北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

那覇基地、高まる脅威へ防空最前線となった陸海空自衛隊南西諸島防衛の一大拠点

2014-10-21 23:54:12 | 防衛・安全保障

◆中国の軍事圧力へ緊張高まる沖縄の現状

 沖縄、今や冷戦時代の北海道に並ぶ軍事圧力への最前線となりました。その様子を日常風景からお伝えしましょう。

Onimg_274_7 いまや我が国のスクランブル、対領空侵犯措置任務緊急発進の半数近くがこの那覇基地第83航空隊により実施、日本の対領空侵犯措置任務へは千歳基地、三沢基地、百里基地、小松基地、築城基地、新田原基地、那覇基地、これらで分担していることを考えれば防空最前線という表現は誇張ではありません。

Onimg_2087  P-1哨戒機、運用試験が進む海上自衛隊の最新鋭哨戒機、今年最初に撮影した07号機とはご縁が出来たようで、何故かここ那覇基地にもいました。そしてその背景には東シナ海から太平洋に掛けての空域での訓練へ向か誘導路を続々と進むF-15戦闘機の姿が。

Onimg_1906 沖縄は那覇駐屯地祭撮影に展開した当方、正午過ぎの僅かな時間ですが那覇基地を那覇空港展望台よりみてみようという当方の目の前に早速現れたのは、岩国基地第91航空隊の電子戦訓練支援機UP-3D,艦艇への電子戦訓練環境を供する航空機、恐らくこの沖合では海上自衛隊の訓練が行われているのでしょう。

Onimg_2128 那覇基地は那覇空港、観光産業が盛んな沖縄県空の玄関口那覇空港は東シナ海に面し青々とした海の向こうには白浜の絶景が視界に広がり観光客に次の展開を期待させるところですが、すぐ目の前を俯瞰すれば観光地という理想と共に最前線である現実を教えられるというところ。

Onimg_2166  電子戦訓練支援機UP-3D、訓練支援ポッドを翼に吊るし誘導路にて暫く旅客機の離着陸を見守っていたところで管制塔寄りの離陸許可を受け、既にF-15が多数離陸へ待機する中を傲然とエンジンの回転数を上げ続き機首を空へと持ち上げてゆっくりと離陸してゆきました。

Onimg_2250 F-15J戦闘機、1981年より導入を開始したF-15Jは近年、各機へ周辺国が運用するSu-27戦闘機一機分に匹敵する費用を投じデータリンクを軸とした将来戦に対応する電子機器を一新、大型で頑丈な機体を高出力エンジンにより高機動性を付与する機体を当面第一線で敵を圧倒させる能力を加えつつある。

Onimg_2270  F-15の編隊離陸、主翼にはAIM-9L空対空ミサイルを搭載している模様、AAM-3の登場と続くAAM-5の制式化により旧式化していますが、AIM-9L自体は世界的にまだ第一線において通用する能力を持ち、航空自衛隊では消耗部分を更新しつつミサイル備蓄数を年々強化し有事に備えています。一般に言われているほど自衛隊のミサイル数は少なくはありません。

Onimg_2283 突如、二機のF-15Jが最新鋭のAAM-5空対空ミサイルを装備し格納庫より飛び出してきました、この対応、緊急発進か、小松基地でも緊急発進の様子を間近に見ましたがここ那覇でも。既に今年の那覇からの緊急発進は上半期だけで210回に上る。

Onimg_2300  対応空侵犯措置、日常化している任務ですがその延長線上には万一の際には開戦の第一撃を交わすこととなる任務と共に重ねて我が国の防空体制を図るべく接近する航空機への命令の大元が次の軍事的火遊びに転じる事を実力で防ぐことも任務のひとつ。

Onimg_2354  スクランブル発進への対応能力を誇示することは現行憲法下での自衛権の制約下では平時の実戦と言えるもの、滑走路半ばに誘導路を進入し、二機ならび時機とともに管制一下旅客機や戦闘機の離着陸を差し止め轟音を遠く響かせ離陸してゆく。

Onimg_2395 離陸した戦闘機は、航空管制の支援下に国籍不明機へ向かい変針します。低空侵入機による領空侵犯事案等の反省から航空自衛隊は早期警戒機第603飛行隊を今年新編、E-2C早期警戒機を空中警戒させ低空侵入機に備えています。そしてその情報に基づく緊急発進、訓練飛行と違い騒音低減よりも迅速性が求められ、その配慮は止められません。

Onimg_2042  訓練へ向かうF-15と着陸する旅客機、前述の状況から増大する緊急発進へ対応するべく、築城基地より那覇基地へ一個飛行隊が編入され、航空隊は航空団へと拡大改編されることとなりますが那覇最寄の戦闘機部隊基地は宮崎県の新田原基地、中国機は奄美大島西方から沖縄へ進入する為、増援と相互支援を考えれば鹿児島県南部にもう一箇所必要ともいえるところ。

Onimg_2463 蒼い海を背景に画像データ収集機OP-3Cが着陸、岩国基地第81航空隊に所属し側方監視画像レーダSLAR及びLOROP遠距離監視センサーを搭載、情報取集にあたる航空機、この機体が岩国から那覇へ展開している、ということはその被写体となる外国艦艇が近い、ということ。

Onimg_2575 沖縄空の玄関那覇空港は、航空自衛隊那覇基地として領空侵犯へ対処する防空拠点であると共に海上自衛隊那覇航空基地として艦艇及び潜水艦へのシーレーン防衛及び領海警備拠点であり、隣には沖縄県の防衛警備及び災害派遣にあたる那覇駐屯地とヘリコプター隊が駐屯、過密空港そのもの。

Onimg_2583 先ほど降りてきたばかりのOP-3C,燃料を補給すると即座に離陸へと誘導路を進み始めました。慌ただしく旅客機ボーイング737と試験へ展開中のP-1哨戒機の合間を縫って離陸へ進むOP-3C,それだけ警戒すべき艦艇が近い、ということか。

Onimg_2625 P-3Cの航空隊とF-15の飛行隊が展開する基地、それだけ活気が、というところなのかもしれませんが機数全体ではほかにも多くが展開する基地がある、しかし、例えば千歳基地と比較した場合でも最初の一時間に離陸する機体の数がこちらの方が多い、そうしたなかU-125救難機、訓練展開として誘導路を離陸へと進む。

