ向かい3月31日から4月3日まで那覇港へ入港します。

Eimg_0347 部隊は北上し、4月10日から4月12日にかけ青森は大湊基地へ入港、津軽海峡を越えて4月13日から4月15日まで小樽港へ入港、続いて日本海を南下し4月17日から4月19日の間は舞鶴基地へ入港、ここから近代練習航海部隊は、かしま、しらゆき、と、いそゆき、に分かれるもよう。

Eimg_0443 かしま、しらゆき、は4月21日から4月23日にかけ佐世保基地へ入港、いそゆき、は4月21日から5月7日までの期間に佐世保基地へ寄港しています。三隻の中で先に出港する、かしま、しらゆき、は4月24日から5月7日に江田島の対岸にある呉基地へ、そして5月7日に三机港に入港します。

Eimg_0526 近海練習航海部隊は、5月9日に、かしま、しらゆき、いそゆき、の三隻が合流したうえで横須賀基地へ入港、5月12日に横須賀基地を出港し、5月13日から5月21日へ東京港晴海埠頭へ入港、近海練習航海を完了します。そして任務完了と共に遠洋航海へ出港してゆきます。

Eimg_0567 外洋練習航海は、指揮官を第14護衛隊司令桑野弘道1佐とし、第65期飛行幹部候補生課程修了者42名を含む総員390名を以て実施され、外洋練習航海部隊は護衛艦二隻、護衛艦やまゆき、護衛艦せとぎり、が参加し行われます。外洋練習航海は遠洋航海とは違う訓練ですのでご留意ください。

Eimg_0687 この訓練の目的は、初級幹部への必要な知識と技能の習得であり、加えて外洋練習航海では海外へも寄港するため、訪問国との友好親善の増進という目的も含まれています。外洋練習航海と近海練習航海は同日、江田島基地を出港しますので、この時は五隻が並んでいます。

Eimg_0780 寄港地は、九州の佐伯、沖縄県の那覇もしくは中城、続いて南下し、タイ王国のバンコクとブルネイダルサラームのムアラを訪問します。なお、海上自衛隊HPには近海練習航海に関して日程が掲載されているのですが、外洋練習航海に関しては詳細な日程は掲載されていませんでした。

Eimg_07500 近海練習航海部隊は上記寄港地によっては一般公開が行われますので、各地方協力本部のHPなどをご覧ください。また、湯っ高行事は非公開ですが、江田島からは見ることが出来ます。江田島までは幹部候補生学校方面へは呉から、今回掲載した写真を撮影した幹部候補生学校対岸へは広島港からそれぞれフェリーで行くことが出来ます。

北大路機関:はるな

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尖閣諸島防衛への一視点⑬ 第15旅団の増強と八重山列島への防衛を再考する

2013-03-16 23:17:00 | 防衛・安全保障

◆尖閣諸島の後ろ盾へ及ぶ脅威の可能性

 本掲載は十三回を迎えましたが、尖閣諸島の防衛と共に八重山列島の防衛を、改めて考えてみましょう。

Dimg_0554 尖閣諸島と八重山列島は西部方面隊の第15旅団管区にあり、第15旅団は司令部を那覇駐屯地とし、2100名を以て沖縄県全域の防衛警備及び災害派遣にあたっています。しかし、南西諸島防衛の任務を考える場合、第15旅団の部隊規模や能力は少々不十分と言わざるを得ないところがあります。

Dimg_0952 第15旅団は、第51普通科連隊、第6高射特科群、第15偵察隊、第15施設中隊、第15通信隊、第15特殊武器防護隊、第15後方支援隊を基幹としている部隊で、離島であるため航続距離の大きなUH-60JAやCH-47JAといったヘリコプターを運用し、方面隊直轄で運用されることが多い戦域防空ミサイルを旅団が方面隊から独立し運用しているのが特色です。

Simg_3811 しかし、第15旅団は沖縄本島以外に部隊を置いていません。これは我が国を構成する島嶼は6800に達し、陸上自衛隊では島嶼部防衛に際し、全ての島々に守備隊を置く方針は取らず、機動運用により奪還を基本とする防衛体制を構築してまいりました、何故ならば6800の島々に各一個小隊を配置した場合、全陸上自衛隊の二倍の定員が必要になってしまうためです。

