北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-第106空挺師団と第52独立砲兵旅団クルスクへハリコフ侵攻部隊から抽出

2024-09-27 07:00:29 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ロシア機による領空侵犯事案の前にはこうした事象が。

 ロシア軍機による日本一周飛行が5年ぶりに確認された。防衛省が9月12日に発表したところよれば、ロシア空軍のTu-142哨戒機2機が日本一周の長距離飛行を実施したとのこと。Tu-142哨戒機は名称は哨戒機ではあるもののIl-38哨戒機のような対潜哨戒機とは異なり、Tu-95戦略爆撃機を原型とした長距離哨戒機、航空自衛隊は緊急発進を実施しました。

 日本一周飛行が全壊行われたのは2019年6月で、この際には哨戒機ではなく爆撃機が2機、この際に航空自衛隊は緊急発進を実施しましたが、沖縄県の南大東島付近で領空侵犯、その後にも東京都の八丈島付近で二度目となる領空侵犯事件を発生させています。今回の日本一周飛行では領空侵犯は発生せず、航空自衛隊も邀撃機による警告にとどめています。
■クルスク戦線増強
 第106空挺師団はかなり抽出されてどのくらいウクライナに残っているのか。

 ロシア軍のクルスク戦線増強について、ISWアメリカ戦争研究所は9月21日のウクライナ戦況報告において、ウクライナの軍事評論家マショヴィッツ氏の発言を引用する形で、最大2個空挺連隊と2個砲兵大隊がハリコフ侵攻部隊から抽出された可能性があると概況をまとめました。ロシア軍はハリコフ周辺ではフリボケ近郊で前進を継続しています。

 第106空挺師団と第52独立砲兵旅団、部隊が抽出されたのはこの二つの部隊であるとしています。ロシア軍の侵攻部隊概況は、スジャ近郊のカミシェフカ、ハリコフ北部のフリボケ、トレツク南西のレオニディフカ、クピャンスク近郊のキスリフカで前進し、このなかでキスリフカについてはロシア軍に占領されたと考えられています。
■キスリフカ西方
 戦況全般について。

 ウクライナ軍はキスリフカ西方で陣地を奪還した、ISWアメリカ戦争研究所9月22日付ウクライナ戦況報告によれば、焦点となりつつあったスヴァトヴェ西方にあるキスリフカにおいてウクライナ軍がロシア軍陣地を奪還したとしています。ただ、全般ではロシア軍はゆっくりではあるものの前進を継続しているもよう。

 ロシア軍はトレツク南方のニウヨーク中心部まで浸透、このほかにはポクロフソク近郊のノヴォオレクサンドリア北方地域、ポクロフスク近郊のクルティヤールとミハイロフカの周辺、またドネツク近郊のパブリフカ付近において前進している模様です。ロシア軍はウクライナ軍と接触を避け前進可能な地域を前線すべてで探索し浸透しているかたちだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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護衛艦さざなみ台湾海峡を航行!国際海峡への海洋自由原則維持と台湾海峡有事の懸念への牽制か

2024-09-26 20:17:55 | 国際・政治
■さざなみ台湾海峡航行
 緊張度を増す北東アジア情勢について日本はステイクホルダーとしての覚悟を示した構図でしょうか。

 海上自衛隊は25日、護衛艦さざなみ、が中国大陸と台湾本島とのあいだにある台湾海峡を航行させたと発表しました。これは南シナ海において行われる多国間訓練に参加する際、台湾海峡を航行したとしています。オーストラリア艦やニュージーランド艦も航行したという。台湾海峡は公海で今回の航行では中国や台湾の接続水域や領海は航行していません。

 台湾海峡航行は現場独断のものではなく、政府の方針を受けての実施とされています。この航行について林官房長官は本日午後に行われた記者会見で、一般論として自衛隊の活動は国内法と国際法に則って行われていると述べました。護衛艦さざなみ、たかなみ型護衛艦の4番艦で第4護衛隊群第4護衛隊に所属、呉基地が母港となっています。

 さざなみ。艦名と先々代をみますと、もちろん艦名というのは識別のためのものであり特別な意味はないものなのですが、駆逐艦漣の活躍というのを思い出すのですね。駆逐艦漣といいますと、最近ではゲームなどの影響で綾波型駆逐艦の漣を思い出すかたが多いのかもしれませんが、わたしの場合は駆逐艦漣、雷型駆逐艦の漣を思い出すのですね。

 雷型駆逐艦漣は1905年の日本海海戦において駆逐艦陽炎とともにバルチック艦隊司令官のロジェストヴェンスキー中将、損傷した旗艦である戦艦クニャージスオロフをおり、駆逐艦によりウラジオストックへ向かうところを捕捉、警戒部隊として追尾し停船を呼びかけるも逃走を図ったため威嚇射撃により停船させ捕虜としたことで知られます。

 航行の自由作戦、日本ではこうした名称は使いませんが、アメリカ海軍では1979年より公海上において沿岸国が不当な閉塞や航行制限を行っている海域に対して艦艇を航行させ航行自由を確認する実任務を実施しています。公海上を他国船舶が航行出来ない状況とする事例はありますが、国際法上根拠が無くとも軍事力により閉塞する事例はあります。

 シドラ湾事件として航行の自由作戦は摩擦となる事例もあり、1981年にリビアの独裁者カダフィ大佐が地中海南部のシドラ湾全域を自国領海とし、他国船舶が侵入した場合は撃沈する"死の海"と宣言しましたが、アメリカのレーガン大統領は空母ニミッツとフォレスタルを派遣、リビア空軍がSu-22攻撃機で攻撃を試みF-14戦闘機と空戦となりました。