Onimg_2703 P-3C哨戒機、旅客機が那覇空港に着陸すると同時に目にするのがこのP-3C哨戒機、P-3Cは一機で広範囲の潜水艦を制圧できる高性能の反面小型フリゲイト一隻に匹敵する高価な航空機で世界的に10機以上保有する国は稀有ですが、海上自衛隊は80機を装備、うち20機が那覇に配備されています。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

那覇基地日常風景(2014-10-20)PowerShotG16撮影速報

2014-10-20 21:37:03 | 航空自衛隊 装備名鑑

■スクランブル発進も日常化

 本日、那覇基地を撮影してまいりましたが時間がありませんので特急車内からの記事更新です。

Nahaimg_6145 本日は朝一番に海軍司令部壕跡地の慰霊公園を見学し、その後那覇基地の方へ足を運びました。嘉手納基地や普天間基地へ、とも思ったのですが海軍司令部壕を見学したのちは、やはり米軍基地よりも海軍小禄飛行場の後身、那覇基地を見よう、ということになりまた次第、というところ。

Nahaimg_6148 何故かP-1哨戒機の7号機とP-3C哨戒機が並んでいまして、しかもOP-3などの機体、航空自衛隊もAAM-3やAAM-5を搭載したF-15が二桁の数、行き来しておりまして、改めて防衛について考えましたところです。撮影していますと欧州からの航空機愛好家旅行団の方と雑談をしたり出来、楽しいひと時を過ごせました。

Nahaimg_6146 驚いたのはアラートハンガーから勢いよく二機のF-15が滑走路半ばの誘導路に展開し短距離で離陸した瞬間、誘導路には訓練に向かう別のF-15も数機待機していたところで、ああ、スクランブル、これが緊急発進だ、と気付きました。E-2C早期警戒機も離陸、P-3Cも頻繁に行き来し、改めて沖縄へ周辺国の軍事圧力が掛る現状を思い知らされました。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第15旅団創設5周年・那覇駐屯地創設42周年記念行事PowerShotG-16撮影速報

2014-10-19 22:14:47 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■日本最南端を守る新しい精鋭旅団

 本日、第15旅団創設記念行事へ行ってまいりました。

Nahaimg_5671 第15旅団、離島急患輸送に不発弾処理と防空を主体とする第1混成団が年々高まる中国からの南西諸島への軍事圧力の増大に対し示した一大決心のひとつとして、防空能力の強化や野戦部隊の強化による島嶼部防衛能力強化を軸とした旅団への混成団拡大改編です。

Nahaimg_5690 旅団改編とともに普通科連隊の新編、偵察隊の創設、装甲車の配備も本格的に行われており、さらに急患輸送を主任務とした第101航空隊は拡大改編を受け、大型の輸送ヘリコプター8機など約20機の航空機を集中運用する第15ヘリコプター隊が創設されています。

Nahaimg_5687 軽装甲車両を中心とした編成ではありますが、ヘリコプター隊の空中機動能力により島嶼部へ中隊規模の車両部隊さえも緊急展開が可能となり、装甲部隊は各種ミサイルにより小規模部隊であっても防衛に限る場合非常に大きな打撃力を有する。

Nahaimg_5727  今年の増強改編では新しく中距離多目的誘導弾や11式短距離地対空誘導弾の配備が開始、着実に防衛力は整備されており、近い将来には離島への警備隊新編や地対艦ミサイル連隊の南西諸島配備も行われると報じられており、この趨勢は当面継続されましょう。

Nahaimg_5755 さて、ここ那覇駐屯地、事前情報では撮影位置がものすごく制限されており、一時の富士駐屯地や駒門駐屯地なみ、とききました。ただ、そこまで混雑しないともお教えいただき、朝一番に足を運ぶと共に丹念に撮影位置を探してみますと、やはり、駒門駐屯地のように素晴しい構図を見つけました。

Nahaimg_5757 旅団行事に戦車と火砲がともに参加しない行事は初めてですが、構図では迫力があります。そして航空部隊ですが、その編隊飛行の高度が低く、訓練展示における飛行もその高度な飛行能力を活かす操縦要員の技量の高さを示すようでした。EOS-7DはともかくG-16では追随できないほどに。

Nahaimg_5793 他方で少々の反省点ですが、この撮影位置で訓練展示を撮影することもできたものの、やはり観閲第周辺の方が良い写真が、と思い移動したこと。思い出されるのは観閲行進と訓練展示の移動、駒門でも同じ失敗をしていますので、もう少し経験を生かさなければ、と思った次第です。

Nahaimg_5806 今回の那覇駐屯地祭、最大の注目は11式短距離地対空誘導弾の撮影ができたことでした。高射学校祭にて展示されていますがその日当方は鹿屋航空基地祭、ようやく那覇に足を運んだことでこの新装備を撮影できたのでした。那覇、速報という形で掲載しました。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成27年度防衛予算概算要求概要⑱・・・自衛隊の特殊武器防護能力拡充Ⅰ