Simg_3756 ただ、尖閣諸島のような部隊が小隊規模であっても陣地構築が難しい狭隘離島と、有人の離島は分けて考えられなければならないといえます。そういいますのも、有人島は一旦奪取されれば、奪還に際し、航空打撃や揚陸等に際し、必ず民生被害が付随するためで、これは避けなければなりません。

Simg_2664 この点で、尖閣諸島にほど近い八重山列島は人口も少なくなく、この離島を如何に防衛するかは大きな課題となります。石垣島の石垣市は人口44000名、宮古島の宮古島市は人口54000名、尖閣諸島はそもそも石垣市の一部ですから、有事の際にはこちらに対しても重大な影響が及ぶことは想像に難くないところ。

Simg_0782 上記の八重山列島は、陸上自衛隊第15旅団の司令部と旅団主力が置かれる沖縄本島から400kmの距離があり、有事の際に緊急展開する場合にはヘリコプターによる九州を含めた増援の展開、本土からの空挺部隊展開くらいしか想定できないほど、距離があります。

Simg_9146 沖縄本島から距離がある一方、八重山列島は尖閣諸島まで170kmの距離にあり、陸上自衛隊には射程180kmの地対艦ミサイルなど、八重山列島から尖閣諸島を防衛する手段があります。もちろん、現在八重山列島は航空自衛隊のレーダーサイトがあるのみで、これらの長射程装備は配備はされていません。

Simg_9022 ただ、尖閣諸島の奪取を試みる勢力からは、ここに自衛隊の拠点となり得る大地があるだけえ、戦略的な要衝となります。自衛隊としては、陸上部隊が展開できない尖閣諸島の岩場に削岩機で窮屈な蛸壺を掘るよりは八重山諸島を拠点として防衛任務を展開する方がりにかなっています。

Simg_0478 上記の通り、八重山諸島は尖閣諸島防衛の後ろ盾という要地であり、そして、行う行わざるに関わらず、その能力と可能性があれば、逆に防衛を固めなければ八重山諸島が攻撃を受ける蓋然性があるのです。日本としては、急迫不正の侵害により尖閣諸島が武力制圧された場合、必要な措置を取らざるを得ません、そしてその措置を取る必然性があれば、侵攻側も先制行動をとる可能性がある、ということ。

Simg_3576 八重山諸島へは、自衛隊も沿岸監視隊の配置に向けた駐屯地の取得など準備を行っていますが、配置されるのは沿岸監視隊であり、沿岸監視隊は一応の暫定的な守備隊としての能力を有してはいるものの、基本は警備小隊等少数のプレゼンスを示す能力の域を出るものではありません。

Simg_2543 プレゼンスを示すことは非常に重要であるのですけれども、一定規模の部隊を展開させていなければそもそもその任務を達成することが出来ず、例えば1982年のフォークランド紛争ではイギリスは縮小中隊規模の警備部隊を置いていたものの、アルゼンチン海兵隊と空挺部隊の強襲を受け、抵抗が成り立ちませんでした。

Simg_2362 この点、沖縄本島の第15旅団は第51普通科連隊と、偵察警戒車を運用する第15偵察隊のほかは、離島急患輸送に主眼を置いた第15飛行隊、沖縄本島の防空を担う第6高射特科群等があるのみで、普通科連隊の数が不十分、航空機はもちろん、特科火砲も戦車もありません。

Simg_1208 第15旅団、現状の態勢では残念ながら不十分で、例えば第15飛行隊を第15ヘリコプター隊に強化、第52普通科連隊を増設、北部九州の第4師団対馬警備隊のような離島警備部隊を八重山諸島に配置する必要はあるでしょう。警備隊は、本部管理中隊と一個普通科中隊を基幹とする部隊で、能力的には限界があるものの本部管理中隊を有することで本土からの増援中隊により容易に増強できます。

