「生き甲斐の心理学」を学び始めたときは、他者をより理解したい、できればうまく他者を支援したいという思いでいっぱいだった。そんな私であったが、恩師U先生は「自己分析ができなければ、他者分析などできない。」そんな、スタンスを明確にとられていて驚いた経験がある。
ある人は、事例研究をすべきだとか言われていた・・・カウンセリングの勉強はそうかとも思ったこともあった。しかし、生き甲斐の心理学を学び続けると、そうではなくU先生の言われる自己分析が大切なことをだんだんとわかってくる。自分のことはわかっているようでわかってないのだ、それなのに他者のことなどわかるはずはないと。
この場合、わかる・理解ということだが、五感・体感や知の働きを十分にしたうえでの理解といったらよいのだろうか。昔の言葉だが腑に落ちたといったらよいのか・・・
こうしたことを、ロジャースは厳密につぎのように述べている。
18:個人が、自分の感官的・内臓的経験の一切を知覚し、それを首尾一貫した統合されている一つの体系へと受容するならば、そのときには、その個人は、必 然的に他のひとびとをより理解しており、かつ、他のひとびとをそれぞれ独立した個人としていっそう受容しているのである。
ありのままになる 1/10