2014-10-18 01:54:20 | 防衛・安全保障

◆拡大する特殊武器防護能力 
 来年度予算概算要求では自衛隊の特殊武器への対処能力が強化されることが盛り込まれるようです。
Gimg_1418  特殊武器とは、NBC,核兵器と放射性物質、化学兵器、生物兵器、で放射性物質は核汚染物質などを爆薬などで散布し人員施設を被ばくさせ殺傷損壊するダーティーボム、化学剤は攻撃用のサリンなどの神経ガスや防御時の遅滞行動として地域汚染に用いるイペリットのような糜爛剤、生物兵器は炭疽菌など。
Saimg_4750  所謂大量破壊兵器であり、一端使用された際には規模にもよりますが多くの人命を奇異に陥れるほか、戦術核兵器よりも汚染が長期案続く場合があります。化学剤や生物剤は簡単な個人防護装備によりかなりの部分の被害を抑制できますが、一般市民にはそうした手段が無いため、これらが大量破壊兵器と呼ばれるのです。
Simg_3931  NBC兵器による攻撃への対処としまして、NBC偵察車の取得へ1両7億円が。新除染セットの取得として8両5億円が。核・生物・化学(NBC)攻撃等における大量の人員や装備品の汚染等に迅速に対処して被害の拡散や2次被害等を最小限にとどめるため、各種の除染能力を強化等の施策が要求されました。
Simg_1034  これにより自衛隊の特殊武器に対する対処能力は従来の自衛隊の行動のためのものに限定されその能力を以て各種事態へ対応してったものが国民全体の防護へ、大きく拡充を求められることとなり、新装備の取得などの予算要求は対処能力として新任務の要求へ対応するための各種装備の充実強化、と言い得るかもしれません。
Img_6436  従来の自衛隊の特殊武器への任務としまして、具体的には検知と除染に区分され、除染において人員等除染と地域除染、即ち自衛隊員への特殊武器攻撃が加えられた場合や自衛隊装備の中で消耗品扱いではない耐腐食性を有する装備への除染、という能力が整備され、各師団や旅団と中央即応集団に部隊が置かれています。
Img_73_66  中央即応集団の中央特殊武器防護隊や対特殊武器衛生隊、師団と旅団で大都市を担当する部隊には特殊武器防護隊、他の師団や旅団には化学防護隊が置かれ、自衛隊が行動を展開する上で必要な任務としての地域除染が求められ能力が整備された形で、災害派遣などに際してはその能力を以ての民生支援という行動をとったかたち。
Img_8095  人員等除染能力に従来の人員除染と装備品除染へ加わる形で、精密機材除染、歩行不能者除染、排水処理が新たに付与されるほか、地域など除染に地域除染に加えて新たに施設内除染が追加されることとなります。これにより特殊武器攻撃を受けた際における汚染地域での救助活動などの能力が向上することとなるでしょう。
Img_9146  精密機材除染、これは従来の装備などの除染に含まれるものでは無いのかとの指摘もあるやもしれませんが、従来までは自衛隊は部隊等に対し特殊武器攻撃を受けた際には速やかに個人防護措置を採ると共に車両乃至徒歩にて退避し地域除染を待って前進する、というものが前提でした。よって汚染地域での行動は短期間という想定なのです。
Ndbimg_2865  一般に、特殊武器攻撃の中で核攻撃に対しては地域退避か掩砲所などへの退避以外打つ手は無く、熱線や衝撃に近距離で対処することは不可能ですが、化学剤や生物剤によるものは攻撃を素早く検知する現在の自衛隊の装備態勢を見る限り、マスクと防護服が充分配備されているため脱着時の除染を行う現在の方式にてかなりの部分防護が可能です。
Ndbimg_4066  即ち、自衛隊への化学剤や生物剤攻撃は部隊の能力を喪失させることを企図して実施されるものであり、仮に殉職者が発生した場合場合でも可能な範囲内で収容に全力を尽くし、無理に収容するために被害を拡大させるよりは退避し、部隊の能力を維持したうえで化学剤投下を行った敵勢力の企図する次の行動を部隊の能力により撃破無力化せねばならない、ということ。
Ndbimg_9381  しかし、一般国民を標的として市街地などへの化学弾頭搭載弾道弾や航空攻撃による化学弾投下、更にゲリラコマンドーによる化学剤散布などの状況ではまず一般市民という防護手段を持たない人員の中で歩行不能者を除染を待って回収するのではなく、救命を前提とした搬送を行わなければなりません。
Nimg_4890  これは汚染地域での行動が長期化することを意味するため、退避による短期間の場合は車両除染等を従来通り念入りに化学剤については中和剤を、生物剤へは消毒剤を吹き付け無力化し対応することが出来たのですが、長期間の行動を汚染地域で、救命救出を展開する場合にはこの限りではなく、精密機材除染能力が求められることとなったかたちです。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成二十六年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2014.10.18・10.19)

2014-10-17 22:46:26 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 御嶽山噴火災害、今冬の捜索が積雪により一旦休止となったところですが、今週末の行事について。

Img_6228  今週末の自衛隊関連行事は、日本の最前線というべき沖縄県の那覇駐屯地にて第15旅団創設記念陸自祭が行われます。第15旅団は空中機動旅団とされる第12旅団と本部以外同編成のヘリコプター隊を隷下に有し、近年特に能力強化が進められている旅団の記念行事です。

Img_0002a 陸上自衛隊航空は、山岳地帯と離島を抱える我が国土の防衛に重要な位置を占めていますが、その要員教育と戦術研究に新装備評価の総本山、陸上自衛隊航空学校が置かれる明野駐屯地でも航空学校祭が行われます。学校祭ではこれほどの大編隊が、という数十機の編隊を見る事が出来る。

Kimg_4709 海上自衛隊でも航空教育部隊による航空祭が行われます。小月教育航空群が置かれる小月航空基地にてスウェルフェスタ2014が行われ、T-5練習機による編隊飛行や機動飛行、腕試しの航空シュミュレータ体験抽選、航空機地上展示などが行われる、とのこと。

Img_1499 陸上自衛隊関連行事ではこのほかに、第7普通科連隊の駐屯する京都府の福知山駐屯地にて駐屯地祭が行われます。市街パレードが有名ですが昨年と共に残念なことに水害の被害に見舞われた福知山市では今年も市街パレードを自粛する模様です。

Kimg_8143  出雲駐屯地祭、出雲駐屯地開庁記念行事が市内パレードというかたちで行われます。駐屯地の一般公開ではありませんが偵察警戒車等、市街では核力の威容を見せつけ、国引中央通にておこなわれるほか、市役所に隣接する公園にて装備品展示も行われるとのことで、 足を運ばれてみてはどうでしょうか。

Mimg_6543 その出雲市ちかく、出雲河下港ミサイル艇はやぶさ・うみたか一般公が18日と19日に行われます。ミサイル艇、二隻の揃っての一般公開は貴重ですがそれ以上に二隻が並んで入港し出航する様子、というものも撮影しますと一隻だけの情景とは段違いの威容です。

Img_9945 堺まつり護衛艦はたかぜ一般公開が18日と19日に行われます。はたかぜ型ミサイル護衛艦はターターシステムを採用する護衛艦として艦隊防空の一翼を担っていますが来年度予算に後継艦の建造が要求されています、全長が武器、というべき多数の装備を抱える威容は現用艦艇としてはなかなか見られなくなったもので、お近くの方は是非どうぞ。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イラク戦争時に大量破壊兵器が存在を米国防総省認める、サリンなど化学砲弾5000発

2014-10-16 22:47:01 | 国際・政治

◆逆転、大量破壊兵器がイラク戦争要因

 15日付のニューヨークタイムズ紙が伝えたところでは2003年のイラク戦争時、イラク軍が大量破壊兵器を保持し、米軍が発見していたとのこと。

Img_3062 2003年、アメリカを中心とする有志連合は国連からの授権決議に基づき国連安保理決議に基づきイラクが生産及び保有が禁止されている大量破壊兵器を保持し廃棄を拒否している都市、イラクフリーダム作戦を発動、イラク領内へ侵攻し有志連合の軍事力をもって政権を崩壊させました。