 黒海衝突事件として、航行の自由作戦は冷戦時代にも実施されソ連黒海艦隊が航行を事実上制限していた黒海にミサイル巡洋艦ヨークタウンが展開、これを阻止しようとするソ連海軍のフリゲイトが故意に激突し、ヨークタウンの航行を阻止しようとしました。もっともクリヴァク級フリゲイトであり激突するも航行は阻止できていません。

 台湾海峡も、国際海峡であることから艦艇であっても航行は自由であり、アメリカ海軍は定期的に航行の自由作戦を実施しています。中国政府は抗議していますが、公開である以上その抗議に正当性も正統性も無く、ただ抗議を繰り返すことで中国艦艇以外の台湾海峡通航を認めない既成事実化を企図する懸念があり、対立構造が形成されています。

 中国政府は南西諸島の与那国島と西表島の日本了解接続水域などを国際海峡であるとして、空母遼寧と随伴艦などを通航させたのは9月18日のことでした。この少し前に中国海軍機領空侵犯事件が発生しており、過去中国本土から太平洋に展開する際には日本の接続水域を避け、沖縄本島と宮古島の中間部分を航行していたため、接続水域航行は初めて。

 今回の護衛艦台湾海峡航行については、空母遼寧による接続水域航行を中国国防省が公海上であり国際法上問題は無いとしていることから、今回護衛艦は国際海峡を接続水域さえ入ること無く通常航行しただけであることから、明確に中国側による台湾海峡閉塞の既成事実化に対して拒否の一石を投じたといえるのかもしれません。

 台湾海峡、重要なのはこの海域に過度な中国側への配慮を続けることは、台湾海峡有事という選択肢を中国政府が検討する際にその障壁が低くなる懸念があるということです。また中国への配慮が必要という反論があり得るのかもしれませんが、中国建国以来配慮を続けたことにより、地域安定化に繋がったという事実は残念ながらありません。

 台湾海峡有事の懸念とともに近年中国は南シナ海においても海洋閉塞化を進めており、これを放置することは東南アジア諸国と北東アジア地域を結ぶ海洋がすべて航行できなくなる懸念さえあります。摩擦を引き起こす懸念はあっても、放置することで事態が悪化するよりは、海洋自由原則という国際公序が維持へ、動かねばならないということでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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中国軍44年ぶりに太平洋上へICBM発射!東風41型大陸間弾道弾か-核弾頭は搭載せず

2024-09-26 07:01:44 | 防衛・安全保障
■南太平洋地域にICBM
 非常に稀有な事案ですが環太平洋地域の安全保障環境を緊張状態へ大きく前進させることとなるでしょう。

 中国人民解放軍は日本時間25日午前、南太平洋地域にICBM大陸間弾道弾を発射しました。核弾頭は搭載せず模擬弾頭を搭載していたとのこと。発射は日本時間0944時、海南島から南太平洋に向けて発射したとのことで、ミサイルは日本領土上空や排他的経済水域上空を飛翔しておらず、海上保安庁などの報告によれば日本船舶を含め被害はないとしています。

 東風41型大陸間弾道弾であった可能性がある。東風41型大陸間弾道弾は2019年の中華人民共和国建国70周年記念閲兵式において初公開されたもので、射程は1万4000km前後、アメリカ本土全域を射手に収めると共に多弾頭方式を採用し10発から12発の水爆弾頭を搭載、CEP半数命中界は100mと高い精度が付与されているとかんがえられます。

 1980年以来の発射である。太平洋上に向けて中国本土から弾道ミサイル実験を行ったのは、近年なかった事ではありますが、防衛研究所によれば1980年以来、44年ぶりの実施とのこと。ただ、44年ぶりの大陸間弾道弾太平洋方面への発射実験であっても想定海域へ着弾したものとみられ、宇宙開発などで培った技術が十分反映されたといえるでしょう。

 アメリカを含む周辺国への示威か。今回、海南島を発射されたミサイルはグアム上空を飛翔する経路を採り珊瑚海に着弾しています。これはグアムの米軍基地へ牽制となるとともに、着弾海域は太平洋戦争における日本の米豪遮断作戦の焦点となった場所であり、オーストラリアへ圧力をかけ、またフランス海外県からも近く欧州への圧力意図が考え得る。

 日本への通知について。中国国防省は水路当局を通じて日本の海上保安庁に対して、25日0700時から1300時にかけ、フィリピンルソン島北西沖、ルソン島東方沖、ニュージーランド北西の太平洋上へ宇宙ゴミ落下の懸念があるとして航路注意情報を発令していました。同様の航路注意情報は、アメリカやオーストラリアなどに対しても行われたとのこと。

 防衛省は、今回の弾道ミサイルは日本上空を飛行していませんが、レーダーなどにより捉えていたかについては情報を開示できないとしています。中国政府は、このミサイルは何処に向けられたものでもないとしていますが、射程からアメリカ本土を狙ったものであり、アメリカと同盟国や同志国がこのミサイル情報をどれだけ得られたかは重要な視点です。

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【京都発幕間旅情】大阪城,海に開かれた大阪-南海トラフ地震では梅田周辺が津波被害に遭うという事前想定