Simg_4777 もっとも、八重山諸島には演習場の問題があり、対馬のように島民の大きな支援と島の国有地や民有地を使っての生地訓練が行えなければ、部隊の訓練体制をとてもではありませんが維持できず、この問題をどう解決するのかが難しくなります。対馬警備隊も歴史と理解があってこそ成り立つ訓練体制ですので、この条件は一朝一夕には成り立ちません。

Simg_9142 普通科中隊を旅団内の普通科連隊で多数編制して、警備隊の隷下部隊との間で訓練を行う場合は沖縄本島の中隊とローテーション体制を構築、九州の演習場や本島北部の米軍訓練施設を利用する、という方式も考えられますが、八重山諸島に演習場を確保することは地形上できませんので、これも解決しなければならないところ。

Simg_3695 また、戦車隊を旅団隷下に置く必要も、特に八重山諸島への攻撃は空挺強襲が最も可能性として高いですから、空挺部隊を効率的に無力化することのできる戦車部隊を沖縄本島に配置させて、必要に応じて八重山諸島へ前進させる方法についても考える必要があるでしょう。

Img_0175 一方、離島部隊として最も難しい問題は、全般防空支援や全般火力支援を旅団が行うには、那覇駐屯地と八重山諸島があまりに距離がある、という事です。特に対空レーダ装置や低空レーダ装置などは旅団に配備できる数が一基で、これを八重山諸島に前進させると本当の野戦防空が成り立たなくなり、前進させなければ前線防空が成り立ちません。

Mimg_1650 レーダ装置を運用する情報小隊を複数置くとしても、勿論これも難しいのですが、実施したとしても、今度は本島と八重山諸島の通信基盤確保が、余りに距離がありすぎるため、衛星通信装置などを充分配置しなければならず、どうすればいいのか、この問題は真剣に考える必要がるでしょう。

北大路機関:はるな

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防衛産業、我が国防衛力を構成する重要要素の将来展望⑰ 装備統一化と更新の両立

2013-03-15 23:52:51 | 国際・政治

◆難しい非効率と効率の均衡点

 防衛装備品について、事業評価の観点から効率化が求められますが、そもそも軍隊は有意という究極の非効率への対処を行う、此処に両立の難しさがあります。

Simg_3698 旧式装備と新型装備、軍隊の装備体系は日々技術革新の連続で、十数年程度か装備によっては十年前後で世代の交代を迎えてしまいます。ここで、調達体系の効率化や弾薬などの共通化の面から画一化してしまうことが望ましいことは確かですが、画一化しようにもすべての部隊の更新は一挙に行えません。

Simg_5547 旧式装備であっても近代化改修によっては一世代程度ならば越えられる性能、部隊同士の連携により不足を補う共同交戦能力などの手段はありますが、それにしても限度というものがります。そして新しい装備を年々開発しなければなりませんので、更新頻度が遅れて行けば同一装備体系に複数の装備が混在してしまう。

Simg_4076 戦車で、例えば61式戦車に90mm砲ではなく105mm砲を搭載していれば74式戦車は必要なかったかもしれない、90式戦車をもっと研究し防御力を維持しつつ一割軽い45tに抑えていれば本土への大規模配備も、という仮定を行うことは正しいですが、しかし、当時の技術水準を考えれば実行すれば十年単位の制式化の遅れが出てしまう、事例背景を考えれば非現実的なものも多い。

Simg_2584 例えば、弾薬効率化を期して対戦車誘導弾の統一を行うにも、最初に制式化された64式対戦車誘導弾を半世紀改修し使い続けることは不可能ですし、79式対舟艇対戦車誘導弾の用途を半分の射程で弾頭重量も半分程度の87式対戦車誘導弾に補わせることは不可能です。

Simg_4477 もちろん、肩に担げて、射程が4km以上あり、追加弾頭で洋上の大型目標も一撃で破壊でき、という夢のような誘導弾が早い時期に開発されたならば、他の装備を調達する必要が無くなり、一挙に効率化を図れるのですが、なかなかそうした装備は開発できるものではありません。