Img_0155a イラクは過去に大量破壊兵器をイランイラク戦争時におけるイラン都市部攻撃や国内のクルド人への治安作戦での投入に加え、1991年の湾岸戦争時代に大量破壊兵器の存在が確認され、その処理には国連の要請の下自衛隊も参加しており、イラク政府による国際機関の査察拒否なども重なり有志連合による軍事行動へ至りました。

Img_0264 この際にイラク政府は査察を拒否しながら大量破壊兵器の自主的廃棄を主張していたため、果たして査察を拒否している生産設備や貯蔵設備に大量破壊兵器が貯蔵されているか否かが大きな論点となりましたが、ニューヨークタイムズ紙によれば、イラク戦争後にバグダッド周辺でフセイン政権時代のサリンなど化学兵器の弾頭5000発以上が見つかったと報じたとのこと。

Img_8706  イラク軍が大量破壊兵器を貯蔵し保持していたとのニューヨークタイムズ報道は、NYタイムズが「情報自由法の下で公開請求し入手した政府文書によるものとされ、関係者からの不確かな情報のきき取というようなものでは無くれっきとした政府文書にこの情報が記載されており、これを報じたというもの。

Gimg_0801 当時の小泉首相は支持を表明、イラク戦争後の復興人道支援任務へは我が国自衛隊も事実上の多国籍任務師団の指揮下に入る形を取り復興人道支援任務へ自衛隊を派遣、戦闘地域と非戦闘地域の混在する競合地域に延べ10000名近い隊員を送り、復興人道支援任務を完遂、一人の戦死者も記録されず帰国することが出来ました。

Gimg_1316 この支持と復興人道任務支援への自衛隊派遣や空輸支援任務への部隊派遣といった行動ですが、イラク戦争後には大量破壊兵器の保有に関する証拠が存在しないとの最初の発表が為された際、これにより国連決議を支えるウうような論拠が破綻したとして当時の野党の激しい反発に曝されています。

Hmsimg_4998 大量破壊兵器貯蔵の証拠なしとの当初結論は、日本以外にもアメリカと共に有志連合に参加し師団規模の既往部隊を参加させたイギリス国内においても大きな批判として扱われ、イラク戦争の開戦そのものが国連決議を歪曲した軍事行動とし、決定に立ったアメリカのブッシュ政権やイギリスのブレア政権を大きく批判しています。

Vimg_9939 ニューヨークタイムズによる今回のイラク軍大量破壊兵器貯蔵の報道は、適切な訓練を受けていない兵員が大量破壊兵器などに触れたことで少なくとも数十名が負傷し、この負傷した米兵らが適切な医療支援が受けられなかったとともに名誉戦傷賞など負傷兵が得られる勲章や年金資格を得られなかったという部分から報じられました。

Adimg_7419 敬意は別として、イラク戦争開戦時点での大量破壊平易保持は驚くべき事実で、在るはずだとは言われて射たもののこれまで5000発という少なくは無い化学砲弾など発見が公表されることなく推移してきたことには不思議な印象を覚える事となった、というのが当方の率直な印象です。

Kimg_7687 この報道に基づきアメリカ国防総省報道官は、20名の米兵が2004年から2011年までのイラク駐留期間中に神経ガスやマスタードガスにさらされた事実を認識していると補足していることから画定情報という事が出来、一部で指摘された見込み違いのイラク攻撃や分析不足という批判は誤っていた、という結論に至るところ。

Img_3656f 他方でイラク戦争を開始した正統性にもかかわる大量破壊兵器の存在を公表しなかった姿勢が批判されるところですが、これについてアメリカ国防総省は敵対する勢力の手に化学兵器が渡ることを避けるための情報であったとしており、数年を経て情報が開示されたところから情報公開の姿勢は見る事が出来るかもしれません。

Iimg_9119 しかし、大量破壊兵器が存在したということでイラク戦争の正当性が漸く確認されたとの国連決議の有効性を考えると共に新しい問題が生じています。一部報道ではイラク及びシリアでの軍事行動を強めるISILイスラム国がこのうちアメリカ軍の未発見化学兵器を奪取したとの報道があるのです。もちろん経年劣化している可能性はありますが、調査されなければなりません。

Img_8755  化学兵器という大量破壊兵器の脅威に備えイラク戦争を、特に我が国は地下鉄サリン事件としてカルト教団による無差別テロというものを経験していたためその軍事行動を支援した我が国ではありますが、元々イラク胃の大量破壊兵器保有への危惧はこれらの大量破壊兵器がテロリストなどの武装勢力へ譲渡されることを防ぐためのもの。

Mimg_4137 ISILには元イラク軍の指揮官クラスが参加しているとの情報があるため、アメリカ駐留時代に発見できなかった化学兵器の存在はある程度想定は出来るのですが、このまま大量破壊兵器が流通し使用されるような状況となってしまえば、イラク戦争の多大な犠牲を払って阻止しようとした危惧が現実のものとなりかねません。

Img_2861 思想信条を越えて個々人の自己実現を阻害する社会は回避されるべきで、大量破壊兵器の使用はその侵害の最たるものです。イラク戦争辞典での大量破壊兵器イラク軍保有が確認されたと共に、これら兵器が武装勢力の手で使用される可能性はどの程度あるのか、化学兵器は経年劣化しますが、慎重にその脅威度を見極め対処することが必要でしょう。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月14日『鉄道の日』特別企画Ⅱ 日本の夜行列車、夜間旅客輸送の在り方を考える