2024-09-25 20:23:09 | 旅行記
■海に開かれた大阪
 大阪は水の都と呼ばれていますがもともと八十島といわれた立地を土地改良により造成した海抜の低い文字通り海に向け開かれた街です。

 大阪の街を飛行機やヘリコプターでみてみますと、地震はともかくとして津波に対して大きな脆弱性があることがわかります、それは中心部梅田と大阪湾が離れているように見えますが、淀川が広い河口を大阪湾に向けて開け放っているための危惧というもの。

 淀川の河口は広く大阪湾に向けられていますが、梅田の北側で大きく曲がっています、ここに津波が侵入しますと直進しようとする津波が新大阪と大阪駅の中間部分の屈曲点で正面からぶつかり、堤防を乗り越える懸念が生じるのですね、ここから堤防は低い。

 湾内はもうひとつ、大阪港埋め立てにより津波の速度をそぐ、そぐといってもその地形上に多くの市民が生活を営んでいる地形、地形上の利点はあるとはいえ、中之島も迂回した津波の直撃を受ける立地にありまして、津波に対してあまりに無防備だ。

 石山といわれた丘陵地に築城された大坂城は、そういう意味で津波から直撃を免れる立地にありまして、ここを選んだ秀吉はなかなか先見の明があったのだなあ、と。いや、石山本願寺をここにたてた顕如さんの見立てなのか、今見ても関心させられるのです。

 南海トラフ地震が発生した場合、紀伊水道を加太淡路の由良水道へ津波が到達した場合は確実に大阪湾内に津波が侵入します。航空機から大阪の街を眼下に望んだ際には、ここ、津波対策は高層ビルと高架道路を結ぶ垂直避難しか方法は無いように思えてきて。

 神戸はどうか、といわれますと市街地が傾斜地にあるので、摩耶と六甲にそって少し移動するだけで急激に標高が上がります、ここはちなみにJRや阪神阪急線をこえたあたりで勾配がでてきますので、散策してふと後ろを振り返ると高低差に驚くことがおおい。

 顕如さんや秀吉さんはおそらく南海トラフ地震まで考えたようには思えません、大阪城築城前の天正地震では津波被害はそれほどでも無い、ほかの被害が大きすぎたという理由はあるのでしょうけれども。しかし立地は奇跡的なまでに配慮されていたといえる。

 東日本大震災、懸念してしまうのは長周期震動などの影響も未知数なのですが、東日本大震災が発災した2011年、主要駅や公共建築物は安全確認のために利用者を外に出すことで対策官僚としていたのですね、これにより大量の避難民滞留が起こっています。

 東急電鉄などは避難民を全部駅の外に出して駅を閉鎖して無事終了、としたことがのちに東京都の小池知事に非難されることとなりましたが、大阪で、津波の来る路上に多くの避難民を出した場合はそのまま押し流されることになりかねない、ということ。

 梅田まで津波が来る、というのは大阪市が2012年に作成した南海トラフ地震ハザードマップに示されているところです。じゃあ大変だ駅に収容しよう、と阪神電鉄が覚悟を決めると、阪神梅田は地下駅なので映画の"地震列島"のように大変なことになるのだが。

 地震列島、1980年の東宝映画で首都直下型地震が舞台となっていましたが、丸ノ内線が水没する描写が当時の営団地下鉄、今の東京メトロに相当非難された。同じような描写があった"逮捕しちゃうぞSECONDSEASON"ではそんなにいわれなかったのだけれども。

 上町台地や大坂城まで徒歩で移動できることが望ましいのですが、何にもかににも大阪市の人口を考えると、由良水道を津波が超えるまでに全市民避難させるということはあまりに非現実的です、すると垂直避難と高層避難所間の移動を考えねばなりません。

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【京都発幕間旅情】大阪城,夏の南海トラフ臨時情報と歴史地震の天正地震を受けての耐震構造という巨大城郭

2024-09-25 20:00:37 | 旅行記
■最も初期の耐震構造
 新幹線長期計画運休と地震臨時情報と物凄い熱さと空母カブールとこの夏は色々ありました、ラファールもタイフーンも来たね。

 南海トラフ臨時情報が発令されたのは今年八月八日、こちらは88艦隊の日ということで盛り上がっていまして、イスラエル大使を長崎平和記念式典に招かないことで波乱を生んでいた九日の前日に九州は宮崎県にて比較的大きな地震が発生したわけでした。

 大阪城、この大阪城は地震災害と大きな関わりがありまして、そしてこの大阪という大都市そのものも南海トラフ地震と所縁が、所縁というのも嫌なので想定被害地域、というべきなのでしょうか、含まれてしまっていますので、今回はこの視点から。

 日本で最も初期の耐震構造建築物、といいますと多くの方は五重塔を思い浮かべるのかもしれません、東京スカイツリー建設の際に五重塔の心棒という建築様式が耐震構造として採用された、ということが幾度か、ニホンノギジュツスゴイと紹介されたゆえ。

 五重塔の心棒、しかしこれ、明確に耐震構造であることをしめす文書などがのこっているわけではなく、そもそも仏教建築である五重塔が耐震構造を採用しているというならば、ご本堂の建築様式に耐震構造を採用しないのはなぜか、となってしまう。

 ストゥーパ、五重塔を含めた仏塔は仏教建築においては舎利殿という、要するにお釈迦様の遺骨を奉じる場所となっています、すると簡単に倒れては困る、となりますので耐震構造だ、といってしまえるのかもしれませんが、それを示す文献がないのですね。