Bimg_6146 例えば誘導弾共通化の事例として1971年に米軍で制式化されたTOWを挙げ、効率化の頂点のように考えられる方もいますが、米軍はそれまで大量に配備していたフランス製ライセンス生産のSS-11やSS-10対戦車ミサイルを全てNATOに供与することで装備を効率化しました。

Simg_6368_2 この方式は米軍の兵站系統を効率化することが出来たように見えますが、それまで大量に備蓄していたものを欧州に供与した訳ですので、例えば自衛隊が79式対舟艇対戦車誘導弾を大量に備蓄し、これを一挙に更新するためにさらに大量の新誘導弾を調達し、余った分を海外に用良する、とした場合、結局生産するミサイルは膨大なものとなるのですから、予算面では効率的となるのでしょうか。

Bimg_6026_2 即ち、現用の79式対舟艇対戦車誘導弾と87式対戦車誘導弾の共通後継装備は中距離多目的誘導弾です。二世代と三世代の誘導弾を師団・旅団対戦車隊と普通科中隊対戦車小隊にこの中距離多目的誘導弾が配備されることで統一化するのですが、仮に現有の79式対舟艇対戦車誘導弾と87式対戦車誘導弾、79式だけで150セットはありますが、中距離多目的誘導弾を一挙に400セット調達し、余った従来誘導弾を海外へ輸出する、こうした米軍が採ったような手段は、日本で受け入れられるのか、日本の予算でできるのか、ということ。

Bimg_0787 そして欧州では各国が第二世代誘導弾としてTOWを相次いで制式化したのですが、可搬性に限界がある各国は第三世代誘導弾としてもう少し持ち運びやすいミラン対戦車ミサイルを制式化、日本も担いで運べる87式対戦車誘導弾を開発しています。第二世代対戦車誘導弾が最初から軽量で運びやすい物ならば新型を開発せず済んだのですが、技術的にできないことを求めるのは酷でしょう。

Bimg_5596 そして対戦車誘導弾の種類を増やしたとされる96式多目的誘導弾システムは、光ファイヴァー間接誘導方式のこれまで異なる運用体系に或る、いわば戦術ミサイルシステムですので、これが増えた、という事は批判されるべきなのか、という気はしないでもありません。もともと普通科連隊の一部に或る対戦車中隊へは全国配備成った際にも96式の配備は考えられていない、師団対戦車隊が師団長最後の手札といわれた運用構想に依拠するものですので、これは対戦車用にも威力を発揮する多目的誘導弾、という認識が必要なのでしょう。

Simg_5926 地対空誘導弾についても、方面隊用の03式中距離地対空誘導弾やホークと師団旅団防空用の81式や11式短距離地対空誘導弾を護衛艦に搭載されているスタンダードミサイルSM-1とSM-2程度に中射程型と長射程型を共通性をもて開発できれば、理想的なのですが、どうしても運用体系が広域防空用と野戦防空用では異なります。

Simg_6393 それならば、携帯地対空ミサイルに8km程度の射程を有する程度に、スウェーデンのRBS-70等はまさにこれに当たるのですが、車載型と携帯型で共通化できるのでしょうが、勿論大型化しますので、携帯式とは言いつつも、長射程化は重量増大を意味し、三脚が必要になりとても長距離を携行できないものとなります。

Simg_2522 装甲車などでも、統一すれば量産体系は有利になることは認めるのですが、装甲車をどう使うかという視点から、例えば重装備を搭載するならば懸架装置や駆動系には相当の余裕が必要になり、調達費用も大きくなります。対して、余裕のない設計で行う場合共通化に際し搭載できる装備に上限が出来てしまうため、新型を開発する必要に迫られます。

Simg_1431 それならば、性能を割り切ったものと高性能を盛り込んだものとで、ハイローミックスとして区分したとしても、例えば狭い日本で運用するならば小回りが求められ、併せて防御戦闘で運用するならば車高の低さが求められ、協同する装備、戦車と協同する装甲車ならば泥濘の演習場で随伴できなければ使い物にならず、結局、似たような装甲車が開発されてしまう。