2014-10-15 19:52:28 | コラム

◆夜行列車で夜間電力と非有効時間帯を活かす
 鉄道の日記念企画、本日は夜行列車について。夜行列車で夜間電力と社会非有効時間帯を活かす、との視点から見てみましょう。
Rwimg_271_2_rs  夜間電力の余剰という現在の全国原子力発電所停止下での電力に余裕がある時間帯に、夜間輸送を行うということは併せて夜間輸送が昼間輸送、有効時間帯での輸送需要を先取りする形ともなるのですから、特に省エネルギー輸送機関を自称してきた鉄道事業者は、この問題に積極的に取り組むべきです。
Rwimg_2098  夜間輸送は、ブルートレインに代表される夜行列車が最初に思いうかべられるところですが、このほかについても併せて製造業の夜間シフトに対応する夜間の鉄道輸送全般に関する新しい視座、夜間旅客輸送需要に関する航空旅客輸送と鉄道旅客輸送の連環などが挙げられるでしょう。
Rwimg_0899  寝台特急は北斗星、トワイライトエクスプレス、カシオペアの廃止を以て九州ブルートレイン全廃に続く北海道ブルートレイン全廃、これにより寝台特急あさかぜ以来のブルートレインの命脈は名実ともに終了し、電車寝台特急が僅かに東京と出雲や瀬戸を結ぶのみとなります。
Rwimg_2061  他方でクルーズトレインとして旅行に特化した長距離列車がJR九州のななつぼし運行開始を契機としてJR西日本及びJR東日本において運行を開始する予定で、それまでの期間、豪華列車の代名詞としてその設備の秀逸性が認められるカシオペア及びトワイライトエクスプレス編成は維持されることとなるようです。
Rwimg_2020 過去に夢空間編成として北斗星用に高度な客室空間を有する客車が導入され、その廃止により我が国でのクルーズトレインの位置づけには懐疑的な要素が存在しましたが、この部分はJR九州の成功により後追いを始める形となった模様で、これが単発的なものとなるかは現時点では未知数というところ。
Rwimg_2508  課題としてはクルーズトレイン需要の見誤りで、クルーズトレイン需要は沿線需要ではなく遠方からの旅行者への需要、つまり全国での需要全体は限りがあるため、九州で成功し本州でも成り立つ、という構図よりは九州の需要を本州で充てる、というかたちにほかなりません。
Rwimg_2552  夜行列車特に寝台特急は輸送機関としての需要にクルーズトレイン要素を加味したものですが、クルーズトレインはクルーズトレインそのものの付加価値により運行しているため、旅客輸送需要に左右されない、同じ意味で最低乗車率の担保となる沿線需要も存在しないわけです。
Rwimg_2592  反面先んじて廃止された北陸方面夜行列車車体系や日本海縦貫線東北方面夜行列車体系について、特に北陸方面に対しては北陸新幹線の位置づけが置き換える形となり、最終的に北陸新幹線大阪開業を目指す現在の方針に鑑みれば寝台特急網は新幹線により置き換えられることとなりました。
Rwimg_2593  この利便性ですが、北陸方面寝台特急や大阪からの北陸方面夜行急行の発車時間帯よりも新幹線の最終発車時間帯は早まることは必至で、隔靴掻痒というところでしょうか、始発の早朝化などの改善を行うにしても全般として旅客輸送への利便性は失われることとなるでしょう。
Rwimg_2695  したがって、非有効時間帯という夜行列車運行時間内の旅客輸送需要をどう見るかにより判断されるべき命題ですが、夜行輸送需要は長距離バスやツアーバスなどによる需要が確かに存在することから、ホームライナーの延長線上の夜行急行というようなかたちの需要は算定しなければなりません。
Rwimg_2962  例えば、翌日始発までの時間を利用した優等列車による需要の転換、特にバスに対し安全性での利点を強調した輸送体系の提示は求められるところです。この背景として、夜行輸送を列車に依存することで鉄道全般の輸送力を最大限活用するという大きな利点が生じてくるわけです。
Rwimg_3209  併せて、季節運航など当然路線認可を経ないツアーバス形態をとっていることから明白ですが、路線維持に不安定要素が残るバスに対し法的裏付けが路線認可や運賃認可というかたちで明確化している鉄道が維持されることで、事業者よりもむしろ利用者への利便性確保という恩恵を担保できる事となるでしょう。
Rwimg_3366  通勤輸送需要、夜行輸送とは体面に或る通勤輸送需要への対応について。通勤輸送需要への対応は、24時間輸送への今後の視点という形で検討しなければなりません。東京五輪2020年開幕を前に確実に終夜輸送需要への需要は、特に五輪観覧者からの要請として拡大します。
Rwimg_3474  そこで比較すべき点ですが、通勤輸送需要についての海外での終夜輸送は地下鉄線のみの事例から近郊線までを輸送の範囲としている事例までありますが、一定以上の路線網を持つ諸国に対して、我が国の夜行輸送体系全廃の方向性提示は非常に稀有だ、といえるでしょう。
Rwimg_3512  言い換えるならば非有効時間帯輸送需要へ対応する夜間運転要員確保の命題は、夜行列車輸送体系についての廃止という動向を受けますます困難となります。この要素は少なからず近郊線での終夜輸送体系の構築を阻害しているとみることはできるやもしれません、これは何を意味するか。
Rwimg_3682  無論、非有効時間帯は路線保線の重要な作業時間であり、安易に輸送需要や要請に依拠した運行計画を求められたとしても鉄道全般の安全性に鑑みれば対応しにくい命題ではあります。反面、終夜輸送への対応は、特に航空機輸送における空港の24時間機能付与の面からの要請が大きい。
Rwimg_3757  航空機輸送における空港の24時間機能付与が各国で導入されており、我が国へも24時間発着への対応が強く求められると共にその整備が進められています。この点でやはり難題となるのが空港連絡鉄道の位置づけで、現時点では空港との連絡輸送はバスのみとなり、不十分です。
Rwimg_3890  空港都市間鉄道終夜運行が実現しなければ利用者は空港へ足止めとなりますので空港機能の24時間化への最大の意義がうしなわれてしまうでしょう。深夜に空港に到着しても、始発までの長時間、空港に足止めというものは如何とも不便で、サービスとしては不十分と言わざるを得ない。
Rwimg_3907  夜間発着に対応するとして、航空管制やターミナルの機能時間延長は行われており、加えて空港内でのホテル整備や簡易宿泊施設整備が行われる事例は無いではないのですが、空港周辺宿泊施設が整備されたとしても都市部繁華街のような食事や入浴面での利便性は期待しにくいところ。
Rwimg_4005  しかしながら福岡空港のように都市部中心部に空港が位置する事例を例外として、京阪神地区から関西国際空港まで、首都圏から成田空港まで、中部空港より名古屋市内まで、千歳空港より札幌へと言った路線の距離は比較的長く、安易に運行を求める事は、やはり難しい。
Rwimg_4075  仮に列車を毎時一本としても、駅機能の維持や安全面の確保など必要な人員は運転指令などを含めれば非常に広いすそ野を必要とし、終夜運行に見合うだけの旅客機発着が定着しなければ基盤整備及び要員確保が不採算となり、それならば不十分ではあるものの空港周辺の宿泊設備強化とを期してはどうかとの空港側への視座にもつながるところ。