 舎利殿と心棒の関係は、耐震構造という視点は結果的に副次的な要素があり、舎利を天と繋ぐ宗教的な要素があるのかもしれませんし、もしくは実際に耐震構造も、模型が現存しないだけで耐震研究の結果として残ったのかもしれず、研究はまだまだ余地がある。

 大阪城は、しかし、この大阪城は、この、といいますと1936年に建築されたものが現存する大阪城ですから、鉄筋RC構造の大阪城を示すと耐震せいはあるのでしょうけれども、最初の大阪城、いや大坂城というべきか、こちらの耐震性のほうは文献がある。

 大坂城を築城したのは豊臣秀吉ですが、この少し前に天正地震という、歴史地震としてみても有史以来最大の、関東大震災や濃尾地震よりもおおきな直下型地震が発生していまして、この際に豊臣秀吉恩顧の家臣がかなりの数、倒壊などで亡くなっています。

 なまずにちゅういすべし。天正地震ののちに造営することとなりました大坂城の建築に、豊臣秀吉自身が地震に耐えられる城郭を求めている書簡がありまして、耐震性に留意した建築物を注文している建物というのは、これが最古なのではないか、と。

 天正地震ののちに、大坂城そのものは大坂戦役、大坂夏の陣大坂冬の陣とで灰燼に帰しているわけですから、耐震構造物は失われている、といわれるのかもしれませんが、城壁石垣を含めて大坂城としてみるならば、拡張はおこなわれているものの基礎部分は。

 熊本地震における熊本城をみればわかりますように、石垣を水平ではなく斜度を以て敷き詰めておきますと地震の揺れに対して石垣が水平移動せず、加重が上下にかかることでお互いに支え合って倒壊を回避するという構造が、地震後の研究で判明しています。

 大坂城も熊本城も城普請は加藤清正、耐震構造の研究を重ねたことで崩れにくい城郭を造成していた、昔の建物であってもやれることはあったのだが、さていまはどうだろう、手抜きはないか大丈夫なのか400年後の今、とふとそんなことを思ったりするのですね。

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ウクライナ情勢-ホストレとクラスノホリフカ周辺にロシア軍増強大隊規模の攻撃

2024-09-25 07:00:11 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ情勢
 ロシア軍の残留機械化戦力の概要が余りわからないようになってきたのですが。

 ウクライナ軍はクルスク州ヴェセロエを占領した、ISWアメリカ戦争研究所が9月14日付ウクライナ戦況報告において分析したところによれば、ヴェセロエはスジャの西方40km地点にある。この概況についてISWはウクライナ軍北方作戦司令部のミーニスク報道官の発表を引用、ロシア軍は8月の時点でクルスク州に11000名を駐留させていた、と。

 クルスク州駐屯ロシア軍は、ウクライナのゼレンスキー大統領の13日発言によれば、この時点でロシア軍はクルスク州に40000名規模の部隊を集中させていて、間接的にウクライナ東部戦線へのロシア軍集中を防いでいる効果を示唆しました。ゼレンスキー大統領によれば今後、60000名から70000名の部隊をクルスクに抽出させるのが狙い、としています。

 東部戦線では戦線が膠着しているためにウクライナ軍固定陣地への大規模な砲撃がウクライナ軍に損耗を強いています、特にウクライナ軍は弾薬不足により、初夏までロシア軍の十分の一程度の火力に落ち込んでいましたが、クルスク戦線の戦端が開かれた後、火力の差は三分の一程度まで収まっているという。ただ劣勢であることはいなめません。■

 ポクロフスク周辺での戦闘について、ISWアメリカ戦争研究所は9月13日付ウクライナ戦況報告にその概況をまとめています。ロシア軍はポクロフスク周辺で複数の橋梁を破壊したとされていて、ウクライナ軍の兵站線にたいする生涯を増加させる狙いがあり、補給物資や交代部隊の移動を制限させた上で中心部への攻撃を計画している可能性がある。

 東部戦線全体に視野を広げるとドネツク市西方においてロシア軍はひさしぶりに増強大隊規模の機械化部隊を用いた攻撃を実施したとのこと。この攻撃はかなりの距離を前進することとなっていて、クラスノホリフカ周辺の開けた地形を一気に横断、ドネツク市西方のホストレまで8kmもの距離を進出したとのこと。ただ、損害もかなりの規模となった。

 ホストレとクラスノホリフカ周辺にはウクライナ軍1個旅団が展開しており、ウクライナ軍の発表によれば12日払暁から正午に掛け4波にわたるロシア軍攻撃が行われ、確認されただけで46両の装甲車両が正面に展開したとしていますが、ウクライナ軍は各種火器及び無人機によりロシア軍装甲車両の半数もしくはそれ以上を破壊したと報告しています。

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【M-5撮影特報】今津駐屯地創設72周年記念行事,大雨特別警報と戦車なき湖北の駐屯地祭(2024-09-21)

2024-09-24 20:00:00 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■今津祭二〇二四
 駐屯地祭の最中に石川県に大雨特別警報が発令されあんな大災害になるとは想像できませんでしたが湖北の駐屯地祭の様子を。

 駐屯地司令阪井邦丸2佐の巡閲、今年もやって参りました今津駐屯地創設記念行事、三月の部隊改編で長らく今津駐屯地にいました第10戦車大隊が廃止改編を迎え、その要員は豊川駐屯地に新編された第10偵察戦闘大隊に編合、駐屯地も寂しくなりました。