Simg_0073 どうしても一長一短になるならば専用装備を求めたほうが効率的なのではないか、とか、もしくは逆に実物を造り基本方を大量調達したうえで、その汎用性を、つまりどの程度ほかの用途に用いられるかを検討し、この範疇からこぼれてしまった装備を多種少数を専用として開発すればよいかなと、この論題も難しい。

Simg_1691 大量に装備するならば、安くて配備できるもの、という必要性は理解できるのですけれども、日本国内で運用するには、どうしても小回りが必要になります、そして小型さが必要となります。車体を小型化するだけではなく、一定規模以上の車両に小さな旋回半径を付与するには、どうしても足回りが細かくなり、これを無視しては日本国内で使えない装備になってしまうことを忘れてはなりません。

Simg_2001 数さえ揃えても、使えなければ意味がありませんので、効率化して多数を揃えるという行為そのものは、揃えることが目的なのではなく、揃えることで抑止力と防衛力に繋げることが目的、手段の目的化になっていないか、必要な性能を下回らないように注意する必要が出てきます。

Simg_7519 機動戦闘車や近接戦闘車用CTA機関砲に対しても、非効率的で機動戦闘車は従来型装甲戦闘車に置き換えるべきという指摘はありましたが、機動戦闘車が想定する対戦車戦闘に機関砲は通用しませんし、対戦車誘導弾では地形を選べる防御戦闘は別として機動打撃では使いにくいものがあります。

Simg_2983 CTA機関砲についても、歩兵戦闘車用に装備するものと、高射機関砲用に開発しているものですが、こちらは弾薬の共通化が目的で、将来的には偵察警戒車の25mm機関砲と自走高射機関砲用と装甲戦闘車用の35mm機関砲の砲弾を後継装備で共通化させるものです。輸出して量産効果を高める必要性ならば否定はしませんが、元から不要という論理には少々抵抗を感じるところ。

Simg_3976 防衛には様々な装備が必要となります。これを出来る限り共通化させることで量産効果を高めよう、という発想にはそこまで反対するものではありませんが、もともと防衛とは冒頭に記したように非効率であることを宿命づけられています、何故なら防衛、有事、これこそが通常の効率に関する論理がとおらなくなるのですから。

Sfile0599 なんとも、論理を固め終える前に考えつつ議論を展開してしまったところではありますが、防衛という政策の特殊性を考えさせられるところ。他方、そろそろこの特集も17回を数えましたが、まとめに掛かるべき時期ながら様々な論点が指摘され、もう少し続きます、どうかお付き合いください。

北大路機関:はるな

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平成二十四年度三月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2013.03.17・20)

2013-03-14 23:08:16 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 痒い、という文字を見るだけで目の奥がざらざらとする中、急激な温度変化にどの上着を着てゆくか朝から真剣に悩まねばならないようこの頃、皆様如何お過ごしでしょうか。

Img_1076 今週末の自衛隊関連行事ですが、日曜日だけではなく、来週にかけ色々と行事が行われます。来週は3月20日が祭日となっており、この関係で自衛隊行事が行われます、このなかには幹部候補生学校卒業式なども行われますので、お時間のある方は是非、足を運ばれてみてはどうでしょうか。

Gimg_45750 高知駐屯地創設47周年記念行事、第50普通科連隊創設7周年記念行事が、移設なった新しい高知駐屯地にて行われます。第50普通科連隊は善通寺第14旅団が混成団より拡大改編される際に創設、高知駐屯地新庁舎創設以前は近隣公共施設にて記念行事を行い、南海トラフ地震を睨む高知県の普通科連隊行事となっています。

Gimg_8753 徳島駐屯地創設1周年記念行事、こちらは祭日の水曜日に行われます。第14飛行隊の駐屯地で、創設から1周年という貴重な行事です。海に面していますが、四国を防衛警備管区とする第14旅団の隷下部隊で、多用途ヘリコプターと観測ヘリコプターを運用、海上自衛隊徳島航空基地に隣接する駐屯地です。