Rwimg_4157  他方でこの分野における命題を解決すれば、空港が近郊に位置するという位置づけと併せ近郊線夜間輸送体系が期せずして異なる位置から実現することとなります。更に種や輸送が試験的なものでは無く恒常的な運行として定着するという担保が特に空港都市間輸送の実現で盤石なものとなれば、どうでしょうか。
Rwimg_4194  例えば、終夜輸送路線近傍住宅地への新造成や再開発という新しい需要を掘り起こす事ともなるわけです。言い換えれば空港都市間夜間輸送基盤に乗じて運行路線を同時に近郊終夜輸送路線へ転換するというものです。こうしたならば、非常に限定された地域ですが社会全体産業全般の非有効時間帯の活用へ目処がつくやもしれません。
Rwimg_4315  加えて、夜間運転要員確保は寝台特急を含む長距離夜間輸送にも弾みをつける事となり、現在アもつ列車に限定されている夜間輸送に旅客輸送の再活性化という大きな転換点が迎えられるやもしれません、これは夜間要員確保と夜間旅客輸送需要の不一致がまねいたのみ。
Rwimg_4349  総需要は存在するものの既存の夜間輸送体系は旅客輸送需要の方式に合致されないため他の交通手段に流れているのみであり、言い換えれば需要はいまの他の輸送機関等を見る限り、確たる規模で存在するものの、夜間旅客輸送場の質的命題をとらえちがえて生じているものなのですから。
Rwimg_4463  無論、大規模ターミナル全体を維持する必要は無く、首都圏であれば東京駅や新宿駅の全ての機能を維持するのではなく、夜間輸送用の限られた空間以外は施錠し対応し、本数を局限化し省力化に尽力すべきでしょう。この点で宅地開発の項目と重なりますが停車駅についても大きな検証要素と成ります。
Rwimg_4511  新幹線の夜間輸送についてですが、保線の時間を考えた場合得策ではありません。特に運行システムが大きく、安全性を考えた場合には安易に旅客列車を運行させられないほか、高速鉄道故の夜間走行についてどうしても避けて通る事のでき無い命題、騒音に問題も大きい。
Rwimg_4724  しかし、新幹線夜間輸送への需要は長く指摘されているところでして、夜間輸送体系に関する特集記事に在って、鉄道輸送の優位性確保の観点から多少は検証してみる事としましょう。幾つかが考えられますが、現実的視点としましては長時間停車方式や新幹線リレー号方式等が考えられるところ。
Rwimg_4806  長時間停車方式は最終列車が比較的早い新幹線に在って、より遅い列車を近傍の駅に最終列車時間帯に停車させ、始発時間まで待機させ、車内で乗客は就寝しつつ、始発時間帯近くに運航を開始し、夜行列車特に寝台特急運行時代の目的地到着時間までに始発として到着できる要する、というもの。
Rwimg_4892  あさかぜ、あかつき、東海道山陽新幹線にて運行する際には夜行運行の特殊性とともに以下に示す変則的な停車駅の類別、更に長時間停車を行うという乗客への明示から、のぞみ号ひかり号こだま号さくら号みずほ号ではなく、新しいかつての列車故障を充当し運行したらば、とも。
Rwimg_4971  東京駅近傍の三島駅、大阪駅近傍の新神戸駅、名古屋駅近傍の三河安城駅、広島駅近傍の新倉敷駅、2300時台に発車し60分で踏破できる駅まで前進し、主要駅で扉扱いをせず停車するか、近傍のホーム維持に最小限度の要員で対応可能な駅にて改札対応せず停車することで、人的な負担は局限化されます。
Rwimg_5221  ブルートレインに代表される寝台特急は客車列車方式で今日的に低速列車となっていましたが、非有効時間帯に扉扱いをせず走破することで優位性を確保してきました、新幹線は非有効時間帯に長時間停車し動かないものの、有効時間を挟み最高速度の大きさを活かして同じ時間帯の輸送需要に対応できるでしょう。
Rwimg_5225  むろん、N-700Aの座席は固く、夜間には不向きです。一方で583系寝台電車のような新型車両などは新規製造しても採算が取れません。ただ、新幹線による夜間輸送の在り方としての社会実験程度であれば、実際に現在の運航時間外は長時間停車しているのみですので、需要があれば継続なければ廃止、失うものはありません。
Rwimg_5386  もっとも、この輸送は新幹線に夜間のみ一回だけの途中下車を設定し、JRインのような駅隣接宿泊施設を新幹線駅に設置し、寝台料金程度で非有効時間帯の最終新幹線から始発新幹線までの時間帯を就寝できる体制を構築するだけでも、夜行列車、特に東京からの九州ブルートレインよりもかなり早く目的地に到着できるのですが。
Rwimg_5400  更に一つは新幹線リレー号方式、特に新幹線リレー号として夜間快速に近い距離、400km程度を2300時発0500時着の時間として運行し、新幹線にて90分程度の距離を先んじて到着し新幹線へ乗り換える事で目的地への到着時間を短縮する、という方式は併せて考えられるところ。
Rwimg_5467  東京発寝台特急富士号を、最終新幹線で名古屋にて追いつき広島まで夜間に移動し、広島駅で始発のぞみ号に乗り換える、広島から岡山まで最終のぞみ号にて前進し富士号乗り換え、浜松駅にて始発ひかり号乗り換えで東京へ、こうした変則的な利用事例は、小説の列車トリックのみならず本当に時間の無い方には愛用された方式でした。
Rwimg_5632  もちろん、空港の24時間運航へ対応する近郊線終夜運行を提示した際、空港の24時間運航対応空港が広まり、国内線の深夜運行が開始されたならば、新幹線の夜間運行に意味は無くなり、併せて寝台特急の大きな競合相手ともなります。この点で地方空港は、騒音と夜間運行が問題となります。
Rwimg_5747  新幹線の場合0系とN-700Aではかなり騒音の縮小措置が取られましたが旅客機はそれほどおきな騒音縮小、今回提示している方式は新幹線は夜間長時間停車、リレー号は貨物列車と同じ深夜運行ですので騒音に変化は生じないものの地方空港での終夜運行はボンバルディアDHC400のような低騒音機でも深夜発着は少々無理があるところでしょう。
Rwimg_5778  事実空港の24時間対応は羽田空港の新国際線ターミナル、関西国際空港貨物ターミナルなど一部の国際空港に限られているため、夜間輸送の列車需要を脅かすような国内航空路線の可能性というものは少ないともいえ、隙間を縫うような航空輸送の在り方というものは検討されるべきかもしれません。
Rwimg_5944  さて、少々脱線が過ぎた印象がありますが、都市部と近郊では夜行輸送を求める需要があり、都市間輸送についても夜行需要ではなく非有効時間帯を活用した速達性という意味での需要は存在します。この需要へ対応するには既存車両体系を以て運用を切り替えるのみでも対応できる訳です。冒頭に記した夜間電力の活用も加味した新しい鉄道の夜間輸送は検討されるべきと考える次第です。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月14日『鉄道の日』 東海道新幹線開通50周年と北陸新幹線金沢開業前年