 中部方面移動監視隊の観閲行進、部隊は50名規模、このM5速報は撮って出しの写真ということで速報記事を掲載するG3Xほど望遠が利かないので、式典の先に観閲行進の様子を。近距離監視装置や高感度撮影装置と地上レーダ装置とともに観閲行進をすすむ。

 中部方面無人偵察機隊、FFRS無人偵察機システム、各国が開発した無人機の多くがGPSを活用するなかで有事の際の電波妨害を想定して完全自己完結式の無人機システムとしたために巨大化してしまったが、高度な電子戦環境でも運用が可能という点が特色だ。

 第3後方支援連隊第2整備大隊偵察戦闘直接支援隊の重装輪回収車が観閲行進ですすむ。19式装輪自走榴弾砲はこの車両がベースになるものだと思っていました。52口径といわず将来は射程100km狙う70口径の長砲身自走砲を、この車両をベースに開発してほしい。

 第3偵察戦闘大隊の観閲行進、写真撮影をEOSS-M5に15-45mmレンズを据え付けて撮影したものだから45mmでは限度がある、けれどもこちらはあくまで速報用の記録、詳報やしっかりとした速報はこのあとでお待ちください、ということで雰囲気だけでも伝われば。

 偵察中隊、もともとは千僧駐屯地の第3偵察隊でしたが、第3戦車大隊廃止とともに編合され第3偵察戦闘大隊偵察中隊となりました。87式偵察警戒車や82式指揮通信車と偵察オートバイを装備しています。遠くない将来に偵察戦闘車が配備されることとなろう。

 オートバイドリル、記念式典に参加した観閲部隊は107名と煩悩よりも少ない数字になっていたのだけれども、可能な範囲内で観閲行進や訓練展示を実施してくれました。訓練展示はG3Xのほうにまかせて、オートバイドリルのほうをM-5にて撮影してみた。

 パンサーズという名前で千僧駐屯地祭では人気投票が行われていた、パンパースと揶揄していたひとがいたがその後みたひとはいない。オートバイ斥候はヘリコプターに搭載したり自走したりで遮二無二敵を探すべく目だたなさを最大限活かし前進する部隊で。

 斥候と偵察の違いは、敵がいるかどうかを探すのが斥候で、敵がどの程度の戦闘能力を持っているのかを推し量るのが偵察という。五感を活かして探すのが斥候で、一発、いや一撃かまして反応を探るのが偵察というわけだ。現状で武装は若干心許ない。

 接敵したならば機動力を活かして一気に離脱するというのが斥候オートバイ、意外にオートバイを斥候に活用する事例は少ない、防弾は皆無だし監視機材も載せられる総量はしれている、けれども専守防衛の我が国は国土が戦場、ここにオートバイの利点が。

 オートバイは、専守防衛の我が国で運用するならば着上陸をうけた際に競合地帯は形成される前に防衛戦が始まる、すると防御力を考えて身重になるよりも軽快さと目立たないことが重要となります、自衛隊はいまでも専守防衛なのだなあと実感するのです。

 オートバイの有用性は認めるのですがカワサキKLX250よりももっとホンダゴールドウイングのような大型車に携帯無人機や2000mm級光学監視装置、手榴弾を運搬できる程度の小型無人機を搭載して接敵を避けて斥候を行えるような車両を配備しては、とおもうのだ。

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ロシア機北海道連続領空侵犯事件発生,航空自衛隊戦闘機-対領空侵犯措置任務でIRフレアー初使用

2024-09-24 07:00:37 | 国際・政治
■緊迫の北海道
 ロシア中国艦隊の遊弋や航空機接近の増大などの緊張が高まっていた北海道へ昨日サンドに渡る領空侵犯事案が発生しました。

 ロシア軍機が北海道離島を三度にわたり領空侵犯、航空自衛隊はIRフレアーを使用し警告しました。事件は昨日23日、最初の領空侵犯は北海道礼文島沖で23日1303時から1304時にかけ一分間にわたり領空侵犯したということです。この際、航空自衛隊は領空侵犯以前に戦闘機を緊急発進させ対領空侵犯措置任務を実施、領空接近を警告していたとのこと。

 領空侵犯二度目は同一の航空機が旋回を続け1531時頃に約30秒間、再度礼文島へ領空侵犯を行った。そして、更に三度目の領空侵犯を1542時から礼文島で発生したため、航空自衛隊は戦闘機からIRフレアーを使用し警告しました。これをうけロシア機は防空識別圏を退去、四度目の領空侵犯は発生せず、戦闘機による警告射撃には至りませんでした。

 Il-38哨戒機、今回繰り返し領空侵犯を行ったのはロシア軍の哨戒機で、これは旧ソ連が冷戦時代、アメリカのロッキード社製P-3哨戒機に対抗し開発したもの。P-3は不発に終わったエレクトラ旅客機に最新のコンピュータを搭載し哨戒機としたもので、ソ連も同じく四発旅客機を哨戒機に改造して投入したもの。対潜哨戒のほか情報収集にも用いられる。

 防衛省の発表した写真を見ますと、Il-38哨戒機は兵倉扉を開くなど示威的な飛行を行っていて、魚雷のほか対潜爆弾を搭載できることから礼文島へ爆撃を行いかねない状況でもあったことがわかります。IRフレアーを用いた警告は防衛省によれば三沢基地の北部航空方面隊司令部の判断で実施したとのこと。対領空侵犯でIRフレアーを用いたのは初だ。