Img_0656 海上自衛隊第63期一般幹部候補生卒業式・第65期飛行幹部候補生卒業式が20日に江田島基地にて行われます。行事は一般非公開ですが、見送り式と共に艦艇が江田島基地を出港、この際に祝賀飛行として海上自衛隊や米海軍機の航過飛行も行われ、これを江田島にてみることができます。

Gimg_4325_1 新艦艇就役行事は、明日15日に三菱重工下関造船所にて新敷設艦むろと引渡式、21日木曜日にジャパンマリンユナイテッド横浜事業所鶴見工場にて新掃海艇ちちじま引渡式がそれぞれ執り行われます。こちらも一般非公開の行事ではありますが、造船所近くからは出港見送り式を見ることが出来るでしょう。

Gimg_4421 海上自衛隊基地週末一般公開は、佐世保基地が16日と17日に20日と一般公開され護衛艦さわぎり、上甲板見学が可能。舞鶴基地も16日と17日に20日が北吸桟橋一般公開で広報の上甲板公開が行われます。呉基地日曜日艦艇一般公開は呉地方隊HPにて17日は“調整中”となっています。ご確認の上お出かけください。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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新田原基地航空祭2011詳報⑩ 眺鷲台撮影位置から新田原基地へ展開

2013-03-13 23:21:54 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆新田原基地へ撮影位置の大移動

 前回までに新田原航空祭は午前中の飛行展示を完了させました、そして午前と午後にある飛行展示の休憩時間に当方も移動です。

Nimg_9158 航空自衛隊の最精鋭、飛行教導隊の面々。ここは新田原基地の中です。眺鷲台から新田原基地までは道路を経て敷地が接しているのですが、流石に滑走路を横切るわけには参りませんので、3kmほど気合いで移動し、基地へ入場、航空祭が行われている地上展示地区へと展開しました。

Nimg_9062 T-2高等練習機、既に退役していますが、飛行教導隊塗装にて保存されています。T-2は後期型がレーダーと空対空ミサイル運用能力に機関砲を搭載していました、現在はF-15を運用する飛行教導隊は以前、T-2を運用していました。こうした貴重な地上展示機と接することが出来るのも基地の中に入ってこそ、というもの。

Nimg_9015_1 基地の人口密度はこんなところ、朝一で開門と同時に基地へ入りまして最前列から撮影し、午後から順光の眺鷲台に向かうか、午前中に眺鷲台から撮影し午後から基地へ入るか、いろいろと航空祭プログラムを検討しましたが、新田原基地のメインはやはりイーグルでありファントムだろう、と今回の行動計画に。

Nimg_9026_1 新田原は秘奥展示が凄いといわれても、やはり一度は基地へ入り地上展示機を撮影したいところ。南九州の新田原基地航空祭ですが、北関東の百里基地からRF-4偵察機が展開して地上展示へ並んでいました、このほかにもいろいろと。空が白っぽく見えているのは逆光ゆえ。

Nimg_8936_1 こちらは小牧基地のC-130H輸送機、輸送機の機首、その背景のところには迷彩服の隊員さんが並んでいますのが見えるでしょうか、こののちに行われる空挺降下展示に向けて、C-1輸送機へと乗り込もうとしているところで、午前と午後の飛行展示の合間の時間ながら、午後の飛行展示の準備は着々と進んでいる。

Nimg_8954_1 航空祭の人口密度、入間基地よりはものすごく空いているのは当然ですが、百里基地航空祭や浜松基地航空祭よりは余裕があります、九州中から航空祭へ多くの方が展開しているのですが、東京や大阪からは新幹線で行くにもここ宮崎は九州新幹線鹿児島中央から距離があり、そこまで混雑しない。

Nimg_8930_1 U-4多用途機。航空祭でそこまで混雑していない行事といいますと、那覇基地航空祭と小牧基地航空祭が割と余裕がありました。迫力の飛行展示は嬉しいのですが、朝の新快速並みに混雑している前列の背後から撮影となると難しく、いい写真を撮るには撮影位置も大事、そういう意味ではここ新田原は何というか、楽しい航空祭です。