2014-10-14 23:51:45 | コラム

◆鉄道の日、官営鉄道横浜新橋間開業の日

 本日は鉄道の日です。鉄道の日は官営鉄道横浜新橋間開業の日を記念し制定されました。

Rwimg_0500  鉄道は陸上輸送網に大きな影響力をその発明以来維持し続けています通勤電車の通常定員は。概ね150名、首都圏では10両編成以上で乗車率によっては一編成で2000名を遙かに超える人員を数分おきに運航し輸送しており、他の交通機関では対応できません。

Rwimg_0043  新幹線特急電車は東海道山陽新幹線で16両編成1322座席を定数として最大毎時12本上下24本を最高速度300km/hという高速で運行、500kmを隔てた首都圏2500万と京阪神中京圏2000万の人口新幹線と連動する在来線と共に運行し結んでいます。

Rwimg_0163  2027年には中央新幹線としてリニア新幹線が開業し、首都圏と中京圏を40分で連絡、此処までの高速度は航空機でも旅客機ではなかなか競合出来ない水準で、文字どおり夢の技術の具現化がいよいよ現実味を帯びてきた近未来の現実化、と言えるでしょう。

Rwimg_0305  日本の鉄道は運行システムとダイヤの面で世界最高の水準にある、と今日では言われるところですがその黎明期は決して優れたものでは無く、一から十までイギリスの技術を高い費用を要して導入、ダイヤグラム編制すら理解されていませんでした。

Rwimg_0382  もとより我が国鉄道は地皺に富んだ狭隘地形、列島は細長く二千キロにおよぶと共に中央部には3000m級山岳地帯が聳え立つ、河川は急流で山岳は岩盤と地下水脈の連続、此処に鉄道網を開通させることは文字通り普通の事業ではありません。

Rwimg_0543  しかし、鉄道網は自動車の実用化直前の時期に着手され、航空機の初飛行以前であったため、そのふきゅうは都市圏と都市圏と、地方と地方と、順次結び一時は民営鉄道の官営化などの荒業を続け、海外留学を経た技術者を重用し、必要な技術を取り入れ続け伸ばし続けたもの。

Rwimg_0611  もちろん、我田引鉄と呼ばれる地方政治家の支持集約基盤の出力としての鉄道網整備という必要性から無計画に路線が延長に延長を続け、結果的に輸送需要に見合わない鉄道輸送網の構築が結果論としてですが鉄道全般の輸送体制に不協和音を及ぼしています。

Rwimg_0746  一方、鉄道とは通勤手段及び商業連絡手段、貨物物流輸送手段、観光手段、何れかであるかという問いと共にその配分についての度合いを常に議論させ、併せて我田引鉄とともに鉄道網の輸送能力格差が地域発展にも影響を及ぼすようになっているところ。

Rwimg_0879  即ち、交通網の発達が交通輸送力を前提とした産業構造を構築しているため、結果的に鉄道輸送能力が産業基盤に帰結するという状況が現出し、これは情報通信基盤に依拠する産業基盤への技術転換を前にしても、逆に基幹部分の人的関係と輸送基盤への依存を度高めている。

Rwimg_0900  言い換えれば鉄道網の未発達地域派からの雇用等が鉄道集約地点にけっか的に集約されることとなり、地方格差と過疎化の進展、鉄道集約地域への人的集約の過剰化、医療公共サービスの必然的な鉄道集約地域への集中を招き、地方格差の増大という悪循環を招いてしまった。

Rwimg_1174_1  併せて鉄道輸送需要の形態が前述の物流か通勤通学か観光か、という視点の競合が発生し、この命題への対応が単なる鉄道車両の高速化により輸送需要への返答を時間短縮化を念頭とする体系への転換が生じ、結果的に高速鉄道や運行頻度という命題を生んでいます。

Rwimg_1276  同時にこれは、高速輸送基盤を持つ高需要路線と過疎閑散区路線との格差を拡大させることとなりました。泥縄式に観光輸送列車による需要喚起が、バブル期と団塊世代退職期に合わせ進められていますが、同時期に輸送機関の多様化が重なり、閑散区需要の掘り起こしには至っていません。

Rwimg_1467  輸送需要に他の交通機関が対応できるならば話は別となるのですが、観光輸送には長距離輸送や沿岸部を除き鉄道輸送に頼る部分はやはり大きく、通勤需要については他の輸送機関に対応するには一部の道路網発展地域のみ、貨物輸送は陸上では今なお鉄道頼り。

Rwimg_1747  三分化する輸送需要ですが、いずれも三位一体により相互補完し成り立つもので鉄道という基盤を欠いてはいずれも成り立ちません。これが意味するところは、全般の需要を喚起しなければ全体として衰退してゆく、ということ。

Rwimg_1834 しかし、輸送需要全般で観るところでは消費の冷え込みと指摘されるものの航空輸送への格安航空輸送や夜間でのツアーバス運行などで行こうというよりは全体として底上げしているとの数値もあり、鉄道輸送全般で輸送需要の転換を図る事は当然機会としては存在するでしょう。

Rwimg_1938 もちろん、この命題は鉄道というひとくくりでは見出せるものでは無く、区分し個々のものを特殊事例を含め検証しなければならないことは言うまでもないのですが、反面交通手段は鉄道化バスか自家用車か航空機か旅客船か、と選択肢にはひとくくりにされていることも確か。