 IRフレアーは、自衛隊観艦式や地方隊展示訓練において使用する様子をみることができますが、本来は赤外線誘導方式空対空ミサイルによる攻撃を受けた際に強い熱源を発するこのIRフレアーを使用することでミサイルの照準を機体から背けさせることが目的の装備で、武器ではありません。ただ、緊急発進にあたる機体は実弾も装備しています。

 警告射撃にはIRフレアーは当たりませんが、過去には警告射撃を実施したことがあります、1987年にTu-16爆撃機を転用した偵察機が沖縄本島上空、嘉手納基地の上空を飛行したため、那覇基地を発進したF-4EJ戦闘機は20mm機関砲を用いた史上初めての警告射撃を実施しています。外務省は正式に抗議し、ソ連政府は後日、制式に謝罪していました。

 今回の事件は繰り返し領空侵犯しており、航法ミスというには無理があることから明らかに示威的な領空侵犯といえるでしょう。なお、木原防衛大臣は今回の事件について、IRフレアーや信号弾は武器に当たらないとしています。現在20mm機関砲用に信号弾が開発されており、今後こうしたものの使用を迫られる状況も起こりうるのかもしれません。

 防空識別圏に侵入すること、これは飛行情報区という民間航空機の安全管理上、飛行計画を提出していない航空機が侵入することは衝突の懸念が生じ、これは無害通行権が認められる艦船とは別の問題があり、危険な行為です。しかしそれを超えて領空侵犯することは国際法上問題のある行為です。毅然とした対応を続けるべきだ、こうした挑発行為を看過することは、戦争に繋がるのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】ポーランド次期潜水艦選定とフランスバラクーダ級原潜トゥールーヴィル,カナダ海軍CPSP計画潜水艦12隻体制

2024-09-23 20:01:23 | インポート
■防衛フォーラム
 今回は海軍関係の話題なのですが潜水艦の話題が多い印象と手持ちの写真でも案外無関係ではない海軍の話題なども。

 ポーランド次期潜水艦選定売り込みに韓国ハンファオーシャン社が最新案を提示しました。潜水艦売り込みにあたってハンファオーシャン社は5月21日、ポーランドの海岸都市グダニスクのグダニスク技術センターにてインダストリーデイを開催、韓国海軍向けに建造された島山安昌浩級ことKSS-Ⅲ型潜水艦ポーランド仕様を提案したかたち。

 島山安昌浩級ことKSS-Ⅲ型潜水艦は水中排水量3800tと、おやしお型潜水艦の3500tよりも大型で、4200tの潜水艦そうりゅう型に迫る大型艦です。推進方式はディーゼルエレクトリック方式と燃料電池AIP併用方式、50日間の連続航行が可能で、特筆すべきは後部に玄武4-4型潜水艦発射弾道ミサイル用VLS8セルを有する点が特色です。
■防衛フォーラム
 VLSが護衛艦むらさめ型と同じMk56でしたが今度日本で公開される際には変わっているという事か。

 カナダ海軍はハリファクス級フリゲイトにESSMblock2を搭載完了しました。これはポイントディフェンスアップグレード改修として進められていましたESSM発展型シースパローミサイル搭載計画の官僚であり、カナダ海軍は6月までに搭載艦艇のESSMblock2発射試験を完了し、IOC初度作戦能力を付与したとのことです。

 ポイントディフェンスアップグレード改修はESSMミサイルを運用する12か国が連携して実施する能力向上改修であり、ESSMミサイルは射程が50㎞と従来のシースパローミサイルの15㎞よりも射程が大幅に延伸しアクティヴホーミングシーカー搭載、この搭載によりハリファクス級は僚艦防空能力を付与されることとなりました。
■防衛フォーラム
 もがみ型はどんどん増えるのですがこれCOVID-19の感染拡大の時点ではまだ一番艦が進水式を迎える前だったというと装備化の早さに驚く。

 海上自衛隊は護衛艦もがみ型である令和4年度計画護衛艦の命名式と進水式を実施します。実施は6月24日月曜日で実施場所は建造が進められてまいりました三菱重工長崎造船所、式典には佐世保地方総監俵千城海将が執行者として参加します。行事実施発表は6月14日で、艦名については命名式と進水式終了と同時に公表するとのこと。

 もがみ型護衛艦の9番艦に当たる護衛艦となっていて、令和4年度計画護衛艦として建造されるもう一隻の護衛艦、10番艦の起工は9番艦と同じく2023年7月6日となっていますが、進水式を迎えるには早いものの、ある程度上部構造物や船体の建造進捗は見られるため、恐らく数か月以内に進水式を迎えるものと考えられます。

 もがみ型護衛艦は当初22隻が建造される計画でしたが、掃海艇や小型護衛艦と比較する場合に大幅な武装強化ステルス設計などが実現したものの、近い将来生じるであろう南西諸島での中国海軍への対応能力を考えた場合不十分であるとされ、建造を12隻に留め、武装を大幅に強化し艦隊防空能力を付与した拡大改良型が建造されます。
■防衛フォーラム
 自衛隊のような掃海艇と云いますか機雷掃討艇は今後減ってゆくのか大型過ぎる母艦というのは逆に普及しないのか、さてさて。

 ベルギー海軍向けMCM機雷戦艦トゥルネーが進水式を挙行しました。2024年7月2日、コンカルノー造船所において挙行された進水式では、名前の由来となったトゥルネー市のドゥラノワ市長とベルギーのデドンダー国防相臨席のもとで執り行われました。MCM機雷戦艦としては4隻目で、ベルギー海軍向け艦艇としては2番艦となっている。

 MCM機雷戦艦はオランダとベルギーが協同し開発している次世代の機雷戦艦で、両国が協同し12隻のMCM機雷戦艦を導入、この12隻は100基の水中無人機母艦となり、1隻で多数の水中無人機や18t級水上無人艇を運用し広範囲の機雷を掃討するもの。このため満載排水量は2800tと、従来の掃海艇よりも格段に大型となっています。
■防衛フォーラム
 自衛隊ではHSS-2として親しまれていた。

 インド海軍はシーキング輸送ヘリコプターの退役式典を実施しました。第350飛行隊はインド海軍における最後のシーキング輸送ヘリコプター部隊となっていましたが6月28日、退役式典を行いました。インド海軍におけるシーキング輸送ヘリコプターの歴史は比較的新しく、アメリカ海軍よりオースティン級ドック型揚陸艦を取得したさいのもの。

 揚陸艦トレントンを受領しインド海軍においてジャラシュワと改名した2007年に、シーキング輸送ヘリコプターを導入しUH-3Hとして運用を開始し、2011年のリビア騒擾ではインド海軍が自国民救出にシーキングを運用しています。ただ、インド海軍歩兵部隊が海軍とは別にシーキングMk42Cを運用しており、こちらの運用は継続されます。
■防衛フォーラム
 巡洋艦は過去のものになるのか。

 アメリカ海軍から巡洋艦ピッツバーグとカウペンスの今夏除籍が発表、巡洋艦が全廃されようとしています、海軍は巡洋艦近代化改修プログラムを進めていますが、ピッツバーグとカウペンスは近代化改修費用の増大を受け連邦議会から予算打ち切りを宣言されたために陳腐化が進み、2024年夏、6月と8月に退役が発表されています。

 タイコンデロガ級巡洋艦は2027年までにすべて退役しますが、2024年秋までに2隻を残して退役するとのことで、ピッツバーグとカウペンスについては超過した近代化改修費用が2隻あわせて10億ドルと、アーレイバーク級新造費に迫る超過となりました。秋にはアンティータム、レイテガルフが退役し、2隻のみが2027年まで運用されます。
■防衛フォーラム
 ホバート級イージス艦と並ぶ大型艦だ。

 オーストラリア海軍向けハンター級フリゲイトの起工式が挙行されました。船体を構成する最初の鋼材を切断するスチールカット式は南オーストラリア州オズボーンにあるオズボーン海軍造船所のBAEシステムズオーストラリア社が実施したもので、左舷プロペラシャフトブレーキシステムの構造材がスチールカット式にて切断されました。

 ハンター級フリゲイトの一番艦は2032年に海軍に引き渡され、2034年に作戦運用体制にはいる計画です。ハンター級フリゲイトはSEA-5000計画として2009年のラッド政権時代から開始されたアンザック級フリゲイトの後継艦で、その大きさや任務は二転三転し、一時はホバート級ミサイル駆逐艦の派生型となる構想もありましたが。

 ハンター級フリゲイトは満載排水量8800t、Mk41VLSを32セル有しているほか、127mm艦砲や30mm機関砲と20mmCIWS近接防護牡蠣、対艦ミサイル発射筒に加えてMH-60R哨戒ヘリコプターを1機搭載する計画です。ただ、当初は9隻を量産する計画でしたが、これを6隻に削減し、浮いた費用でたすうの中型フリゲイトを整備する計画だ。
■防衛フォーラム
 従来型のドック型揚陸艦では無く経験の無い所に依頼している故の問題も。

 アメリカ海兵隊用輸送揚陸艇の建造は非常に厳しい状況にあるもよう。フォースデザイン2030としてアメリカ海兵隊は上陸作戦の主導という運用から島嶼部防衛に大きくその能力を転換しつつありますが、この為には強襲揚陸艦のような自己完結能力を持つ揚陸艦よりも、多数の車両や装備を輸送する今までにない両用戦艦が必要となります。

 しかし、アメリカ会計検査院が6月17日に発表した報告書によれば、現状では輸送揚陸艦の建造は計画よりもすでに2年間遅れているとともに建造費も物価高騰や工員不足の影響を受けることで当初見積もりの3倍にまで高騰している状況です。既に輸送される側の海兵沿岸連隊は続々と編成されていますが、開閉を運ぶ肝心のフネがないのです。

 現在は民間フェリーで代用していますが輸送揚陸艦は現在の計画では66mから130m、喫水は3.7m、50名の海兵隊員と650tの貨物化車両を輸送可能で車両甲板は8000平方メートル、ヘリコプターの発着甲板を有していて3500浬の航行能力と14ノットの速力を発揮し、30mm機関砲や機関銃を自衛用に搭載、耐用年数を20年と見積もっています。
■防衛フォーラム
 海兵隊のMV-22とはことなる海軍のCMV-22の配備という話題だ。

 アメリカ海軍はCMV-22オスプレイの岩国基地配備計画を発表しました。これは7月11日付NHK報道によるもので、現在すでに日本には沖縄県の海兵隊普天間航空基地へ海兵隊仕様のMV-22オスプレイが、また東京都のアメリカ空軍横田基地へ空軍仕様のCV-22オスプレイが配備されていますが、岩国へは海軍仕様のCMV-22が配備される。

 CMV-22オスプレイは2021年12月に初度作戦能力付与の認定が行われたもので、2022年からは原子力空母カールビンソンに展開するパタクセントリバーの第2空母航空団へ配備されています。海兵隊向けのMV-22と比較した場合、CMV-22は燃料搭載量が50%増大しており、これにより6000ポンドの貨物を1150マイル先まで輸送可能という。

 海軍は空母航空団に前方展開させることで、F-35C戦闘機など戦闘行動半径の増大している作戦機の行動に随伴する能力を付与し、またE-2D早期警戒機などとの連携と共にアメリカ海軍の全世界規模での作戦能力を支えるものになるという。岩国基地には横須賀の空母艦載機となる空母航空団が前方展開しており、その所属機となります。
■防衛フォーラム
 日本の潜水艦にもいちおう注目という。

 カナダ海軍はCPSP計画として潜水艦12隻体制を目指す計画とのこと。CPSP計画とかカナダ紹介潜水艦プロジェクトであり、ほとんど稼働状態に無いイギリスから導入したアップホルダー級潜水艦4隻が装備されていますが、一番艦アップホルダーは1990年にイギリスで竣工し1993年に退役しカナダに売却されたものの再就役に11年を要した。

 CPSP計画では稼働率維持に苦労し岸壁の女王とまでいわれたアップホルダー級を2030年代に近代化改修するとともに異なる潜水艦を2024年内にRFI情報提供依頼書を発行する計画で、カナダ海軍は太平洋と大西洋に加えて北極海の防衛を行うためには12隻の潜水艦が必要であるとし、各方面に稼働潜水艦1隻を確保するべく、検討中とのこと。
■防衛フォーラム
 オーストラリアに通常動力型を提示して急きょキャンセルされ政治問題化した事は記憶に新しい。

 フランス海軍はバラクーダ級原潜トゥールーヴィルの公試を開始しました。シュフラン級攻撃型原潜とも呼ばれるフランス海軍最新型の攻撃型原潜でトゥールーヴィルは三番艦、一番艦シュフランは2022年に竣工しており、二番艦のデュゲイトルーアンは2024年4月に竣工したばかり、フランス海軍は2030年までに6隻を建造する計画です。

 バラクーダ級攻撃型原潜は水中排水量5300t、前型にあたるリュビ級攻撃型原潜が通常動力型潜水艦設計を原子力推進としたために水中排水量は2600tと小型でしたが、ルトリオンファン級戦略ミサイル原潜に採用されたポンプジェット推進装置を採用し、前型にあたるリュビ級攻撃型原潜よりも大幅に近代化した潜水艦となっています。

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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-北山,九月限定シャインマスカットのタルトではじまる休日の午前

2024-09-23 14:11:51 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 季節限定よりも毎回頂ける愉しみの方を優先していたのですけれども一期一会こそ醍醐味でもあるという視座を知りまして今回は。

 スイーツ、京都散歩でも案外この情報に需要があると聞きましたので今回は舞鶴地方総監部が置かれる京都府は府庁所在地であるところの京都市のスイーツ、個人的に市内では五本指に入るだろうなあ、という美味しいスイーツ屋さんの話題を一つ。場所は北山通にある。

 北大路通を素通りして北山通というのは気が引けるところですが、地下鉄北山駅を出ると府立植物園が、ここもいろいろ紹介したいのですけれども割愛して北山駅を少し西へ歩み進めましたところにありますお店、ここはスイーツのマールブランシュさん。

 季節限定シャインマスカットのタルト。9月限定のスイーツですのでちょっと興味がある、という方はお急ぎを。季節限定、実はこの表現、あまりすきではないのだ、毎回いただける定番の味わい、というものを大切にするので一期一会というのはちょっと。

 白ワインのジュレを隠し味にダージリン風味のクリームで皮ごと甘酸っぱい果実風味を楽しめるシャインマスカットをタルトの上に引き立てているという逸品は、決して大きくは無いが確かな満足感をまず皿の上での存在感から期待値を上げてくれるもので。

 ダージリンにアイスティーを掛け合わせるとかぶってしまいそうなので、ここは冒険、ではないかいつもの注文の惰性か、アイスコーヒーをセットにしてみました。まだまだ熱い、この数日台風と豪雨の影響でちょっと涼しげな日中ですが、まだほしいのは冷たさ。

 マールブランシュさん、パティシェが様々なケーキはじめスイーツを織りなすお店ですが、ブランシュの名の通り白色を基調とした雲の上のような店内はその奥にイートインが広がりまして、席数は多くないものの早い時間ならばゆったりケーキを頂ける。

 シャインマスカットは、古代建築の妙をみるような見事な仕上がりとなって宝石のような色合いを放ち、ここにフォークを突き立てるのはちょっと勇気いるのですが、周りの方も百枚くらい写真撮ってから覚悟を決めたように頂いているので、わたしも続く。

 タルトの基盤をいきなり割らないように先ず半分、で一回転させ正面を見る。シャインマスカットも崩さないように吟味してみる、おいしい、甘いのと香り立つのと確かな食感とあふれ出る葡萄の酸味と、これが全部調和して美味しいというのだろうなあ。

 マールブランシュさん。午前中にちょっと甘いものを頂くと京都散歩は楽しくなる、いろいろ見て回る後に空腹感を覚えて時計見てびっくり、というよりは先に甘いものを愉しんで脳を活性化させ、ちょっと次の散策先を決めるのも、休日の愉しみ方とおもう。

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