Nimg_9072 冒頭に掲載した飛行きょうどうたい塗装のT-2練習機、なんでもT-2の小さな機体の機動性はMiG-21に似ているとのことで、デルタ翼のMiG-21と小さな主翼のT-2は機動性が似ているのか疑問もあるのですが、特にT-2を原型とするF-1支援戦闘機は米空軍が好んで異機種戦闘訓練を求めたとのこと、現用のF-15はSu-27を想定した機動性、という事になるのでしょうか、ね。

Nimg_8966_1 F-15は操縦席も一般公開されていました。戦闘機の操縦席の写真を個々でお見せしたいところですが、生憎とこの基地でも他の基地と同様撮影はご遠慮ください、とのこと。見ての通り、官制塔と戦闘機という並びを見ますと、ここぞ先頭っ基地、という雰囲気が抜群に醸し出されています。操縦席一般公開もそこまで多くは並んでいません。

Nimg_8959_1 P-3C哨戒機、新田原基地と同じ南九州、鹿児島の鹿屋航空基地に配備されている海上自衛隊の哨戒機です。先ほどの空挺降下展示に向けての準備もどんどん進められている模様で、午後の飛行展示が開始されるまでにこちらも地上展示を全部撮影したいところ、足をはやめました。

Nimg_8925_1 管制塔近くでは、装具の試着展示も行われていました。ところで、お手洗いを探しつつ建物を見てみますと、“霧島火山噴火につき火山灰の建物侵入を防ぐため必ず戸締りをすること”、との掲示が出ていました。火山灰は電子機器に良い影響を及ぼしませんので、注意が必要ですが、この時期の宮崎は口蹄疫に火山灰、大変な時期だったわけです。

Nimg_8926_1 それにしても、民主党政権下で生起した口蹄疫災害は、対処が後手後手に回り、主管官庁の大臣が緊急時ながら対処を放置し外遊に出る始末、危機管理のお粗末さを露呈していたのですが、最大の危機管理が試されたのはその翌年、東日本大震災において対処が後手後手に回り主管官庁の指導力を政治主導により発揮させないという、反省が全く生かされなかったこと、残念でなりません。

Nimg_9143 色々と歩いて回っていたのは、地上展示も撮影するところだ多訳すけれども、同時に土産物や昼食も、と考えていたところでして、屋台が並んでいるところへと前進しました、なに、空挺降下の準備が進んでいましたが、プログラムを見てみますと、もう少し時間があるはず。

Nimg_8909_1 もっきゅんもっきゅんと名物宮崎地鶏の炭火焼を頬張りつつ足を進めてゆきますと、物凄い数の増槽が並んでいます。実はこの少し前に小松基地のF-15戦闘機が飛行中に増槽が破裂する事故がありまして、これを思い出した次第。もしかして、安全確認まで、この増槽も此処で保管されているのでしょうか。

Nimg_8904_1 この新田原までの撮影展開や航空祭以外の様子は、別の機会にも紹介したいところ。昼食も食べ終えましたし、再度地上展示機へと撮影へ足を進めました。空挺降下など午後の飛行展示が開始され、ブルーインパルスの飛行展示も続いて開始されます。これらの写真については、また次回紹介することとしましょう。

北大路機関:はるな

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防衛省、本日新哨戒機P-1の開発完了を発表、厚木航空基地へ部隊配備も発表

2013-03-12 23:42:46 | 先端軍事テクノロジー

◆平成13年度より開発計画を推進

 防衛省によれば、本日までに新哨戒機P-1の開発が完了したとのことです。国産の子の新しい航空機は年度内に厚木基地へ配備されます。

Pimg_7813 P-1哨戒機は、対潜哨戒や洋上哨戒に情報伝送といった任務に当たる現有のP-3C哨戒機を置き換える次期哨戒機P-X計画として2001年より開発を開始し、主契約企業として川崎重工が機体製造を担当、主なものでエンジンを石川島播磨重工が、胴体中央から後部を三菱重工が、レーダ装置を東芝が、主翼と垂直尾翼を富士重工が、情報処理装置を日本電気が、脚部を住友精密工業が、それぞれ担当し、日本国内の防衛産業及び航空産業が結集してオールジャパン体制にて開発に当たり、2007年に試作初号機が初飛行を達成しています。

Pimg_7274 このP-X計画は、同時に航空自衛隊の旧式化したC-1輸送機を置き換える新輸送機C-Xと同時開発し、可能な限りの部品を共通化することで開発費と製造費用を抑える野心的な試みとともに進められました。全く仕様も形状も要求性能も異なる機体ですが、重量の25%と部品品目で75%の共通化が図られ、特に風防や主翼外翼に水平尾翼、フライバイライト飛行制御装置、慣性航法システム、補助動力装置などは同一のものが採用されており、これにより数百億円の開発予算縮減に成功したようです。

Pimg_9978 厚木航空基地へは今年度中に2機が配備されることとなっていて、2008年度予算で4機分が、2010年度予算で1機分が、2011年度予算で3機分がそれぞれ計上され、数年内に一個航空隊所要が調達されることとなるでしょう。しかし、開発中にアメリカ製P-8A哨戒機の導入案が台頭、併せてアメリカ製リベットの強度不足や機体の強度不足が判明するなど、幾度か険しい道のりがありましたが、旅客機を無理に改造したP-8A哨戒機が対潜哨戒機としての能力を充分有さない現状を見ますと、国産が正解でした。

Pimg_28160 P-1哨戒機は、世界初のフライバイライト飛行制御実用航空機ですが、加えて現用のP-3C哨戒機、現時点で世界最高性能の対潜哨戒機であるP-3Cと比較した場合、戦闘行動半径や巡航高度、速度等の面で優れており、例えば那覇航空基地を拠点とした場合、インドネシア周辺海域までをその哨戒圏内に含めることが出来ます。国産AESAレーダーHPS-106を搭載するほか、アメリカと共同研究を行った対潜用電子機器によりP-8Aとの情報連携が可能、統合戦術通信システムにより水上戦闘艦や航空機と情報連携が可能です。

Pimg_2046 2013年に完成したP-1哨戒機ですが、1973年のヘリコプター搭載護衛艦はるな就役に伴う艦隊航空運用の再建、1993年のイージス艦こんごう就役に伴う艦隊防空体制の抜本的向上と、海上自衛隊史に並び記録される大きな出来事で、特に世界の哨戒機が大西洋正面等において対潜脅威の減退に伴い、洋上哨戒能力と情報優位に重点を置く中、隣国の潜水艦戦力近代化と増強により逆に潜水艦脅威が増大している太平洋正面において、日本は独自の対潜重視の装備体系を構築する必要に迫られたという事情が開発背景にありました。

Pimg_6332 他方、必要性に迫られての開発ではありますが、対潜哨戒においては、今世紀において本格的な対潜戦闘が展開される最も可能性が高い海域が太平洋となっていますので、この潜水艦脅威に対応するという恐らく世界で最も厳しい要求水準が求められ、海上自衛隊が創設以来、アメリカ海軍の供与航空機とそのライセンス生産や独自改良と共に、太平洋での対潜哨戒の実任務と潜水艦を目標として蓄積された多くの情報等に基づき、一応性能面では最高性能と出来たことは評価されるべきでしょう。

Pimg_0124 P-1哨戒機の開発完了に対し、P-8Aはボーイング737旅客機を母体としたことで、高高度定速巡航を行う旅客機と、対潜捜索を行う哨戒機の運用が乖離しすぎており、加えて頻繁な高度変更や低空捜索能力にも難があるため、低空捜索を別の無人機により担当し、P-8Aは高高度から官制を行うという難解な運用方式となっています。この為、調達費用は現時点でP-1哨戒機の倍程度、無人機の調達費などを含めればより大きくなり、米海軍でも108機を調達する方針に留めています。対して、P-1は70機程度の調達が見込まれ、我が国周辺の航路安全と海洋の自由を維持する重要な航空機として活躍することでしょう。関係者の皆様、お疲れ様でした。

北大路機関:はるな

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