Rwimg_1964 このなかで、鉄道の地方基幹路線新幹線への転換や在来線特急の画一化と新幹線旅客サービスの簡素化や夜行輸送体系の再編、災害対策方式の転換など様々な検討すべき課題が顕在化しているのも現在、守りに入れば衰退するか反映するのかの分水嶺、ということが言えるかもしれません。

Rwimg_1992 もちろん、旅客輸送需要はその特性ごとに、鉄道内だけではなくもろもろのものすべてを含めての輸送機関全般も、適材適所というべきでしょうか、棲み分けされている部分もあります。この点から今後数回に分け、鉄道について考えてゆこうと思います。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

御嶽山噴火災害自衛隊災害派遣 火山災害は降雪期を前に行方不明者捜索を中心に展開

2014-10-13 23:44:01 | 防災・災害派遣

◆噴火当日第13連隊はCALFEX2014派遣中

 御嶽山火山災害ですが、大規模噴火は続いていないものの行方不明者捜索は長期化しています。

Pkoimg_6693  9月27日の御嶽山で噴火が発生に際し1431時の長野県知事から陸上自衛隊第13普通科連隊災害派遣要請とともに3000m級火山山頂での捜索救難活動という非常に困難な任務が開始、陸上自衛隊は330名お部隊を派遣し延べ派遣人員は4320名に上り、現在も派遣部隊を展開中です。

Gimg_5947  非常に困難な災害派遣となる事は標高の高さから見て取れましたが、派遣隊員は88式鉄帽と戦闘防弾チョッキ2型を着用、火山弾の直撃に備えてのものと考えられるのですが、双方とも着用すればかなりの重量、工具んでゃ着用しないといわれる戦闘防弾チョッキを着用しなければならないほどの危険度を冒しての派遣ということになりました。

Img_481_5  噴火によって56名が死亡、まだ数名の行方不明者がいる可能性があり、相殺が継続されていますが、御嶽山は3000m火山、日本アルプスに位置し二週間から三週間の後には降雪が始まるため、積雪期の捜索は事実上不可能、余り時間は残っていません。

Kimg_1176  このために第12旅団は空中機動旅団と称される強力なヘリコプター輸送部隊として第12ヘリコプター隊を編成においているため、大人数の捜索部隊を一挙に山頂へ展開させ、行方不明者は迅速に多用途ヘリコプターにより輸送、上空からもヘリコプターが行方府営者や火山噴火口情報を収集するという、空地一体となった任務が展開中です。

Simg_4093  山麓では火山灰被害は火山防災上の危惧程には見られないものの既に降灰量は山頂付近では1mと堆積しており、水分を含めば凝固し火山性アスファルトを構成することから捜索はままならず、自衛隊は最新の画像表示型地雷探知器を用いて地中下の捜索を継続中です。

Amimg_1713 今回の御嶽山火山災害は噴火口付近に多くの登山客が集まる時間帯の不意の噴火であったため、多くの犠牲者をだし、戦後最大の火山災害犠牲者を出す事となったのは非常に残念でした。しかし噴出物総量などから見た火山活動の規模は小規模噴火であり、噴火当日午後の水蒸気爆発以降、大きな爆発は発生していません。

Iimg_7731  噴出量が少ない小規模噴火であるという事実は、降雨によるラハール発生の危険性を非常に少なくするもので、併せて降雪期にはラハール発生が抑制されるため、周辺地域へのラハール被害発生という危険性が多少は抑えられたことは不幸中の僥倖と言えるでしょう。

Aimg_9691 第13旅団は噴火当日、CALFEX2014としてその主力を派米訓練として、ワシントン州ヤキマ演習場へ派遣中であり、8月29日から9月28日という派遣期間中、部隊の帰国が完了しつつあるところでの噴火という非常に困難な状況となっていました。

Eimg_2963 部隊は旅団管区より人員を確保し、交代要員を持って任務に当たっているのですが、山岳連隊と呼ばれる松本の第13普通科連隊は別として慣れない山岳地での重装備での長時間任務という事もあり、高山病や低体温症での搬送という事例も出ています。また、警察及び消防も協力し主力を構成しています。

Img_5280  今後火山活動はマグマ噴火へ発展する危惧がありますが、水蒸気爆発が引き金となり数千気圧の深層マグマが一挙に大気中へ吹き出すことで広範囲が火砕流に飲み込まれる破局噴火という状況に展開する可能性は今回の噴火に際しては解消されていますので、落ち着いた対応が必要となるでしょう。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

防衛省・自衛隊60周年記念航空観閲式10月26日(日)に百里基地を会場へ実施へ

2014-10-12 22:59:25 | 北大路機関 広報

◆自衛隊機100機参加予定、F-35モックアップも

 防衛省によれば防衛省・自衛隊60周年記念航空観閲式の概要が正式に決定し発表されました。

Img_8751  10月26日に本番が実施される防衛省・自衛隊60周年記念航空観閲式は、陸上自衛隊の中央観閲式、海上自衛隊の観艦式とともに陸海空自衛隊が持ち回りにて実施する自衛隊記念日の国家行事で自衛隊60周年を迎える本年は航空自衛隊が実施の担当となりました。

G12img_8403  自衛隊記念日行事が陸海空持ち回り式となったのは橋本内閣時代、この当時は中央観閲式が陸上自衛隊行事で、観艦式が実質的に毎年開催を目指しながら持ち回りとなっていたため、陸海空も持ち回りと正式決定しました。当時は観艦式を海上観閲式と名称変更を期したものの内外の反対により観艦式が維持されたのもこのころでした。

Gimg_98510 式典会場として首都圏は茨城県、航空自衛隊百里基地及び同周辺空域において実施されます。航空祭と違い招待者のみの参加式典となりますので、見学を希望される方は招待状をもらうか、それ以外の方々は茨城空港側から観閲飛行を撮影するのみとなります。

Osimg_1503 主催者及び部隊の参加規模について、主催者は防衛大臣、実施責任者には航空幕僚長、更に執行者は航空総隊司令官、となります。式典規模は人員740名でこれは観閲地上部隊として整列し参加する部隊、車両25両、航空機80機、加えて自衛隊機20機程度が地上展示機として参加し、100機の自衛隊機が参加するようです。

Img_11_6_7  防衛省によれば、自衛隊機以外の参加航空機としまして米海兵隊のMV-22オスプレイ可動翼機1機、次期戦闘機として選定されたF-35のモックアップ機が地上展示へ参加するとのこと。公式行事でモックアップとはいえF-35参加するのは今回が初めてとなります。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする